魔法使いの仕事　完敗だった。
　大魔王と二人の側近には、勇者ダイだけでなく誰一人として歯が立たなかった。
　せめて脱出をと瞬間移動呪文を唱えたが、大魔宮全体を包み込んだ結界がそれを許さなかった。
（どう、すれば……）
　このままでは敗北どころか、全滅だ。

「きゃああっ？！」
　マァムの悲鳴に振り返ると、大魔宮の先端部分が崩壊して落ちていく。マァムと、彼女のそばで意識を失っているダイにごく近い。
　助けようと手を伸ばそうとし、気付く。
　結界があるといっても先程から崩れた外壁などはどんどん落ちていっている。移動呪文での出入りは不可能でも、瓦礫と一緒に重力に逆らわず落ちるなら脱出が可能かもしれない…！
（バーンたちの目は、小物でしかないおれやマァム、戦意喪失したダイにももう向いてねえ。下は海だ。何とか…何とか助かってくれ！）

おまけ「………そう言えば聞きそびれていたんだが、おまえ、フローラとはどうなんだ？」
急になんだ？と言わんばかりに顔をしかめたアバンが、訝しげに答える。
「………国主と臣下ですけど」
「は？おまえ、王配になったとか、なる予定とかあるんじゃないのか？」
「えっ？なってませんけど！？なんでそんな話になるんです！？」
「いやだって、いつも女王の横に立ってるし、自然に皆敬意を表してるし」
「いやいや、元勇者とし て、ですよ？それだって身分不相応、過分すぎる待遇で…」
「そう思うなら、女王はおまえにそうなるよう望んでいるし、そういう対応をさせてるんじゃないのか？」
「………そう、なんでしょうか」
「俺が知るか。もっと近くにいるやつにでも聞いてこい」

[名侦探狄仁杰][狄白] 青橙之味 （2）那之后关于狄仁杰的消息和他出现时一样也传了一阵，有人说他那才不是回原籍待考而是要出国，也有人说是搞定了保送的名额所以提前开始了无忧无虑的假期，还有人说根本没有这么省心人家大少爷是和家里闹翻了玩离家出走，都说得有鼻子有眼却又和之前一样没有什么靠谱的证据，然后没几天就被别的传闻取代，湮没在高三无边无际的题海里。

似乎没有人真的在意这个人的消失，就如同树叶们并不关心枝杈上是否停留过一只毛色鲜亮的鸟雀。

只有白元芳看着身边的那个空座位不时会想，还有机会见面吗？



教室后黑板上越来越少的倒计时数字看着总觉得刺心，可是等考试真的到了才发现除了气氛本身之外，没有什么需要紧张。

一直给人十足安定感的白元芳看上去和平时也没有什么不同，只是鬼使神差地在那几天里吃来吃去也都还是口味不同的三明治。

[名侦探狄仁杰][狄白] 青橙之味 （1）多年后的白元芳回忆自己的高中生活，总觉得在高一那一年除去开学典礼时校长过分浓密乌黑的假发和严重到有些好笑的口音之外已经褪色到想不起琐碎生活之外的更多细节，于是他觉得自己可以负责任地说，他的高中生涯其实从高二才真正开始。

而如果要把那个时间点定得再精确一点，应该是高二上学期开学狄仁杰转学到他班上的那一刻。





白元芳觉得那时的自己真是迟钝得可以，对于开学报到时老师把全班座位调整一番的真实意图一无所知，居然真的反省了好半天是不是应该适当减少每天拓展课外书目的时间，直到第一天早自习时老师开始介绍从外地转来的新同学才反应过来，就他那小有退步整体来说原地徘徊的成绩还不至于让老师痛心疾首到把他换到最后一排一个人单独坐，何况在座的所有人加在一起估计都不够值得班主任花一个晚上排出那么一份座位表，无非是给一个让她觉得颇为棘手的学生名正言顺地找一个无趣到几乎不可能生事的同桌而已。