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    DOODLE無駄に長くなったので分割
    異世界ファンタジー風学園BLゲーのセカイでオレは、錬金術師と恋に落ちるまで夜も眠れない! 2


     もはや見慣れてしまった薔薇園に今日もお邪魔し、ティーテーブルで寧々の淹れてくれた紅茶を口にする。この想いのセカイに来てから何度も淹れてくれたおかげで、段々紅茶の淹れ方が上手くなっている。本人にとっては不本意だろうが。
     目の前には同じようにカップを手に持ったルイ。特別なことはしてないはずだが、どこか仕草が優雅に見える。絵になる奴だ、知らず嘆息してしまう。
     この男と結ばれればめでたしめでたし、ハッピーエンドで想いの欠片は大満足なんだが……今更の話、王子なのに相手は男でいいんだろうか。世継ぎとか考えなくていいのか? フィクションに突っ込んでも無駄か。
     ルイはオレの視線に気づいたのか、首を傾げて微笑む。涼やかな目元。スッと通った鼻筋に、穏やかに弧を描く薄い唇。うーん、顔がいい。類だもんな。オレはこいつと恋人にならねばいけないのか、と思うと、急に恥ずかしくなってきて、にわかに顔がぽっぽっと熱くなる。これは架空の物語であって、想いを満足させるために仕方ないんだが! 現実と混同させちゃいけない、現実の類に失礼だろう。いやでも、物語のためとはいえ、ルイのことも弄んでいることになるのか……?
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