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    佳芙司(kafukafuji)

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    リンク集【https://potofu.me/msrk36

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    POIPOI 71

    ポイピク横書きのための試作。警戒するアッシュに馴れてもらおうとする下心のあるジェイの話。
    元ネタ①【https://twitter.com/kafukafuji/status/1431927383649443844?s=21
    元ネタ②
    https://twitter.com/kafukafuji/status/1414927642952749057?s=21

    #ジェイアシュ
    j.a.s.

    馴致と役得(ジェイアシュ) 驚いた。
     飛んできた物がなんであったか、ジェイは視認する間もなく豪速球で眼前に迫ったそれを掴んだ。頭で考えるより前に右の義手は正常に動作し、飛来物との接触により硬質な音を立てる。恐る恐る確認すると小型のアラーム時計だった。手中のそれはセットした時間まであと一二分と一四秒ある。おそらくセットしてからそれほど時間が経っていない。

    「ああ、てめぇか」

     どうやら投げ付けたアッシュ本人も判別出来ていなかったらしい。半身を起こし片肘をつくその姿勢はアンバランスだ。盛大に舌打ちしてからドサリと再びベッドへ沈んで、溜息にも深呼吸にも聞こえる長い呼気を吐いた。場の緊張が緩和された事を確認して、ジェイはアラームを停止する。STOPと書かれたボタンを押すだけで良い単純構造で、助かったな、とジェイはひそかに安堵した。

    「いやぁすまんすまん、仮眠中だったんだな」

     努めて軽い口調で話すも彼は答えない。代わりに無言で返せ、と手だけ向けられた。アッシュは動かない。ベッドに近付き、その掌にアラームを載せると受け取った手はそのままベッドボードの上に向かい其処にアラームを転がした。最初から置いてやればよかったか、とジェイは考える。その間にアッシュは両腕をそれぞれ顔の上と腹の上とに置いて黙り込んだ。まだ起き上がるつもりはないらしい。

    「寝呆けていた訳ではなさそうだが」
    「うるせぇ」

     舌打ちの音で会話が切断される。その割に追い出そうとする空気を感じなかったのでジェイは細心の注意を払って静かにベッドに腰掛けた。アッシュの脇腹の辺り、接触しない数センチメートルの距離を確保して未だ表情を遮る腕の稜線を眺める。
     ――バツが悪い、本当に排除すべき敵と見做して攻撃した訳じゃない、つい咄嗟に防御本能が働いて。そんなところだろう、ジェイは声だけで笑った。

    「ハハ。しかし俺達の部屋で殺気立つのはよしてほしいなぁ」
    「てめぇは今ノックしてなかったろうが」
    「自分の部屋に入るのにノックなんかしないだろう?」

     それともお前の実家は自分の部屋でさえ気を張っていないといけないようなところなのか?
     頭に浮かんだそれを声に出して実際に問わなかった己の我慢強さにジェイは心中で頷いた。訊ねるとしてそれは今ではない。

    「なんにせよ、早く俺の気配に慣れてくれ」

     言いながら上体を伸ばし、逡巡して――ほんの瞬きの時間――左手の方を選びアッシュの髪に触れた。肘を避けて軽く、掌で二、三度ぽんぽんと髪を撫で付ける。

    「安心していい。この部屋にはお前に危害を加える奴は入って来ない」

     振り払われ罵声を浴びせられる事も覚悟しての行動だったが、予想していた激昂を突き付けられる気配はない。ジェイは拍子抜けした。寧ろ得も言われぬ衝撃が頭の上に転がり落ちてきた。
     ――アッシュが自分に油断している。
     その事実に両目をしばたたいた。しかし一連のやり取りが彼を相当消耗させたらしいとも察した。

    「一〇分経ったらまた声をかけるよ」

     少々名残惜しいような気持ちをベッドのスプリングを利用して切り離し立ち上がったジェイは腰を上げる間際、アッシュの顔を一瞥した。
     口許は横一直線にきつく閉じられており食い縛っているようにさえ見えた。険しいそれが、幼稚いもののように感じられたのはどうしてだろうか。
     取り留めもなく思い耽ったまま歩き出して、この部屋に戻った当初の目的を忘れるところだった。自分のスペースにあるテーブルに置いていたボードゲームセットを小脇に挟んで、水槽の温度と自動給餌器の残量を軽くチェックしてから退室する。後ろ手にドアを閉めてから、おやすみとか言ってやればよかったかなと思った瞬間、唐突にジェイは思い当たった。
     あれは、夢見が悪くてぐずった息子の表情に似ていたのだ。
     至った結論につい肩を竦める。本当に息子相手ならこんな情を覚えない、そもそもあんな慰めるような事もしてやる必要はなかったのに、どうして悩んだ内容が、利き手ではあるが義手の右手にするか生身の感覚の残る左手にするかなんて些事だったのか。

