七海
魚ノ心
MOURNING七虎 火炙りの鏡絵にはおこせそうにないから供養。南無南無。
捏造呪霊の討伐後 七海の独白。等級で言えばゴミほどの呪霊。
その習性が、珍しく気分を害した。
というか、相性が良すぎた。
憐れな程に
健気に、
求める、
生のままの感情
相手ごと焼尽くすような業火の感情
「ねえ、大好きだよ」
誰の口から発されるかと言えば
紛れなもなく
欲する相手の、生写し。
私が欲しくて欲しくて堪らない、あの子の姿で…
「クソッ」
それを壊さなければならなかったのは
流石に参ってしまった。
甘い言葉に一瞬でも喜んでしまった、自分の心ごと砕いた。
本音を言えば、今すぐにでも押し掛けて、
骨の髄まで奪い尽くしてやりたい。
『一緒に堕ちてくれるだろうか。』
「彼には陽だまりがよく似合う。」
『一生治らない傷を刻みたい。』
「健やかな笑顔に何よりも癒される。」
『世界に2人きりだったらいい。』
「周囲を包み込む透明な魂こそ彼の本質だ。」
彼の望まない事ばかり浮かんでは、叩き壊す作業に没頭する。
鏡よ。鏡。
砕けば砕くほどに、
虚像を増やし、散らばる。 433
しんした
MEMO七灰いちご王子七海といちご農家灰原くん
ご当地七海のあまおうが可愛い→高専だったらいちご王子七海では?という頭の悪い発想から生まれた、灰原くんが大切に育てたいちごの中からいちご王子の七海(手乗りサイズ)が現れて……というゆるいパロ。
前半は会話文のみ。
後半になるにつれてネタメモみたいな感じです。🍓
ゆるゆるな設定
手乗りサイズ七海はいちごを食べると人間サイズになれる。
七海はいちごの国の王子なので魔法が使える。
灰原くんは古い一軒家で一人暮らし。
いちご栽培は始めたばかりor継いだばかりとか。
🍓
「きみの願いを叶えないと国へ帰れないんです」
「願いなんてないんだけどなぁ」
「じゃあ、願いが見つかるまでここに居ないと……(乗り気ではない)」
「全然いいよ!ちょっと古いけど空いてる部屋いっぱいあるから!」
「は?こんなボロ……いえ、なんとかなるので」
「遠慮しないでって!」
「いや、その」
「えー?いちごの精ってことは僕のいちごそんなに良いいちごだったのかな?嬉しいなぁ!あ!じゃあ収穫したばっかりのいちごご馳走しちゃうね!」
「……それは頂きます」
そして絆されていくいちご王子
🍓
最初は早く帰りたくて仕方なかった七海だけど、一緒にいちごの世話をしたりしていくうちに灰原くんと一緒にいるのが心地よくなっていく。
灰原くんは最初の七海の言葉通り、真剣に願い事を探してくれている。けれど、いつしか願い事がずっと見つからなければいいと七海は思うようになる。
灰原くんも 1639
しんした
PROGRESS七灰原稿進捗(2021.04.25頒布予定の生まれ変わり本)気に入った部分を細切れにあげていく予定。
上から新しい→古い順になってます。
七海視点
2021.03.01〜*
また巡り会えた。やっと思い出せた。
二度と失いたくない。絶対、放したくない。
「灰原、頼むから」
──もう、どこにも行かないでくれ。
七海がそう囁くと、灰原は一瞬大きく目を見開いた。
濡れた頬を拭い、そこへ静かに唇を寄せる。黒い瞳からまた涙の雫がこぼれたが、七海はそのまま、薄く開いていた灰原の唇をゆっくりと塞いだ。
2021.03.11
*
彼は暗く澱んだ世界で見つけた、唯一の明かりのようだった。
ハキハキとよく通る声で名前を呼ばれると、頬が勝手に緩んでいく。くるくると表情を変える瞳に見つめられると、胸の奥があたたかくなる。大きな口から発せられる言葉はいつも前向きで、自然と背中を押されていた。
彼のそばにいると、世界が鮮やかに見えた。辛さや苦しさが、少し楽になる気がした。
いつの間にか特別になった。誰よりも大切にしたいと思った。ずっと共にありたいと望むようになった。
2021.03.07
*
メッセージだけでも嬉しいというのに、わざわざ写真まで送ってくれたことに胸の奥があたたかくなる。七海は手早く『綺麗に咲きそうだな。明日でも大丈夫だけど灰原はどうだ?』と送った。 1219