カブルー
gozen_tyuu
MAIKINGカブルーが記憶喪失になるカブライの冒頭。本文は開発中のものです「かっ、カッ、カブルーが頭打って意識不明ってホント?!」
息せき切って部屋へと入ってきたのは、髪を乱したマルシルだった。彼女は大きな瞳を不安げに見開き、杖を支えにしながらぜえぜえと肩で息をしている。
部屋の中にいたヤアドが、彼女を宥めるように指を口に当てた。
「ええ。けれどもう治療は済んでいますよ。今は眠っているだけです」
「よ、よかったぁ……」
マルシルがへなへなとその場に膝を突いた。落ち着いたヤアドの様子にほっとしたのか、目には安堵の涙を浮かべている。
「ライオスさんが一緒にいたので、処置が早くて助かりました。ね? ライオスさん」
「えっ、ああ、うん……」
ベッドの脇に座っていたライオスが、声をかけられてはっとしたように顔を上げた。どこか気まずそうに顔を見合わせ、傍で眠るカブルーにまた視線をやった。膝の上で組んだ手を落ち着かなさそうに組み替えながら、ライオスはじっと黙っている。その表情は硬く、どこか青褪めているようにも見えた。
2128息せき切って部屋へと入ってきたのは、髪を乱したマルシルだった。彼女は大きな瞳を不安げに見開き、杖を支えにしながらぜえぜえと肩で息をしている。
部屋の中にいたヤアドが、彼女を宥めるように指を口に当てた。
「ええ。けれどもう治療は済んでいますよ。今は眠っているだけです」
「よ、よかったぁ……」
マルシルがへなへなとその場に膝を突いた。落ち着いたヤアドの様子にほっとしたのか、目には安堵の涙を浮かべている。
「ライオスさんが一緒にいたので、処置が早くて助かりました。ね? ライオスさん」
「えっ、ああ、うん……」
ベッドの脇に座っていたライオスが、声をかけられてはっとしたように顔を上げた。どこか気まずそうに顔を見合わせ、傍で眠るカブルーにまた視線をやった。膝の上で組んだ手を落ち着かなさそうに組み替えながら、ライオスはじっと黙っている。その表情は硬く、どこか青褪めているようにも見えた。
オチット・スクツク
DOODLE読んでたら やっぱいいかも…になったのでこっちに再掲します欲はなくても思考は止まらず、どうして今に至ったのかを一人で考えて考えてゴテゴテになってしまった話をカブルーがすっきり調理してくれて、それが救いになってたらいいな という話。 6
aoi
DOODLEカブルーとライオスの短い話。霧深い、雨の煙る夜だった。
狭い島内には酒場は然程多くないからか、普段はどこも賑わっており酷い喧噪だったが、この日は天候の影響か客足が遠のいていた。
カブルーは地下の一室を間借りしている酒場に戻り、扉を開けたときの静けさに瞠目した。
店内には十数人しかおらず、その多くは一人客だった。
カブルーは店内をぐるりと見回すと、思わず口元を歪める。
視線の先に、以前より目を付けていた冒険者の一人がいた。
彼は一人カウンターで食事を摂りながら、ちびちびと舐めるように酒を飲んでいる。
「こんばんは」隣席のイスを引きながら、カブルーは人好きのする笑みを浮かべた。「隣に座っても?」
「・・・・・・今日はどの席も選び放題のようだが」
1559狭い島内には酒場は然程多くないからか、普段はどこも賑わっており酷い喧噪だったが、この日は天候の影響か客足が遠のいていた。
カブルーは地下の一室を間借りしている酒場に戻り、扉を開けたときの静けさに瞠目した。
店内には十数人しかおらず、その多くは一人客だった。
カブルーは店内をぐるりと見回すと、思わず口元を歪める。
視線の先に、以前より目を付けていた冒険者の一人がいた。
彼は一人カウンターで食事を摂りながら、ちびちびと舐めるように酒を飲んでいる。
