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    ロジー

    ラリ子

    INFO『思春期のエリくんアンソロジー』に寄稿させていただいた小説のサンプル分になります。サンプル範囲は画像形式のものとほとんど変わりません。
    初夜に全力すぎる余り全力すぎてしまう思春期のようなエリジウムくんとなんなかんや受け入れてくれる感じ……多分……なソーンズくんです、よろしくお願いします!

    ・思春期のエリくんアンソロジーHPはこちら
    (https://mariehana4649.wixsite.com/mysite/sample)
    鳥類的"sexual"コミュニケーション【サンプル】『清く正しい性行動』
     ……果たして本当にそんなタイトルだったかは覚えていないが、おおむねそんな感じの文言が題された薄っぺらい書物を、青少年期に読まされたことがある。内容の四分の一程度はなるほどと頷ける感じで、四分の三は当時の自分でも奇妙だと思えるくらい、おかしな事柄の陳列だった。じっさい、周囲の連中と笑いながら読み捨てていた気がする。
     当時の自分にとって、面白くも必要性もなかったその書物の内容は、結局かけらほどしか記憶として残っていない。しかしエリジウムは、十数年後の自分のために記憶しておくべきだったと、まさに今、頭を抱えるほど後悔していた。
    「普通でいい」
     そう言ったのは、ここロドスで出会ったエリジウムの友人で――そしてつい先月交際相手というものにもなった男、ソーンズだった。
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    もやし👁‍🗨

    Reuse Halloween2021年1月発行のモブ宗アンソロジーに掲載したものです。
    ゾンビものだったので今年のハロウィンに乗じて掲載します(公開期間は現時点で無期限です)。

    ゾンビで溢れかえった世界で宗くんと出会ったモブの話です。

    モブ宗ですがモブが一方的に宗くんのことを好きなだけの全年齢、ちょっとみか宗要素があるかもしれませんが原作程度の信頼関係です。

    死ネタ&原作キャラのゾンビ化の示唆があります。
    夢ノ咲・オブ・ザ・デッド! ガコン、ガコン。疲労で重くなった脚を引きずりながら鉄筋造りの外階段を一歩一歩上がっていく。十一月の風が全身を通り抜ける。途中、手に抱えていた紙袋の底が破け、中に入っていた缶詰が一つ落ちた。勢いよく階段を駆け下りていく缶詰を呆然と見つめた。残念だが、もう俺にあれを取りに戻るだけの気力はない。もともと引きこもりだった俺にはここ数日の肉体労働は完全にキャパオーバーだ。それでも懸命に、今日もここに帰ってきたのはこのビルの最上階で彼が待っているからだった。
    最後の一段を上り終え、扉を開く。もともとどこかの会社の事務所であっただろうその部屋の、一番南側に置かれているソファに彼ーー斎宮宗は横になっていた。かつてアイドルだったという彼の姿は、暗く汚れた室内にあっても気品が溢れており、肢体をだらりと投げ出して虚ろに天井を見つめている姿すらもまるで西洋の絵画のようだった。しかし、その顔は酷くやつれていて、目の下には深いクマが出来ていた。
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