もちマスむっくんが元気のない家主を癒すはなし。ﾓﾁﾓﾁ…ﾓﾌﾝｯ…ﾓﾌﾝｯ…
ねぇねぇ、家主ちん～。家主ちんってば～。も～さっきからぼーっとしてどうしたの～？

え～？何でもないって～…ぜったいうそなんだし～。だって家主ちん、げんきなさげじゃん～。

ﾓﾁﾓﾁ…ｼｮﾎﾞｼｮﾎﾞ…
むりに話さなくていいんだし～。もち、ムズカシイことはわかんないから…きっと家主ちんにカイケツサクってやつ、おしえてあげられないんだし～。

でもそのかわり～…もちのこといっぱいなでなでしていいよ～。もちもち～もふもふ～ってしてもいいんだし～。もちのからだ、ふわふわなんだよ～？ほら～。
ﾓﾁﾓﾁ…ｽﾘｽﾘ…ﾓﾌﾓﾌ…
ね～？ふわふわでしょ～？もちのこといっぱいなでなでしたらね～…きっとイヤなこともつかれた～ってキモチもどっかとんでっちゃうんだし～。だからもちといっしょにきょうはのんびりしよ～？げんきになって～あしたからまたがんばればいいんだし～。もちはずっと家主ちんのそばにいるかんね～。

きっと、ずっと……理解が、できない。こいつが言っていることはかなりの頻度で理解ができないが、そういう「訳が分からない」ではなく、脳がそれの意味を咀嚼することを拒んでいた。頭が真っ白になって、何も考えられない。それなのに、そいつは。……ただただ、俺を見つめて笑っていた。
「ひかる？どうしたの？」
どうしたの？じゃねぇよ。なんでそんないつも通りなんだよ。そう言いたかったけど、喉から声が出ていかなかった。まるで首を絞められているかのように苦しくて、変な掠れた音だけが耳に入る。
「……は、？」
「さっき、言った通りだよ。俺は消えないといけないんだ。……いや、俺の身体ってサ終したパソコンみたいでさ！ウイルスにはとことん弱いし、身体が持たなくて！」

ついらく｢帰国したら連絡しろよ。また、打ちあおうぜ｣
｢おう！今度は決着つけようぜ！｣
｢ははっ、望むところだ！俺様は絶対に負けねえ！｣

あいつの家族は引っ越しの準備を完全に終え、アメリカへと旅立った。見送りには、行かなかった。あの会話以上のものは必要ないだろう。今頃俺様からの手紙を開けて感動で打ち震えているであろう武蔵を思うと笑みがこぼれる。
アメリカへと行くことなんて跡部にとってはコンビニエンスストアに行くことのように容易で気軽なことではあるが、自分と決着を付けられるまで成長した武蔵と会えたらそれ以上のことは無いと思っているため会うのは辞めることを決めている。それよりもいずれ来たる再会の時までに自分を磨きあげなければ、そう跡部は思っていた。

おひるねから目覚めたもちマスむっくんが家主ちんを探しにいくはなし。ﾓﾁﾓﾁ…ｽﾔｽﾔ…
ん～…ふわぁ～…おひるねしあわせなんだし～…ね～家主ちん～…

ﾓﾁﾓﾁ…ｷｮﾛｷｮﾛ…
アララ～？家主ちん、どこ～？いっしょにおひるねしてたのに…いつのまにかおふとんが空っぽなんだし…もちをおいてどこかいっちゃったの～？さびしいんだし～…はやくもどってきてよ～！

ﾓﾁﾓﾁ…ｸﾞｽｸﾞｽ…
べっどはたかいから、もちだけじゃおりれないんだし…家主ちん、はやくもどってこないかなぁ…もうずっとまってるのにぜんぜんもどってこないんだし…