「こんばんは」隣席のイスを引きながら、カブルーは人好きのする笑みを浮かべた。「隣に座っても?」
「・・・・・・今日はどの席も選び放題のようだが」
aoi
DOODLE前に呟いたライオスとカブルーが話してるだけの短いの執務室は夕陽で赤く染まっていた。じきに日が沈んでたちまち帳が下りる。
そろそろ灯りの準備をした方がいいだろう。
この日、カブルーはライオスの補佐として書類仕事を共にこなした後だった。
もうじき夕飯の連絡が来るだろうが、その前に休憩を入れようと、お茶を入れて執務机から窓辺に置かれた丸テーブルに移動する。
この場所はちょっとした休憩や彼の仲間が訪れた際によく使用する場所だ。
窓からは城下町と海がよく見えて、心地よい風が吹いていた。
長時間書類や資料に向き合っていて、目の疲労が甚だしく、二人は目を閉じると指で眉間と瞼を軽く揉んだ。
身体に蓄積された疲労を追い出すように、どちらからともなく息を吐く。
カブルーはヤアドに政治や国の運営に係る業務を教わりながら、最近では王の補佐として働いていた。自分の努力がようやく周りに認められたのだろう。
1766そろそろ灯りの準備をした方がいいだろう。
この日、カブルーはライオスの補佐として書類仕事を共にこなした後だった。
もうじき夕飯の連絡が来るだろうが、その前に休憩を入れようと、お茶を入れて執務机から窓辺に置かれた丸テーブルに移動する。
この場所はちょっとした休憩や彼の仲間が訪れた際によく使用する場所だ。
窓からは城下町と海がよく見えて、心地よい風が吹いていた。
長時間書類や資料に向き合っていて、目の疲労が甚だしく、二人は目を閉じると指で眉間と瞼を軽く揉んだ。
身体に蓄積された疲労を追い出すように、どちらからともなく息を吐く。
カブルーはヤアドに政治や国の運営に係る業務を教わりながら、最近では王の補佐として働いていた。自分の努力がようやく周りに認められたのだろう。
ryuumajitenshi
DONE新入生カブルーと卒業生ミスルンのカブミス、JKミスルン、謎の演劇学校パロ。OGのミルシリルもいる群青 始まりは、その時から少し前であった。彼も知らずに。春風も、小雪も、あの古く重いダークウッドの扉の隙間を覗き込んだときからも、ずっと。あの日は、かすかに鳳仙花の香りがし、金木犀の匂いもした。
『結婚以来今はじめて、あなたは正直な私をごらんになっていらっしゃるのね』
黒曜石のような頭髪。丸みを帯びた頬。
『そう申しましょう。お似合いの夫婦でございましたわ。実にお似合いの…』
スラリとした細身の体格で、トールマンにしては小柄でも言える。
『でも良いことは永く続きませんのね』
おそらく、これからもまだ伸びるだろう。トールマンの気まぐれはそういうものだから。その高身長な体格で、そんな簡単に舞台を支配することができ。
2853『結婚以来今はじめて、あなたは正直な私をごらんになっていらっしゃるのね』
黒曜石のような頭髪。丸みを帯びた頬。
『そう申しましょう。お似合いの夫婦でございましたわ。実にお似合いの…』
スラリとした細身の体格で、トールマンにしては小柄でも言える。
『でも良いことは永く続きませんのね』
おそらく、これからもまだ伸びるだろう。トールマンの気まぐれはそういうものだから。その高身長な体格で、そんな簡単に舞台を支配することができ。
gobomittya_2
MOURNINGそういえばいのけいほに、カラーリング考えるのめちゃくちゃ迷ったので色違いのラフがたくさんあります薄いグリーンとかブルーも結構好きだったけど、最終的にベージュが双葉ちゃんと並んだ時に可愛いなと思ってベージュになりました 4