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    ルーム

    住めば都

    DOODLE主様不在の執事たちの日常その2。
    清掃の仕事に取り掛かろうとナックがシッティングルームへ向かうと、そこはすでにラムリの手でピカピカに掃除されていて……。ラムリが急に掃除をやる気になった理由とは……?
    みたいな話。

    主様が留守の時間も、主様のために仕事を頑張っている執事たちが書きたかった。
    デビルズパレスは今日も平和です2 経理に関わる事務作業を一通り終わらせたナックは、もう一つの担当である清掃の仕事に取り掛かろうと、道具を手にシッティングルームへ向かった。
     広い屋敷の全てをナックとラムリの二人で、しかも一日で掃除するのはほとんど不可能だ。
     だから屋敷内は、清掃係が毎日掃除をする場所、使用する個人が掃除しなければならない場所、週に一度あるいは月に一度など頻度を落として掃除を行う場所と、区分がなされていた。
     清掃係が毎日掃除することになっているのは、屋敷の主人の生活に関わる場所が中心だ。具体的には玄関、食堂、トイレ、シッティングルーム、主人の寝室など。
     本来であれば浴室もここに入るのだろうが、あそこは入浴補助を務めるフェネスが清掃も担っている。ナックはときおり頼まれて手伝うこともあるが、フェネスが済ませてしまうことがほとんどだ。
    1888

    hiromu_mix

    DOODLEファ切で18.奪われた心
    「ディープキス 夜空 ルームキー」
    ※ヴィランパロです
    見えるのは夜の色最上階に向かう高速エレベーターの、目まぐるしくカウントしていく数字を切島は、睨みつけながら軽い浮遊感を味わう。手の中にはルームキーが一つ。突然、切島のヒーロー事務所に送りつけられたそれは、封筒には少し癖の字で宛名と。中にはこのルームキーと、ホテルの住所、誰にも言わないで来るようにと書かれたメモ。いたずらだろうと捨て置くにはこのルームキーはこの辺りでは一番の高級ホテルの最上階のものだったし、メモに『ファットガム』と走り書きされたサインを、切島は知っていた。
    だから来た。誰にも、言っていない。これが罠だとは思いつつも、誰かに告げたことで他の誰かを巻き込むのは避けたかった。
    柔らかなメロディーと共にドアが開く。切島は一歩、外側に踏み出した。夜の海みたいな濃紺の絨毯は、まだだれも踏んだことがないみたいになめらかで。そこを恐る恐る歩きながら、この階にたったひとつの部屋を目指した。本来であれば控えているはずのコンシェルジュたちには、切島が来るのと入れ替わりで階下に降りてもらっている。彼らは、この部屋を取った人間がどんな人かなんて知らない。たとえそれが、彼らにとってはとても紳士的な男だたとしても。
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