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    ロト

    なごみうた

    SPUR ME途中で挫折した在学中に距離が縮まってあわよくばお付き合いさせたかったきょうかず
    人増えると一人称は限界あるかもしれん…
    けど多岐瀬の一人称好きなんだ…。
    伊織と知陽はわりと下世話な話さらっとしそうだなって〜響は話に入りはしないけど、別にやめろとかは言わなさそう
    「よう、多岐瀬」
    「…なんでお前がいるんだよ」

    グレーダー寮の共有スペース。本来なら俺がいつも座っている榊の隣に我が物顔で居座り声をかけてきた灰島に、俺はじとりと胡乱げな視線を向けた。

    「ちょっと榊に用があってな。卒業前の合同カリキュラムで組むことになったんだよ、俺たち」
    「念願の皇帝陛下との共同作業。俺も楽しみにしてたんだよね。もういいの?例の美人アーティストとの個展の打ち合わせ」
    「あー…まぁ学業優先っていうのでちょっと融通利かせてもらえたんだよ…」
    「…ふぅん。今度のファムファタールとやらはなかなか情熱的で独占欲が強いタイプみたいだね。あの一年の前では気を付けた方がいいんじゃない?それ」

    いつになく歯切れの悪い返答をする灰島に向かって、榊はタブレットに添えていた手で自身の首元を指差して意味深な笑みを浮かべた。俺もちらりと一瞬灰島へと視線を向けたが、点々と首元に散る鬱血痕にすぐに目を背けた。せめて周りに気を遣って首元が隠れる服を着てくるべきじゃないのか?後輩たちの教育上悪い気もするし。
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    kikhimeqmoq

    DONEチヒ隊 2025/01/19 チヒロと巻墨

    61話、カフェでランチを食べた後に京都へ向かうチヒロと巻墨の小話。63話で巻墨の名前が判明して嬉しくて書いた。チヒ隊かどうかは微妙な感じで特に何も起こらない。
    豪快に京都へ「車で行くんですか?電車の方が早くないですか」
    店を出てさっそく駅に向かおうとした千紘を巻墨は引き止め、車で移動すると告げた。
    「車の方が安全だろ。装備もしてあるしな」
    隊長は得意げに説明した。斜めに切り上がった口端が車への自信を表していた。可愛らしいな、と千紘は感じたが黙っていた。それより装備ってなんだ?
    「装備とら?」
    「武器や小道具が車に隠してあるんですよ」
    炭がすかさず説明した。
    「へえ」
    さすが忍びだ、と千紘は感心した。その評価が伝わったのか、隊長は満足げに頷いた。こくり。
    「じゃあ、車を出しますから、ちょっと場所を開けてください」
    炭の依頼に千紘は振り返った。駐車場はどこだろう。きょろきょろと周囲を見渡す千紘の肩を、杢は長い腕で掴んだ。最初は肩を強く掴まれたが、すぐに柔らかく抱きかかえられ、店の脇へそっと移動させられる。杢の腕も身体も熊のように大きく、肩を抱かれただけなのに、千紘は全身を包まれた気持ちになった。なんだか温かい。杢と千紘は、歳はさほど離れていないと聞いた。実際、杢は隊長や炭よりも若者らしい軽い発言が多い。しかし、なんとはなしに信頼したくなる安定感が杢にはあった。身体の大きさだけではない。ほどよい雑さと丁寧さのバランスが好ましあのだと思う。
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