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    カコ

    Namako_Sitera

    DOODLEシグナ・ル・プリマ【1】:シグナと選ばれし者。
    (一貫してシグ→サザ)(全体通して恋と愛がテーマの作品になります)
    全極前でシグナが旅団に同行したらというif シグナとどうにかこうにか和解しようとしてなんか斜め上に行きそうな話。
    シグナ追憶はこの話よりも前に起きているが、焼かれた時の記憶がないみたいなフワッとした設定をしています。来るべき時まで誤魔化していけ…!!
    シグナ・ル・プリマ【1】:シグナと選ばれし者。 狩王女、盗公子、雷剣将、三つの神の指輪を正しき場所へ戻すために訪れたオルサ島、その小さな小さな港口。聖火神の指輪が導く一行を待っていたのは一人の少女だった。神秘的な雰囲気に気圧され一行は戸惑ったように……実際戸惑ってそれぞれ顔を見合わせる。
     これまで何となくではじまった奇縁の旅だったので、こういった仰々しい展開になるとは思っていなかったのだ。神の指輪を回収し正しき場所に返還するという使命の重さを理解しているのはそういない。……ただ一人を除いては。
     
    「お待ちしておりました、選ばれし者よ。わたしはシグナ、指輪の巫女の一人でございます。どうぞこちらへ、姉様たちの待つ祠へ案内いたします」
     
     戸惑う者たちの中に一人だけ一貫として動揺を見せなかった青年に、巫女シグナは恭しく一礼する。シグナの目は正しく今現在の選ばれし者を見抜き、四肢はこれまで叩き込まれた作法に従う。さながら生まれるより前から決められていたことの様にことは進む、かに思われたのだが。
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    38sgmj

    MOURNING去年書いて、いやなんかこれおもんないわ、とボツにした犬辻。でも、人生何が起こるかわかりませんし、おもしろく感じる日も来るかもしれない。ので、こっちに載せて保存しておくことにします。
    辻ちゃんの無自覚な好意を受けての犬飼先輩の話。
    犬辻 おれは多分、辻新之助に好かれている。
     年齢は一歳下で、ボーダー歴では一年近く先輩にあたる辻新之助。二宮先輩に紹介されて初めて知った彼は、なるほど、先輩が好みそうだ、と思うくらい容姿も優れていた。当時としては希少な攻撃手の一人で、こんなに大人しそうなのに危険な前衛を張るのか、と驚いたのを覚えている。年齢以上に大人びた雰囲気で、でも、ほんのり丸みを帯びた頬のラインが幼く可愛らしい、おれの大切なチームメイトで、先輩で、弟分。そんな存在が辻新之助だった。それが少しずつ変化していったのは、おそらく高校進学後。学校でも顔を合わすようになって、はたと気がついた。おれは多分、辻ちゃんに好かれている、と。もちろん、彼はおれに限らず誰にでも丁寧に接する子で無闇に人を嫌ったりしないから、元々好かれていたのだと思う。でも、そういうのとは違う、どちらかと言うと恋慕に近い感情でおれを見ていた。勘違いだとか、自惚れ、自意識過剰。何度もそう思って考え直したけれど、おれは人の好意を察するのが得意なほうだったから、多分これは間違っていない。犬飼先輩、とおれを呼ぶその声が、おれを見る黒い瞳が、どうにも甘くおれに届くのだ。
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