タル
白流 龍
DONEタル鍾:『漢服』満月だけが知っている。
オレは何をしているんだろうか?
厳かな雰囲気の店内に、綺羅びやかな飾り、滑らかな布地、厳格な服装が飾られる中
女性二人に囲まれて、されるがままになっていた。
目の前には、上着を椅子にかけてのんびりと読書をしている横顔。
「…ね、先生。今日はさ、実家に帰っててお祝い出来なかったから今日先生の誕生日しようって言って連れ出したのオレだよね?」
「そうだな」
「これは、なに?」
「それは『漢服』と言ってだな、璃月の伝統衣装で…」
「そうじゃなくて…」
胸元や袖口には金があしらわれ、腰帯にはしゃらり、と名前は分からないが宝石だろう、キレイなライトブルーの飾りが並んでついている。大部分を締めている布はパッと見ると漆黒のようだがよく見ると装飾が施され、光が当たっている部分は少し茶色がかって見える。
1629厳かな雰囲気の店内に、綺羅びやかな飾り、滑らかな布地、厳格な服装が飾られる中
女性二人に囲まれて、されるがままになっていた。
目の前には、上着を椅子にかけてのんびりと読書をしている横顔。
「…ね、先生。今日はさ、実家に帰っててお祝い出来なかったから今日先生の誕生日しようって言って連れ出したのオレだよね?」
「そうだな」
「これは、なに?」
「それは『漢服』と言ってだな、璃月の伝統衣装で…」
「そうじゃなくて…」
胸元や袖口には金があしらわれ、腰帯にはしゃらり、と名前は分からないが宝石だろう、キレイなライトブルーの飾りが並んでついている。大部分を締めている布はパッと見ると漆黒のようだがよく見ると装飾が施され、光が当たっている部分は少し茶色がかって見える。
ぽぷろあ
DONEタル鍾 恋人設定 幻覚強め 何でも許せる人向け先生の誕生日記念
かわいいものが好きな先生の話
一番嬉しい贈り物店頭にある陳列棚を端から順にゆっくりと眺めた。定番の物から新たに出た品まで、ありとあらゆる璃月に因んだ特産品が、所狭しと並んでいる。
ふと、右側の方に目にしたことのない物が積み上がっているのが見えた。崩さないように、そっと一番上の一つを鍾離は手に取った。
手套越しでもわかる、もちもちとしてふんわりとした心地よい手触りに、淡い金色と灰色の二色で彩られ、ちょうど鍾離の掌に収まる位の大きさをしたそれは、金ヤマガラを模したまん丸なぬいぐるみだった。つぶらな瞳の傍には朱色の化粧が小さく施されていて、愛らしさに拍車をかけている。
初めて見る物だった。その可愛らしい風貌に癒やされて思わず頬が緩む。もっちりとした弾力もやみつきになりそうだった。改めて持っている物を正面から眺める。新たな出会いに鍾離はほぅっとため息をついた。
7479ふと、右側の方に目にしたことのない物が積み上がっているのが見えた。崩さないように、そっと一番上の一つを鍾離は手に取った。
手套越しでもわかる、もちもちとしてふんわりとした心地よい手触りに、淡い金色と灰色の二色で彩られ、ちょうど鍾離の掌に収まる位の大きさをしたそれは、金ヤマガラを模したまん丸なぬいぐるみだった。つぶらな瞳の傍には朱色の化粧が小さく施されていて、愛らしさに拍車をかけている。
初めて見る物だった。その可愛らしい風貌に癒やされて思わず頬が緩む。もっちりとした弾力もやみつきになりそうだった。改めて持っている物を正面から眺める。新たな出会いに鍾離はほぅっとため息をついた。
hiwanoura
DONEパティシエのタルタリヤと大学の先生をしている鍾離先生の現パロ鍾タルの、引越し初日の話。※この2人はまだ付き合っていません(忘れがちな設定)
パティシエのタルタリヤと大学の先生な鍾離先生の話⑥「公子殿、ちょっとそこに座ってくれないか」
