Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    BlueFish_DC

    MAIKING書きかけの🦁🌸
    多分これで半分くらいにはなるはず…後半を書き上げたらpixivに上げたい所存です。
    タイトルも何も決まってないしなんならオチも決まってない

    以下、数点ご注意ください。
    ・死=幸せであるという描写と、死、自殺を思わせる描写があります。それらを推奨する意図はありません。
    ・名前有りのオリジナルキャラが出ます。
    ・スワヒリ語、ズールー語を古い言語とする描写があります。
    未定 何か得体のしれないモノの、深い息遣いが聞こえる。
     吸って、吐いて。吸って、吐いて。深く、長く。
     自分の呼吸とは合わないそれは、音だけで形を持たないというのに何故か私のことをじっと見つめているような恐怖があった。
     呼吸が、私を見つめている。私からは見えないところで、私のことをじっと見張っている。監視している。そんな恐怖から私の呼吸は徐々に乱れ、刻み、細かく速くなっていく。ますます、私を見ている呼吸とずれが生じていく。速い自分の呼吸と、深く長い何かの呼吸。身震いする。
     そもそも、ここはどこだろう。辺りは一面闇に包まれていて、どこに視線を向けても何も見えなかった。声を出してみようと口を開くものの、舌はからからに渇いていて言葉を紡ごうとしても喉が張り付いて音にならない。声が出ない。声にならない。呼気が震えて、私はそっと口を閉じる。足は動くだろうか。足を持ち上げようとして、失敗した。触れられている感触はないのに、何かに足を掴まれているようで動かすことは出来ない。
    47243

    mssk

    PROGRESS5/5のネクオペで発行予定(間に合えば)の小冊子の冒頭になります。

    古城ローグライク凋零残響END後の傀博♂のお話
    新刊セットのノベルティの予定です
    ※※少し人を選びそうなお話のため、いらない場合は新刊セットではなく新刊単体でお求めください※※


    含まれるもの
    お互いのことが「一番」大事な傀博
    さよならワールドエンド石畳の廊下を踏みしめる、地響きのような音が鳴っていた。人などよりもずっと大きくて質量のあるカラクリが、迷う素振りもなく鈍い動きで城の奥へと進む音。だが図体の大きさから想像できない程度には器用なようで、普段はアコーディオンを抱えているはずの腕で今は一人の男をしっかりと抱えている。
    キコ、キコ、キコ。カラクリの足が進むたびに人工関節は小気味良い音でリズムを歌う。けれどその足取りのたびに逃げ場をひとつ潰されるようで、私はその軽快なリズムを聞くたびに体を縮めることしかできなかった。
    「……下ろして、くれ」
    『アナタニ指示権限ハアリマセン。⬛︎⬛︎様ノ回収ハクリムゾンソリティアカラノゴ命令デス』
    少しノイズ混じりの機械音声はそう告げる。そうして、相変わらず一切歩みを緩めぬままただ城の中へと戻って行った。
    3635