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    ピアノ

    きもいさん

    DONEフラメモWebオンリー開催おめでとうございます!
    メロルドさんの特技の『聴覚が鋭い』って文字を目が認識したと同時に、絶対ハルリットくんのピアノの音の些細なことも気がついちゃうやつやん!!

    って大興奮したよってお話です。
    キャプ長…😇😇😇😇
    【ルドハル】音が教えてくれるもの 心地よい音色。
     紡がれる旋律。
     澄んだ音は、まるで踊るように弾み、躊躇いもなく続いていた。

    「ふふ……。見事ですね、ハルリットさん」
    「本当に。特技とは言っていたけど、へぇ〜。こんなに上手いと思わなかったな」
     旅の途中、マロンクリーム王国のはずれにある古城にレッドブーケの騎士たちは滞在していた。
     城の近くまで来たのはまだ日が傾く前だった。城の主であるこの地方の領主にロマリシュが顔を見せに行くと、この先を進んだ山間の村はこの時期は皆で出稼ぎに出ていて、住人がほぼいないと教えてくれた。夜に休める場所もないかも知れないとのことで、今夜はこの城で泊まってはどうかと打診してくれたのだ。
     夕飯にはまだだいぶ早かったので、領主がお茶に誘ってくれた。皆で話している間にピアノがあることを知ったハルリットが、自分の特技だと笑顔で言うので、領主も喜んでいた。
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    januar00kate99

    PASTアポリア合流直後の生前滅四星の話。
    アーククレイドルにて、ピアノを見つけたアポリアは、演奏しようと試みるが……。

    ※アポリアが子どもの頃にピアノを習っていた設定です。
    ※他作品と設定を共有している部分があります(同じ世界線かもしれないし、違うかもしれません)。
    ※未来の世界に生きた一般の人びとが登場します。
    ※その他、あらゆる要素が作者による幻覚です。
    音階は消えず そこには、一台のピアノがあった。
     幻ではなかろうか、とアポリアはもう一度、よくよく部屋の中を覗き込んだ。明かりが落ちた室内に通路からの光が差し込んで、黒く滑らかな楽器の表面を浮かび上がらせている。
     それはほんとうにピアノだった。
     アポリアは我知らず、部屋の中に足を踏み入れていた。ピアノなんて、もう随分見ていなかったからだ。
     アポリアがこの部屋を見つけたのは偶然だった。ここに慣れてもらうためにも散策してきたらどうですか、Z-ONEにそう言われて、足の赴くままにアーククレイドル内を歩いていた。固く閉ざされた扉が延々と並ぶ通路を進むうち、アポリアはひとつだけぽっかりと口を開ける扉に気づいた。そうして覗き込んでみれば、幼い頃に慣れ親しんだ楽器がそこにあったというわけだった。
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    佐伯雛子

    DONE坂視点坂伴ssです。坂の母を捏造していたり、モブ上官が出てきてたりな短い話です。ピアノを弾くサカノーエコージが書きたかったんです。
    因みに作中で坂が弾いている曲はタイトルの曲です。編曲は作曲者の妻版でご想像ください。元々原曲が歌曲でそれをピアノ用に編曲しているので、歌詞を読みながら、曲を聴きながら読んでみるとより楽しいかもしれません。

    ※9話ネタバレ注意
    ※ばんちゃは最後しか出ません。
    Widmung【坂視点坂伴ss】少し昔話をしよう。
    これは私がまだ少尉に上がりたての頃。季節は夏、上官に連れて行かれた迎賓館での夜会での話だ。

    ***

    上流階級の社交場とは退屈なものである。華やかなドレスや着物に身を包んだ淑女達、仕立ての良い正礼装姿の紳士達が一つどころに集まっては噂話に花を咲かせ、上辺だけの微笑に、言葉尻にじわりと欲を潜ませて。何とも居心地の悪い場所であった。

    おまけに黒を纏った男達の中で第二種軍装の白は目立つのか。至る所から無数の視線を向けられているのが痛い程分かった。頭のてっぺんから爪先までを這う、ねっとりとした視線。粗はないかと誰も彼もが己に点数をつけているようで堪らなく不愉快だった。

    己の成功の為に飾り立てた連中から勧められるがまま上機嫌で杯を煽る上官を横目に、青二才であった私はこのくだらない集まりが早くお開きになることをただ願っていた。
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