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    ナク

    お箸で摘む程度

    TRAININGウィルとフェイス ウィルBD
    頭に浮かんだ情景をとりあえず念写してみたものの、言いようもなく“違う”ので、とりあえず上げるがのちのち下げるもの 習作に位置づけ
    甘くかがやく(習作) 甘いかがやきを彼は纏っていた。彼に降りそそぐようなそれは、本当のところは彼が放っているものだった。
     開け放たれた扉から、人や、その人が抱える料理のいい匂いや贈り物の包装紙が立てる楽しげな音が、ひっきりなしに流れ込んでくる。日の延びてきた四月終わりといえどもうすっかり暗くなったこの時間にも、ウィルを囲む食卓は日の下めいて明るい。

    「お前なぁ!もっとかっこいいやつがあっただろ!」
    「うるさい。きれいだし、ウィルはこっちの方が好きだと思ったから選んだ」

     レンが提げてきたケーキボックスに顔を突っ込んだアキラが、すぐさま持ち主に突っかかる。ウィルが目をとがらせて、グレイは驚きながらも笑う。その様子を、少し離れたフェイスは眺めていた。昼間のトレーニング後、マリオンを筆頭に連れ立ってパンケーキを食べたと聞いたのに、テーブルには溢れ返りそうなほどのスイーツが並んでいる。食事も飴色のチキンやハニーマスタードがけのポテトフライが真ん中を占めて、見ているだけで歯が溶けそうだ。つめたいレモネードで喉を潤していたら、アルミホイルの端を器用に摘んだディノが廊下から駆けてくる。
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    みやこ

    DOODLE栞作りがマイブームの妹に「これ真田くんにあげてね」と栞をたくされた幸村くん、真田が自分の育てた花を手元に置いてくれたら嬉しいな……と思って栞の裏面に花を押す(作者である妹にはちゃんと許可とった)。それを素知らぬ顔で「妹から」と手渡すと、幸村くんの予想に反して真田はすぐ花に気づいてくれて、それが嬉しくてどきどきしちゃうんだ、可愛いね〜。
    というのを説明できなくて書きました。
    ビオラ・スミレ科スミレ属「最近、妹が栞をつくるのにハマってて、弦一郎くんにも……って」
     きらめくシールと色鉛筆のイラストで彩られた紙片を幸村から差し出され、ややひるむ。可愛いが、可愛すぎる。リボンが黒なのは幸いだった。
     受け取って、なんとはなしに裏返してみるとそちらは無地で、ただ端の方にひそやかに花が押されていた。水ににじんだ絵の具のようにじんわりした淡い黄色と薄紫の花びらに見覚えがある。
    「お前の花だな」
     驚いたように幸村がぱちぱちと瞬きをし、それにあわせて長いまつ毛が揺れた。
    「知ってたの」
    「名前までは知らん。だがお前の庭で見た」
    「そっか」
     噛みしめるように幸村は言って、それからにこりと笑った。
    「ビオラ。ビオラだよ!」
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    MOURNING切原が真田→柳の制裁を止めた理由についてだらだら考えている独り言

    原作の意図の考察じゃなくて、自分が納得できるつじつまの合った説明が欲しいなとおもって考えたもの。思いのほか長くなった。乱文。
    切原が真田→柳の制裁を止めた理由についてだらだら考えている独り言切原は、衝動的に本能のままに動く人だと思うと、切原が止めた理由を考えること自体ナンセンスな気がするが、それでもいろんな解釈やコメントを見ると自分の考えも言語化したいなあ、と思ってしまう。カギとなるポイントは①切原は制裁の意味を理解しているのか②切原は何を「根に持」っているのかの2点なのではないかと思っている。以下、自分の考えをつらつら述べていくが、これは原作の意図を読み取ろうとするものではなく、開示されている情報をもとにつじつまの合う説明を考えるものである。自分が二次創作をするときのためのものなので、自分の趣味趣向がもりもりである。

    ではまず、①から。
    切原は、きちんと制裁の意味を理解していると私は考えている。関立S2敗北後、「俺を殴っ(てください)」と自分から制裁を求めているのを見ると、真田からの制裁の意味をきちんと理解しているようにみえる。(草試合の時点でも、反論や「なんでなんすか」みたいな態度ではない。新テニ同士討ち柳の棄権時の反応などを見るに、切原はわからないことはわからないといい、わかるものは不満な表情をしながらも受け入れるタイプだと私は思っている。)仮に日頃の殴ったり殴られたりを、根に持っているとしても、制裁が関わる場面で、そのうっ憤を晴らすというのは考え難いのでは…。
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    あもり

    PAST24年3月17日春コミで出した、無配ペーパーの小話再録です。そのに。
    2のこちらは、ムーとティトスです。新刊準拠の話ですが読んでなくても「本編最終章終了後、ジュダルが行方不明になったので単独で白龍がレームへ訪問しにきた後の二人の会話劇」とさえわかってれば問題ないです。
    私の割と癖が強く出た話となりました。こっちはしっとり目です。ノットカップリング。
    受け継がれるもの 練白龍が去った後、次の面談先へと元気よく歩くティトス様とは裏腹に、色々と考えあぐねてしまう自分がいた。練白龍は割合、裏表がない青年だ。今回の訪問もどちらかと言えば公人としての彼ではなく、私人としての立場に近いのだろう。だからこそ、あそこまでさらけ出したともいえる。しかし、自身が腹の内を掻っ捌いたようなものだからと言って、それを、同じだけのことを相手に求めさせるのはあまりにもリスクが高すぎる。落ち着いたと思ったが全くそんなことはない。やはり練家の男だと、かつての紅炎を思い出す。
    「ムー」
     くるりとティトス様が振り返った。丸い瞳をこちらに向けてじっと見、そして俺の顔に手を伸ばそうとしていたためすぐに屈む。なんでしょう、と言えば少しだけ笑って口を開いた。
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