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    世界

    huwasao

    PROGRESSライ→ヤンで原作後転生した設定。今生でヤンと義理だが兄弟になってしまったが、ヤンに恋愛感情を抱いてしまったラインハルトの葛藤…の途中までの話。世界は帝国、同盟、フェザーンは健在ですが、戦争はおきていない世界線。ラインハルトは記憶ありです。

    細かい設定はさて置き、雰囲気でお読み下さい。
    誰得な話ですが、書いてて楽しかったです。道ならぬ恋は良いよね、と思う。
    二度目の愛を貴方に捧げる息が弾む。金糸の髪が激しく揺れる。
    黒いシャツに、濃紺のズボン。シンプルな服装。しかしあまりに端正な横顔に皆が振り向くけれど、当の本人は脇目も振らず走っていく。

    目的地の扉が見えた。青年は一旦立ち止まる。扉の横、通信機のランプは緑なので、オートロックはかかっていない。全くまたか…。彼らしいと言えばそうだが、相変わらず危機意識に欠ける人に、頭を抱えたくなる。
    が、今はそうじゃない!それは後で良い。
    青年は先ほどの駆けてきた勢いのまま、開扉ボタンを
    押した。待ちきれず、扉が開き切る前に身体を押し入れ。

    「兄さん!」

    ドンッと足を踏み込み、道場破りでもするかの如く呼んだ。あまりある勢いに、普通なら驚くところ、呼ばれた当事者は、部屋の奥、静かに背を向け佇んだままだ。その手には本があり、視線は落とされたまま。
    9901

    nekoyamanagi

    DONE嘘ドロwebイベ、開催おめでとうございますヾ(*´∀`*)ノシ
    こちらは嘘ドロ展示用新規小説となります。
    嘘の世界でもふ達と出逢うお話となっております。
    今回は出逢い編という事で、あの形状でなく、モフロ君は子犬、モフドさんは息丸ちゃんみたいな形状だと思って貰えれば。
    時間が足りず、最後まで書けなかったので、いずれ最後まで仕上げたいと思います。
    Passは会場お品書きにて公開中です。全年齢。
    嘘の獣は月に吠える「……なんだ、これ」

    それは、薄暗い路地裏にぽつんと落ちていた。
    白くてふわふわして、なんかの毛玉。……本来であれば。
    「……ヌヌヌヌヌヌヌけがしているね
    一緒に覗き込んだジョンが、その毛玉を見下ろして一言。確かにその毛玉は所々に赤黒く汚れていた。
    手足は泥だらけで、長毛種であろうその毛並みは血と泥で薄汚れている。
    子猫か子犬か。判別のつかないその獣は、近付いても逃げ出す事は無い。否、逃げ出せるだけの力はない様に見えた。
    そのまま息絶えているのかとも思ったが、ふわふわした毛の下の腹部は、その生存を告げるように、微かに上下していた。
    残酷な“夜”が支配するこんな世界の中で、両の手で抱えられる程の小さな生き物が、生存していく事がどれ程の苦労を伴う事か。
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