ﾓﾁﾓﾁ…ﾓﾌﾝｯ…ﾓﾌﾝｯ…
べっどのした…たかいけど、あそこのたおるがおちてるところにとびおりれば…いたくないかもしれないんだし…

ﾓﾁﾓﾁ…ﾄﾞｷﾄﾞｷ…
よ～し…いくよ～…えいっ！

家主のランニングについてこようとするもちマスむっくんのはなし。ﾓﾁﾓﾁ…ﾓﾌﾓﾌ…
アララ～？家主ちん、どこいくの～？おさんぽにははやくない～？まだおひるになってないんだし～。…え～？今日はおさんぽじゃないの～？らんにんぐ～？『らんにんぐ』ってなぁに～？

ﾓﾁﾓﾁ…ﾌﾑﾌﾑ…
へ～。はしることを『らんにんぐ』っていうんだ～。もち、はじめてしったんだし～。じゃあ家主ちんはこれからはしりにいくんだね～。もちもいっしょにいくよ～。

ﾓﾁﾓﾁ…ｳﾙｳﾙ…
え～！もちはいっしょにいっちゃダメなの～？なんで～？もちもいっしょにいきたい～！つれてってくれるまで離さないんだし～！
ﾋﾟﾄｯ…ｷﾞｭｰ…

いいの～？やった～！ありがと～。じゃあもちもいっしょに『らんにんぐ』するからね～。よろしくね、家主ちん～。

もちマスむっくんがふたごになるはなし。（出会い編）ﾓﾁﾓﾁ…ﾊﾟｧｯ…
弟　「アララ～？なんかまぶしいんだけど～…もしかしてあたらしいおうちについたのかな～？気づいたら寝ちゃってたんだし～…まだちょっとねむいな～…ってわぁ！」

ﾌﾜｯ…ﾎﾟｽﾝｯ…ｷｮﾛｷｮﾛ…
弟　「急にもちあげられてびっくりしたんだし～…ここがあたらしいおうち～？」

ﾓﾁﾓﾁ…ﾓﾌﾝｯ…ﾓﾌﾝｯ…
？　「わ～やっときたんだし～。まってたよ～」
弟　「？だぁれ～？」
兄　「オレはアンタのおにいちゃんもちだよ～。アンタよりちょっとだけはやくこのおうちにきて～家主ちんとくらしてるんだ～。アンタがくるのずっとまってたんだよ～」
弟　「そうだったんだ～。もち、ずっとくらいとこにひとりぼっちで…あたらしいおうちでもひとりだとおもってたから、ほかのもちがいてびっくりしたんだし～。…ねぇねぇ、『にいちゃん』ってよんでもいい～？」

もちマスむっくんが双子になるはなし。（おとーともち編）ﾓﾁﾓﾁ…ｶﾞﾀｺﾞﾄ…
もち～…くらくて何もみえないんだし～…
さいしょは他のもちたちといっしょにいたのに、もちだけひとりでまっくらなところに入れられちゃったんだし…

ﾓﾁﾓﾁ…ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ…
もちのあたらしいおうちにむかうためってこーじょーの人はいってたけど…ほんとなの～？みんなはほかのもちたちといっしょなのに…もちだけひとりぼっちなんだし…もしかしてもち、すてられちゃうの…？そんなのやだし…！ここからだしてよ～！

ｶﾞﾀｶﾞﾀ…ﾓｽﾝｯ…ﾓｽﾝｯ…
うう…ぶつかってみてもぜんぜん開かないんだし…はやくおうちにつかないかな～…ずっとくらいとこにいてこわいんだし～…

もちマスむっくんが双子になるはなし。（おとーともち到着待ち編）ﾓﾁﾓﾁ…ｿﾜｿﾜ…
もち～。まだかな～まだかな～。

ｳﾛｳﾛ…ｿﾜｿﾜ…
え～？そんなにそわそわしてどうしたのって～？んーと、もうすぐこのおうちに新しいもちがくるんだし～。もちのふたごのおとーとで～…はこに入ってやってくるって家主ちんがいってたんだし～。だからげんかんで待ってるんだよ～。はやくこないかな～。

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ
あ…！やっときたんだし…！
ﾎﾟﾖﾝｯﾎﾟﾖﾝｯ
ん～！どあのぶにとどかないんだし～！家主ち～ん！ぴんぽんなってるよ～！はやくきて～！