酷く真剣な顔で呼ばれ、示されたのはリビングに敷かれたラグの上。毛足の長いそれは、直接腰を下ろしても冷たくは無いだろうが、正直さっきまで布団の中にいた身としては、座りたくないなぁと思うのが本音だった。え、いきなりなんで…?とまだ眠気から覚醒しきれていない頭で考えつつ、しかし、相手の雰囲気は明らかに逃がしてはくれそうになくて。とりあえず「はい」と答えて大人しく腰を下ろした。呼びつけた張本人が正座をしていたのでそれに習い、同じように足を折って。膝を突合せたところで「あれはどういう事だ?」と、スラリと長い指が示したのは、キッチンの片隅にある冷蔵庫だった。
「冷蔵庫…だね?」
3525酷く真剣な顔で呼ばれ、示されたのはリビングに敷かれたラグの上。毛足の長いそれは、直接腰を下ろしても冷たくは無いだろうが、正直さっきまで布団の中にいた身としては、座りたくないなぁと思うのが本音だった。え、いきなりなんで…?とまだ眠気から覚醒しきれていない頭で考えつつ、しかし、相手の雰囲気は明らかに逃がしてはくれそうになくて。とりあえず「はい」と答えて大人しく腰を下ろした。呼びつけた張本人が正座をしていたのでそれに習い、同じように足を折って。膝を突合せたところで「あれはどういう事だ?」と、スラリと長い指が示したのは、キッチンの片隅にある冷蔵庫だった。
「冷蔵庫…だね?」
NanoLines
DONE💕 🎄 You see, Angel Zhongli was okay after falling on earth and had a fun Christmas with Salaryman Childe 🎄💕Late art with a recycled tree. Happy holidays and New Year to everyone 🎉
秋月リア Ria Akiduki
DOODLE【タル蛍/chilumi】最近付き合い始めたばかりで、まだ新しい距離感に戸惑ってる二人の少女漫画回らくがき
(タルタリヤ&スイパ〇着物衣装の蛍ちゃんwithプレゼントの空鯨ぬいぐるみ)
慣れたらまた元気に仲良く痴話喧嘩する(?)
【タル蛍/chilumi🐳✨/Childe×Lumine】
あきぴん aki_naja
DONEMerry Christmas#タル鍾 #tartali
(High resolution)
https://www.patreon.com/posts/20221225-merry-76349881
NanoLines
DONE🌙 Symphony of the Fatui 🩸🦇 We've always known that Childe has bats in the belfry 🦇 Parody of a certain family portrait 🧛♂️
まもり
DONE邪タルタルです。問答無用で可愛い。堪らない。実体化可能なタルタリヤがアヤックスにベタベタするお話です。ちょっぴり切ない。
ドッペルゲンガーの矢 ドッペルゲンガー。
この世に三人いる、自分と同じ姿の人間。三人目に出会うと死に至る…らしい。
(殺せるものなら殺してみろと。せっかくの機会だし俺同士で戦おうと。そう言いたかったのに)
数年前、そんな都市伝説に興味をもったアヤックスは意気揚々とドッペルゲンガー探しに出たことがあった。結果は散々で、見つからなかったのはもちろん、自分に酷似した後ろ姿にはしゃいで近付くとご老人だったオチまで用意されていた。「俺の老後はあんな感じかもしれない」、オカルトを追い求めた帰りにリアルな想像をして、それからは二度とあの遊びをすることはなかった。
「公子様?」
「ん?ああ、悪い」
アヤックスは、怪訝な顔をしたデッドエージェントに軽く返しながら封書を渡してやる。次の任務について書かれた極秘のものだ。ファトゥスの座につき部下ができてから、こういったやり取りをするのも仕事の一つとなった。正直、面倒ではある。
16914この世に三人いる、自分と同じ姿の人間。三人目に出会うと死に至る…らしい。
(殺せるものなら殺してみろと。せっかくの機会だし俺同士で戦おうと。そう言いたかったのに)
