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    ヒール

    AM68218433

    PROGRESSハイヒールの続きの序文です……
    5000字くらいでさくっとエロ書くつもりが気付いたらまだすけべになってないのに4000字になってました怖い
    モチベ維持のための進捗
    「今日は向こうに行こうぜ」と燐音くんが言った。
     向こうってどこだ、なんて流石に白々しすぎて僕も言えないけれど、明け透けな言動に呆れかえる気持ちも嘘じゃなかったから、その考えがそのまま表情に出る。要は燐音くんの言葉に呆れたような顔で返事をしたってことだ。
     その反応に、何故だか楽しそうな甲高い声の笑い声が返ってくる。
    「愛の巣に戻ろうぜ、ってこと」
     そう言った燐音くんは、僕が料理しているのをカウンター越しに眺めているところだった。
     誰もいないからと占領したキッチンで新作レシピの開発に勤しんでいたところ、赤毛を揺らしてひょっこりと僕の前に現れた暴君が冒頭の台詞を吐いたのである。
     愛の巣って、と繰り返した僕の声は、ため息交じりの重さに耐えきれなかったんだろう、ぼとりとキッチンの床に落ちていったようだった。その言葉を拾いあげるつもりもないらしい燐音くんが、まるでそれが決定事項で誰もそれを覆せないのだとでも言うように、また「キャハハッ」と声を出して笑ったのだった。


    どん、と肩を押されて扉に押し付けられる。逃げ場がない、なんて考えが咄嗟に浮かんで消えた。
    目の前に立つ燐音くんがおもむろ 3987

    ytd524

    DOODLEポイピク投稿テスト用。
    以前ワンライ用に書いたけど全く五伏要素なくなってしまったやつ。
    支部のまとめログにも収録してます。

    お題:ヒール
    内容:五と伏姉弟でショッピングモールに靴買いに行く話。しんみりしてる内容。
    その扉を開けるのは随分と久しぶりのことであった。俺自身はそこをほとんど使わなかったし、今日だって、寮に移るための準備という名目がなければ開けることはなかっただろう。だからだろうか、なぜかそこを開けることに、ほんの少しだけ躊躇してしまっていた。
     別に緊張をしているわけでもないはずだ。ただ、そこに入っているものを見たら、俺はきっと動揺してしまうだろうと分かっていた。とはいえ、これから三年かそれ以上か、この家を空けることになるのだ。一度だけ深呼吸をして、俺は一気に、力任せにその扉を開ける。そして扉は、俺の躊躇なんてなかったかのようにあっさりと開かれた。
     下の方に取っ手がついた、縦開きの戸棚。その中に仕舞われているもの──津美紀の靴を眺め、俺は少しの間、息を止めた。

     将来呪術師として任務に携わることを担保とした、高専からの資金援助。
     それは決して金銭に余裕のある暮らしを送れる保証があった、というわけではない。もちろん、津美紀の母親が残した資金だけで暮らしていたかもしれない生活と比べれば天と地ほどの差があるだろう。とはいえ、子供二人、アルバイトもできない中で生活していくだけの最低限の金 3581

    AM68218433

    PROGRESSハイヒール履くりんねくんのニキ燐 導入部分です燐音くんがとある新商品のイメージモデルに抜擢された。
     新しくできた会社で、当然ながらというかなんというか、僕は名前を聞いたこともないようなところだった。元々は個人名義で活動していた『インフルエンサー』っていうひとが立ち上げたブランドらしい。なんでも燐音くんの大ファンで、どうしても燐音くんにモデルになってほしいと先方から直々にご指名があったのだとか。なかなか奇特なひとだと思うが、まあ燐音くんは黙って立っていれば格好いいし綺麗な顔をしているからモデルにしたいという気持ちも分からなくはないかもしれない。中身が壊滅的だけど。
     燐音くんがモデルとして起用された商品というのも、これまた少し変わっている。
     商品のアピールポイントは『履き心地の良さ』。そして、コンセプトは『走れるヒール』。
     ヒールを履いている女の人が痛がっているところは僕も何回か見たことがある。僕が知らないだけで、世界中にそういう光景はありふれているようだ。そういう意味では『履き心地の良さ』というのはアピールポイントとしてよく見るし、『走れるヒール』というのもかなりありふれたコンセプトらしい。つまり、インパクトが少ないのだ。新 3200