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    ファンタジー

    Kakitu_prsk

    PROGRESS相互さんに捧げるF/F/1/4の世界観をベースとしたファンタジーパロ🎈🌟の序章
    兎耳長命種族冒険者🎈×夢見る冒険者志望の幼子🌟
    後に🍬🤖ちゃんも加わって🎪で四人PTを組んで冒険していく話に繋がる…筈。

    ※元ネタのF/F/1/4から一部用語や世界観を借りてますが、完全同一でないパラレルくらいに考えてください。元ネタがわからなくてもファンタジーパロとして読めるように意識しています。
    新生のプレリュード深い、深い、森の中――木々が太陽すら覆い隠す森の奥深くに、小さな足音が響き渡った。


    「待ってろ、お兄ちゃんが必ず持って帰ってくるからな……!」

    そんなことを呟き足早に駆けているのは、金色の髪をもつ幼い少年であった。質素な服に身を包み、不相応に大きい片手剣を抱くように持っている。

    人々から『黒の森』とも呼ばれているこの森は、少年の住む”森の都市”を覆うように存在している。森は都市から離れるほどに人の管理が薄くなっており、ましてや少年が今走っている場所は森の比較的奥深く……最深部ほどではないものの、危険な獣や魔物も確認されている地帯だった。
    時折、腕利きの冒険者や警備隊が見回りに訪れているものの、幼子一人が勝手に歩いて良い場所ではないのは明らかだ。だというのに、その少年は何かに急かされるように、森の中をひたすら走っていたのである。
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    つるはし

    DONE※実在の地名とか出てきますが全部ファンタジーです。想像です。

    「きみは100億万ドル」CoCシナリオの探索者、ルカ・ステラートとその婚約者、ミッシェル・ド・バシュラールの話。
    ルカとミッシェル 3月下旬、14歳の春。まだ春というには寒い季節のことだった。それとも、あの日までは冬だったのかしら。

     イタリア本土とヴェネツィアとを結ぶリベルタ橋の上をゆく高級車は、一定のスピードで走り続けていた。空路を経由したフランスからの旅路も、ようやく目的地が見える頃だ。窓の外には美しい夕景が広がっているというのに、バシュラール公爵家の長女、ミッシェルは膝の上で組んだ手を睨むように凝視していた。
     相手の目を直視し続けないこと。いつもより小さな歩幅で歩くこと。声を上げて笑わないこと。相手の話にはひたすら相槌だけを返すこと。脚は組まないで揃えておくこと。父親の言いつけを頭の中で復唱する。ミッシェルにとって、それらは意識しなければ守れない約束事であった。会話するときは目を見て話すべきであり、胸を張って歩けば自ずと歩幅は大きくなる。楽しいときは声を上げて笑う方が気分がいい。自分の意見をはっきり述べて議論することは学生の本分だし、気取りたい年頃の女の子達はみんな、机の下で脚を組んでいるものだ。それを何一つ許されないミッシェルは、「私は所詮、お父様のマリオネットでしかないのね」と無表情の下で同乗する父親を罵った。
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