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    カリスト

    Mr_mofmof

    PASTエターナルズのイカリスとドルイグに激萌えしてた時の文章が出て来たので見てください
    決闘裁判「何故来なかった」

    怒気をはらんだ声が空気を震わせ、がらんどうの神殿に響いた。
    人々の暮らす都市から少し離れたこの神殿に、日が落ちてから訪れる人間は誰もいない。喧騒を逃れてひとりになるにはうってつけの場所だったが、どうやら明日からまた新しい穴場を探さなくてはいけなくなった。だらしなく寝そべっていた石造りの祭壇からゆっくりと身を起こし、ドルイグは静寂に踏み込んできた闖入者と向き合う。
    東の丘の上、暁に眩い太陽の光が真っ先に届くこの神殿は、目の前の男を崇めるために建てられたものだった。

    「失礼、君と何か約束していたかな」
    怒っている理由は明白だった。
    もっと以前には、家族が不穏になりそうな物言いはなるたけ避けようと、殊勝な心配りをしたりもしていたものだったが、この男相手にそんな面倒ごとをするのはとっくにやめていた。なにしろいちいち意見が合わないのだ。彼と挨拶よりも複雑な言葉を交わして、穏やかに会話を終えることのほうが少ない。始めから神経を逆なでしてやる方が、互いに無駄なやり取りをする手間も省けるだろう。それに、イカリスは多少怒らせてやった方が、いつもよりずっとよどみなくものを言った。
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