Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    ニケ

    nbsk_pk

    DOODLE博が三徹後に炎に夜のお誘いしに行ったら完全にコミュニケーション失敗したけど主目的は果たせた話。狐狸に煙草を吹きつければ真実の姿を現す風習はテラにもあるんだろうか
    煙草は恋の仲立ち[炎博♂]「君の吸ってるその煙草のメーカー、倒産したらしい」
     黒々としたバイザーのその奥は相変わらず何を考えているのかわからないぽかりとした空洞で、だがその口から唐突に一般的な世間話のような言葉が飛び出してきたものだから、エンカクはついうっかりと相手に続きの言葉を発する隙を与えてしまったのだった。
    「もともと狭い範囲にしか流通していなくて、値段の安価さから固定客はそれなりにいるものの原材料の供給が不安定だった。そこに親会社の経営悪化が響いて、先月正式に撤退が発表されてたよ」
    「あそこにはこれしかなかった。特に意味はない」
     黄ばんだ白い箱に角の生えた頭蓋骨。カズデルに流通する物資は他の地域では見かけないものが多かったらしく、製薬会社の一員として各地を回りながら見慣れた品々が見当たらぬことに当初は戸惑いをおぼえることも多かった。そんな日々の中でも数少ない以前からの嗜好品のひとつがこの煙草であったのだが、彼の言葉を信じるならば嗜好品のひとつだったと過去形で語らねばならないのだろう。とはいえ彼に告げた通り、エンカクは別段煙草の種類にこだわりを持っているわけではなかった。ただ単純に選択という手間を省いていただけで、さらにいえば愛煙家というほどのものでもなかった。まさか彼の目には自分が煙草に執着するような人間であると映っていたとでもいうのだろうか。自分の思いつきにおかしみをおぼえ、つい唇の端を歪めてしまったところ、彼は相変わらず茫洋とした真黒の眼差しをこちらへと向けた。
    1578

    Sinse_6618791

    SPUR MEオカヨゼの冒頭を書いたのですが、誰かにケツを叩いていただかないと一生本編にいかないんじゃないかと思い、途中ですが載せます。ふたりのそれぞれの視点が書かれています。文章でなんとなく伝わる程度になってしまう…ヘタクソなので
    あれほど言ったのに その夜のヨゼフの機嫌は特に良かった。”お得意様”との商談が上手く進んだうえに、私が買っておいた大福が好みだったからであろう。金曜日だからと開けたワインも進みが早い。この人は私が付き合うと泥酔するまで飲んでしまうので、普段なら遠慮している。ただ今日はあんまりに強く誘われたので様子を見つつほんの少し付き合うことにした。しかしそんな気遣いをよそに、ヨゼフはもう既にかなり出来上がってしまったようだ。私のグラスにも「全く酔わないなんて可哀想」などと言いながら注ごうとする。私はため息をつきながら、「もうそこまでにしておいたらどうですか、だいぶ酔っていますから。」とほとんど意味を成さない忠告をした。








     今日はとても気分がいい。仕事は順調に進んだし、一週間の労いとかこつけてオカが大福を買ってくれたから。いちいち理由を探しては大福を買うんだからオカは本当に可愛い。何でもない日だって食べても今日は金曜だからワインを開けてしまおう。どうせ酔わないんだからオカも飲めばいいのにと半分無理矢理グラスを押し付ける。美味しいね、もう少し、あと一杯とつい調子に乗ってしまう。でも今日は別に、今日くらいは別に良いでしょう…?
    510