Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    わいん

    真砂長文倉庫

    DONE王子ハピバ!今年は当日お祝いできたぞ!やったね!
    去年の蔵王と同様、ワインとケーキで誕生会。王子二十歳の誕生日。別時空です。
    それぞれのお相手への王子の差異を書くのが楽しいです。
    CPじゃなくても仲良しなのが好きなので蔵水がっつり出てきます。

    王子誕は香水をテーマにすることにしました。だから来年までに蔵っちとみんぐの香水プリーズ!
    王子は何回も二十歳になって羨ましいw
    (初出:20240111)
    王子誕2024イコプリ「Everything is OK」 警戒区域からほど近い1LDKの単身者用マンションには、三門市立大学に通う生駒と水上、そして隠岐が隣同士で暮らしている。
     年の瀬が近づいてきた今日、生駒宅の玄関には住人の他に二足分、持ち主の異なる靴が並ぶ。一足は少しだけ踵のすり減った代赭色のスニーカー、もう一足は手入れの行き届いた暗褐色の革靴だった。個室のローテーブルに置かれたノートパソコンの画面を生駒・水上・蔵内が取り巻いている。

    「王子のイメージはやっぱり青や思うんやけど、そんな色のケーキある?」
     生駒はブラインドタッチが不得手というより雨垂れ打ちに近いため、入力担当は副官である水上である。スクエア型ハーフリムタイプのブルーライトカットグラスをかけ、キーワードを入力した。
    6226

    真砂長文倉庫

    DONE今年もボージョレ解禁でゲットした「オレンジワイン」の色がみんぐ色(はい?)だったので、連想してみました。蔵水とも迷ったのですが、ワインは王子のイメージだったので久しぶりの王水で。

    当日書くつもりでしたが、一瓶飲んで寝てました。出産後の断酒を経験すると加齢もあってめっきり弱くなったなぁ。
    酒は飲んでも飲まれるな。(ブーメラン)
    オレンジワイン王水「nouveau dessert」「やぁ、お邪魔するよ」
    「…………入れや」
     ここ数日でめっきり冷え込んだ玄関での問答は無意味だ。
     招かれざる客ではあったがその両手に抱えられた物を視界に捉えると、琥珀色の双眸が酷薄に輝いた。その光を凌駕する土耳古石の所有者は悠然と微笑む。勝手知ったる恋人の家のリビングに入り、ローテーブルに荷物を置いた。ふわりとスパイシーな香りが舞う。そのまま瑠璃色の上着と濃紺のスヌードを壁際のハンガーにかけ、手洗いと嗽を済ませてテーブル前に座した。ちゃっかり引っ張り出した座布団を敷いている。

    「時間ぴったり、かな?」
    「約束も連絡もせんで、『ぴったり』もあらへんやろ」
     そうは言いつつも、水上の空腹具合をぴたりと見計らって来るのが王子であることを知っている。そう水上が思っていることを王子も知っている。それは、六年前の春、高校入学時に出逢った頃から肌で感じていたことだ。知人・友人・恋人とクラスチェンジした今でもそれは変わらない。嫌悪・共感・親愛の比率が多少変わったくらいだ。変動制であるそれの現在の比率は7:2:1である。
    1973

    住めば都

    DONEあくねこ、ハナマル夢(?)
    ※本編2.5章、水龍の唄、ワインフェスティバルの内容に触れています。
    時系列的にはワインフェスティバル8話のあと。イベストを読み返していて感じたことをこねこねしました。捏造過多です。
    独白なので夢と言っていいものかわかりませんが、考えているのは主様のことなので一応夢ということにしておきたい。
    ないものねだり 宛てがわれた宿の一室でベッドに身を横たえたハナマルは、酒精が入ったわりに冴えてしまった目で、ぼうっと天井を眺めた。ついと利き手を天に伸ばす。緩く拳を握ると、掴んでおきたかった大事なものの記憶が脳裏を駆け抜けた。
     感傷的な気分になっているのは、ルカスを相手に過去の話をしたからだろう。まさか中央の大地に、燃え尽きた郷里のことを知っている人間がいるとは思わなかった。
    「百年経てば、か……」
     刺青を消したいと相談したハナマルに、刻まれた印は消えずとも人々の記憶のほうが風化すると、ルカスは言った。確かにそうだとハナマルも思った。
     だが、背に負った龍の意味を知るものがいなくなるのにそれだけ年月がかかるのだとすれば、彼が唯一と定めた主人がハナマルの出自を知る日が、いずれやってくるかもしれない。
    1326