数年前、そんな都市伝説に興味をもったアヤックスは意気揚々とドッペルゲンガー探しに出たことがあった。結果は散々で、見つからなかったのはもちろん、自分に酷似した後ろ姿にはしゃいで近付くとご老人だったオチまで用意されていた。「俺の老後はあんな感じかもしれない」、オカルトを追い求めた帰りにリアルな想像をして、それからは二度とあの遊びをすることはなかった。
「公子様?」
「ん?ああ、悪い」
アヤックスは、怪訝な顔をしたデッドエージェントに軽く返しながら封書を渡してやる。次の任務について書かれた極秘のものだ。ファトゥスの座につき部下ができてから、こういったやり取りをするのも仕事の一つとなった。正直、面倒ではある。
まもり
DONE美味し過ぎるこの関係性を私が放っておけるはずもなく。ということでタルタリヤとの三角関係開幕です。
散兵様と公子様「おまえ、やたらと上機嫌だな」
塵歌壺内で鼻歌交じりに髪をといていると、ふよんと飛んできたパイモンに話しかけられた。私の膝の上に座るなりふてぶてしくハスの花パイに手を伸ばしている。
「いつもこんな感じじゃない?」
「いや違う。少なくともトーンが高い」
なんだそれは。
首を傾げるとパイモンが次から次へとパイをムシャムシャ貪った。さっきご飯を食べたばかりなのに仕方のない子だ。
ヘアブラシと鏡を片付ける私。彼女がまた口を開く。
「一週間前……何かあったな?」
ドキッとする。その辺りは、確か。
(スカラマシュと話をした……)
あれはそう、仲直りというやつだ。監禁事件をそんな可愛らしい言葉で済ませて良いのかはさておき、間違いなく彼に近付けた日だった。
9934塵歌壺内で鼻歌交じりに髪をといていると、ふよんと飛んできたパイモンに話しかけられた。私の膝の上に座るなりふてぶてしくハスの花パイに手を伸ばしている。
「いつもこんな感じじゃない?」
「いや違う。少なくともトーンが高い」
なんだそれは。
首を傾げるとパイモンが次から次へとパイをムシャムシャ貪った。さっきご飯を食べたばかりなのに仕方のない子だ。
ヘアブラシと鏡を片付ける私。彼女がまた口を開く。
「一週間前……何かあったな?」
ドキッとする。その辺りは、確か。
(スカラマシュと話をした……)
あれはそう、仲直りというやつだ。監禁事件をそんな可愛らしい言葉で済ませて良いのかはさておき、間違いなく彼に近付けた日だった。
🌾🍚🍙
INFO▨12/11「悠久たる憧憬 DR2022」三角おにぎり / 東7ホール B27a
タル鍾新刊②「これって恋なのか?」B5/24ページ/400円
└酔った勢いと興味心でキスをする2人の話
🐯
└https://ecs.toranoana.jp/joshi/ec/item/040031031957/ 5
chiy0u0g
DOODLEタル鍾(デフォ絵)「お財布を首から下げておけばいいんじゃない?」
*=*=*=*=*=*=*=*=*=*
以下、私の妄想でしかないんですけど、これ出会ってから上手く利用しようとして奢り続けた結果、無意識に当たり前になってて持ち歩かなくなっちゃったとかだとやばいよね。生活する上で今までは必要なかったとかは置いといて、記憶力がいいはずの先生が忘れてしまうんやで…
zerin_fah
DOODLEGeo Shroom just came home from long journeyCan't move on from Childe being fungus...
So I make him a new friend (actually his soulmate---) 2
zerin_fah
DOODLEI read fanfic about Childe transmigrates into floating hydro fungus on Twitter and I can't take it... (it's Yulia/@.FUSHIGURO's fanfic)HE SO FREAKING CUTE!!! I HAVE TO DRAW HIM!!!