    「役得なんて言ったら今度こそ本気で攻撃されかねないな」

     声をかけると言った手前反故には出来ない、その約束の時間まで残りあと僅かだとリビングルームの時計の長針が警告する。それまでに素面に戻らなければ、とジェイは目頭をぐりぐりと揉んだ。



       〈了〉
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    佳芙司(kafukafuji)

    REHABILI園子さんは正真正銘のお嬢様なので本人も気付いてないような細かなところで育ちの良さが出ている。というのを早い段階で見抜いていた京極さんの話。
    元ネタ【https://twitter.com/msrnkn/status/1694614503923871965】
    京園⑰

     思い当たるところはいくらでもあった。
     元気で明るくて表情豊か。という、いつかの簡潔な第一印象を踏まえて、再会した時の彼女の立ち居振る舞いを見て気付いたのはまた別の印象だった。旅館の仲居達と交わしていた挨拶や立ち話の姿からして、慣れている、という雰囲気があった。給仕を受ける事に対して必要以上の緊張がない。此方の仕事を理解して弁えた態度で饗しを受ける、一人の客として振る舞う様子。行儀よくしようとしている風でも、慣れない旅先の土地で気を遣って張り詰めている風でもない。旅慣れているのかとも考えたが、最大の根拠になったのは、食堂で海鮮料理を食べた彼女の食後の後始末だった。
     子供を含めた四人の席、否や食堂全体で見ても、彼女の使った皿は一目で分かるほど他のどれとも違っていた。大抵の場合、そのままになっているか避けられている事が多いかいしきの笹の葉で、魚の頭や鰭や骨を被ってあった。綺麗に食べ終わった状態にしてはあまりに整いすぎている。此処に座っていた彼女達が東京から泊まりに来た高校生の予約客だと分かった上で、長く仲居として勤めている年輩の女性が『今時の若い子なのに珍しいわね』と、下膳を手伝ってくれた際に呟いていたのを聞き逃す事は勿論出来なかった。
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    so_annn

    TRAINING次の南箱イベはクリスマスかな~~と思ってたらなんだか違ってそうなので、やだやだサウスのみんながクリスマスジュエリーのCMしてくれなきゃやだやだの気持ちと勢いだけで書きました。箱イベ楽しみです。
    南(主にアキラ君)に夢を見ていますが、CP要素はうっすらとしたキス→ブラのみです。
    ※結婚はしてないです
    『ブラッド・ビームス 結婚』 言い訳をさせてくれ。
    「あっ、これサウスのやつらの出てる広告じゃねーか」
     ジュニアのそんな声を聞いて、そういえばウィンタースポーツウェアのブランドの広告に起用されたとかそんなことをブラッドから聞いた気がするな。とオレは隣を歩くお子様に無理矢理制定された禁煙日のせいで寂しい唇に触れながら、つられるように視線を上げた。
     言い訳をさせてくれ。
     もう10年以上ヒーローなんてものをやっていれば、そりゃあいろんな宣伝塔にされた経験があるし、LOMでどう考えても年齢や体格にそぐわないようなトンチキ衣装を着せられた経験だってある。最初の方こそいちいち照れたり恥ずかしがったり躊躇ったりしていたが、もはやなるようになれ、好きなようにしてくれのスタンスだ、下手に抵抗しない方が仕事が早く終わるならそれに越したことはない。
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    ohoshiotsuki

    MAIKING死神ネタでなんか書きたい…と思ってたらだいぶ時間が経っていまして…途中で何を書いているんだ…?って100回くらいなった。何でも許せる方向け。モブ?がめちゃくちゃ喋る。話的に続かないと許されないけど続き書けなかったら許してください(前科あり)いやそっちもこれから頑張る(多分)カプ要素薄くない?いやこれからだからということでちゃんと続き書いてね未来の私…(キャプションだとめちゃくちゃ喋る)
    隙間から細いオレンジ色の空が見える。じんわりと背中が暖かいものに包まれるような感覚。地面に広がっていくオレの血。ははっ…と乾いた笑い声が小さく響いて消える。ここじゃそう簡単に助けは来ないし来たところで多分もう助からない。腹の激痛は熱さに変わりそれは徐々に冷めていく。それと同時にオレは死んでいく…。未練なんて無いと思ってたけどオレの本心はそうでも無いみたいだ。オレが死んだらどんな顔するんだろうな…ディノ、ジェイ、ルーキー共、そしてブラッド―アイツの、顔が、姿が鮮明に思い浮かぶ。今にもお小言が飛んできそうだ。
    …きっとオレはブラッドが好きだったんだ
    だから―
    ―嫌だ、死にたくない。

    こんな時にようやく自覚を持った淡い思いはここで儚い夢のように消えていく…と思われたのだが――
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