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    ラオウ

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    DOODLE遅くなってしまった結月さんへの誕生日プレゼントになります。(本当に遅い)
    「道に振り向いてもらおうと必死な道にベタ惚れ最優と、別に現時点で既にベタ惚れな道の甘い晴道」でしたが、甘い晴道が書けなくて謎の仕上がりになりました。
    お誕生日おめでとうございます!という気持ちだけはふんだんに込めたので許されたいです。
     安倍晴明という男は、恋に落ちるという表現が理解できない男だった。
     それは単純に恋をした事がないという事でもあり、恋をしたいとも思った事がなかったのだ。自分と他人の感覚が違うと気付いてはいたが、問題ないと高校三年生になっても恋人も作らず過ごしていたし、恋に身を焦がす人間を何処か物語を見ている感覚で眺めていた。興味本位で恋をしてみたいと思った事もあったが次の日にはコロリと忘れる程度の願望だった。
     そんな晴明は友人に「恋はどうするのか。」と興味本位で聞くのは至極当然の事だったし、恋に浮かされた友人は「まさしく、落ちるという表現がピッタリだ!」と答えるのも至極当然だった。

    「転校生の蘆屋道満だ。」
     担任の声は聞こえたが、晴明は全く転校生を見ていなかった。見た処で面白味も何もないからだ。せいぜい思った事は、この時期に転校してくるなんて大変だな程度だった。
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    DOODLEダッツを買いに走る/风无

    「相手のために、深夜のコンビニへハーゲンダッツを買いに走る方が攻」みたいな受攻判定?をツイッターで見掛けて、判定はともかく风息にも走ってもらおうと思ったやつ。
    ※同居時空风无
    ***


    「アイスが食べたい」
     そう无限が言い出したのは、まだ汗も引かない寝台の上でのことだった。夜更けの色をした髪を乱したまま、顔にかかるそれをいささか乱暴に搔き上げて息をついた无限は、その色めいた動作とは裏腹に実に子供っぽい顔で风息に甘味の買い出しを強請りだした。
    「ええ……今からか?」
     まだ服も着ていないぞと難色を示す风息は、しかし常日頃は无限から甘えられることが少ないため、つい元来の世話好きな性質を発揮してしまうのであった。
    「ハー○ンダッツのバニラがいい」
    「じゃあ俺はチョコだな……じゃなくて。買いに行くのは構わないが、お前、それまで起きていられるのか」
    「問題ない」
     キリと顔を上げた无限だったが、いつもなら情事の後は早々に寝入ってしまうものだから、风息は胡乱な表情になる。今はこんなことを言っているけれども、帰宅したら寝顔での出迎えになる可能性が高いだろう。
    「……まあいいさ、分かった。すぐに戻るから待ってろ」
    「うん」
     素直な応えも、こっくりと頷く様子も常にない幼さを纏っており、风息は无限の頭をくしゃりとかき混ぜて部屋を出た。
     終夜営業の店までは徒歩十数分、この 1077