ぽぷろあ
DONEタル鍾 恋人設定 幻覚強め なんでも許せる人向けいい肉球の日記念 ただし肉球の出番は無い タル視点
てーくん化してしまった先生とそれに振り回されるタルの話
見て聞いて構って!目の前の惨状にタルタリヤは口の端がヒクリと引き攣るのが自覚できた。
様々な物でぐちゃぐちゃになった床とテーブル。部屋中に散らばった書類の数々。ソファの上に畳んであったはずの服は、すべて乱れてソファの真ん中でこんもりと山になっている。
服の山の隙間からは、ここ数日で随分見慣れたフカフカの雲を思わせる金色のしっぽのようなものが飛び出し、耳をすませば、ぷぅぷぅと寝息のような音が微かに聞こえてくる。寝息の音と連動して山やしっぽは、ゆったりと上下に動いていた。
部屋の惨憺たる状況にタルタリヤは思わず遠い目になる。ようやく出掛ける事ができて、北国銀行に顔を出してから夕食の買い出しを手早く済ませ、なるべく早く帰って来れたと思ったらこの有様なのである。盛大に溜息を付くが、部屋の状況が好転することもなかった。
7415様々な物でぐちゃぐちゃになった床とテーブル。部屋中に散らばった書類の数々。ソファの上に畳んであったはずの服は、すべて乱れてソファの真ん中でこんもりと山になっている。
服の山の隙間からは、ここ数日で随分見慣れたフカフカの雲を思わせる金色のしっぽのようなものが飛び出し、耳をすませば、ぷぅぷぅと寝息のような音が微かに聞こえてくる。寝息の音と連動して山やしっぽは、ゆったりと上下に動いていた。
部屋の惨憺たる状況にタルタリヤは思わず遠い目になる。ようやく出掛ける事ができて、北国銀行に顔を出してから夕食の買い出しを手早く済ませ、なるべく早く帰って来れたと思ったらこの有様なのである。盛大に溜息を付くが、部屋の状況が好転することもなかった。
ュゥ🐋
MOURNING2022/12/18 発行の合同誌【ひねもす】ユウ担当分のタル鍾カラー原稿です。
PASSは後書きに記載。
モノクロになるので供養…良ければ見てやってください。
写植は入稿原稿から移しましたがズレ等あったらすいません。
水彩楽しかった。。。 18
kumori___Soko
DOODLE※ディルタルご都合秘境にまさかの組み合わせで閉じ込められてどっちが女役になるか口論してタルタリヤがディルックに「可愛い顔してるし細くてか弱そう(偏見)だから俺が男役になるよ」って言った結果
パスワード:ディルタル、見れる?(見れるor見れない)
秋月リア Ria Akiduki
DOODLE【タル蛍/chilumi】カードゲーム(七聖召喚)で勝った方の願いを叶える、タルタリヤVS蛍ちゃんの狂犬ギャグラブコメ少女漫画回【漫画メイキングと今回のメモ】
▶︎FANBOX https://akiria.fanbox.cc/
▶︎patreon https://www.patreon.com/posts/75135530 13
hiwanoura
DONEパティシエなタルタリヤと大学の先生な鍾離先生の話。これにてこの騒動は終結。収まるところに収まりました。パティシエなタルタリヤと大学の先生な鍾離先生の話⑤の3「先生、朝のあれは聞かなかったことにして!」
店のドアを潜り、振り返った深海色の目がパチリ、と瞬いた次の瞬間。聞こえた声に咄嗟に「は、」という酷く間抜けな返事しか返せなかった。
仕事を終え。いつもよりほんの少し早足で辿り着いた店は、薄暗い冬の夜の中でぽっかりと暖かな光を灯していた。硝子窓越しに店内に客が居ないことを確認して。そっと、開き慣れた扉へ手をかける。
「いらっしゃいませー」
「あぁ、こんばんは公子殿」
