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    ジャガ

    eyeaifukamaki

    DONE何番煎じかの記憶喪失ネタ。同棲中に沢北が事故にあって深津さんの記憶を無くして、深津さん出ていきます。沢北を狙うモブ女がでてきて、でも沢北は相手をしなくて、なんじゃかんじゃがあってのハッピーエンド。沢北も深津さんもお互い大好きなので、お互いを思って行動します。沢北は最後まで記憶なしです。そしてもう一度恋をするのです。フォルダはR-18に繋がるので、そのうちR-18を載せます。
    もう一度、恋をするside 深津

    まだ少しだけ陽の光が周りを照らしていた場所は、既に照明の光へと姿を変えている。予定の時刻は遥か昔に過ぎ去っていて、スマホの画面とにらみ合うのは既に別の目的へと変わっていた。電話をかけても留守電にすらならない。思い当たる場所にかけてみたが、いい返事は返ってこなかった。コツコツと動く針が、外と同じ光の色を示している。

    『分かってます?時計をプレゼントするって事は、時間を束縛するって事っすよ!俺はそういう意味で渡すんです。だから、受け取るなら…そんな想い全部、ちゃんと貰ってくれないと困るんです』

    受け取って欲しい、でも軽くみられたくない。そんな想いが綯い交ぜになって、怒りたいのか、泣きたいのか、照れてるのか、その全部を混ぜたような、なんとも言えない表情で、おずおずと差し出された手の平の箱。その中に入っていた時計は、あれからもう三年の月日を刻んで、今の俺の腕に収まっている。その針が約束の時間より更に一回りして、先の見えない時間を刻んでいく。
    18923

    sakurattihikari

    PROGRESS魔王城内部の書庫とジーヴルとジャルデンのなんか
    勝手に人の子借りたりしてるぞ しかし扱いごめんな現在進行系
    ジャがちょっと潮風感じる
    紙と木、あるいは皮でできた書物。それらを収納する壁によってつくられた、静けさの籠もる少し冷たい空気の立ち込める空間。男は、己の踵が床を叩く音を耳にしながら、その足を奥へと進めた。
    魔王城内に作られた、本の収蔵と管理のための空間である書庫へ、ジーヴルは訪れていた。人に用事があったためである。しかしその人というものが、領内の見回りなどを請け負う、基本的にどこにも留まらないといった職分なもので、同じ軍に属していても、会う機会というのはそう多くはない。そのためそんな彼が比較的よく訪れるらしいこの書庫に、ジーヴルは珍しく自ら足を向けた。
    書庫にもいくらかの魔物たちはいるが、城内の各所や他の地域に比べれば少なく、静かな方だと感じる。それは喧騒の有無か、存在の騒がしさの有無か。少数人が集って大声をあげているよりも、大人数の静寂を浴びている方が鬱陶しく感じることもあるのだ。少なくとも現在の書庫の様子とは、片手で数えられるほどの数の個体だけがおり、それらは静寂を好んでいるらしいのだった。
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