いつも通りに迎えてくれた彼に、思わず口元が笑みを描く。一日で二度会えた事がなんとなく嬉しくて。早く、返事をしなければと急く心を落ち着かせ、こつん、と板張りの床を革靴で進んだ。
「先生」
いつも通りの呼び声。しかし、それが何故か僅かに緊張を含んでいるのに気がつく。そういえば。出迎えと共にいつもは向けてくれる満面の笑みはなかったな、と。普段の様子とは明らかに違う彼に、何かあったかと、声をかけようとした、その瞬間。聞こえたのが『今朝のあれ、聞かなかったことにして』である。
2313店のドアを潜り、振り返った深海色の目がパチリ、と瞬いた次の瞬間。聞こえた声に咄嗟に「は、」という酷く間抜けな返事しか返せなかった。
仕事を終え。いつもよりほんの少し早足で辿り着いた店は、薄暗い冬の夜の中でぽっかりと暖かな光を灯していた。硝子窓越しに店内に客が居ないことを確認して。そっと、開き慣れた扉へ手をかける。
「いらっしゃいませー」
「あぁ、こんばんは公子殿」
いつも通りに迎えてくれた彼に、思わず口元が笑みを描く。一日で二度会えた事がなんとなく嬉しくて。早く、返事をしなければと急く心を落ち着かせ、こつん、と板張りの床を革靴で進んだ。
「先生」
いつも通りの呼び声。しかし、それが何故か僅かに緊張を含んでいるのに気がつく。そういえば。出迎えと共にいつもは向けてくれる満面の笑みはなかったな、と。普段の様子とは明らかに違う彼に、何かあったかと、声をかけようとした、その瞬間。聞こえたのが『今朝のあれ、聞かなかったことにして』である。
hiwanoura
DONEパティシエなタルタリヤと大学の先生な鍾離先生の現パロ鍾タル。ここからなにかが始まる話の先生目線。実は軽く④から続いてました。パティシエなタルタリヤと大学の先生な鍾離先生の話⑤の2「なんだか楽しそうですね?」
ゼミ生からの提出物です、と差し出された紙の束を受け取り、ありがとう、と返したその返答。それに、思わず首を捻る。全館一斉管理の空調のおかげで、外気温とは比べ物にならぬほど暖かな室内は、まだ生徒たちも集まっておらず、己と、この目の前にいる修士課程の生徒以外には誰もいない。つまり楽しそう、と称されたのが自分であることは明白だった。
「俺が、楽しそうだろうか?」
「はい。鍾離先生、なんとなく朝から楽しそうです」
論文のための資料作りに、と朝からパソコンを睨みつけていた視線は、知らず此方にも向いていたらしい。他の学生とは違いほぼもう授業に出ることも無く、比較的顔を合わせる機会も多い彼にそう言われると全く自覚はなかったがそうなのか、と妙に納得してしまう。楽しそう…小さく口の中で呟き、ムニムニと己の頬を揉んでいると、目の前の彼は、何かいい事でもあったんですか?と笑いながら腕からこぼれ落ちそうな書籍を持ち直した。
3814ゼミ生からの提出物です、と差し出された紙の束を受け取り、ありがとう、と返したその返答。それに、思わず首を捻る。全館一斉管理の空調のおかげで、外気温とは比べ物にならぬほど暖かな室内は、まだ生徒たちも集まっておらず、己と、この目の前にいる修士課程の生徒以外には誰もいない。つまり楽しそう、と称されたのが自分であることは明白だった。
「俺が、楽しそうだろうか?」
「はい。鍾離先生、なんとなく朝から楽しそうです」
論文のための資料作りに、と朝からパソコンを睨みつけていた視線は、知らず此方にも向いていたらしい。他の学生とは違いほぼもう授業に出ることも無く、比較的顔を合わせる機会も多い彼にそう言われると全く自覚はなかったがそうなのか、と妙に納得してしまう。楽しそう…小さく口の中で呟き、ムニムニと己の頬を揉んでいると、目の前の彼は、何かいい事でもあったんですか?と笑いながら腕からこぼれ落ちそうな書籍を持ち直した。