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    赤い林檎

    DONEこちらの文章は創作企画『無念夢想の楽園の中で』様宛に、第12話更新後に送らせて頂いた文章になります。
    主催様宛てのものなのでそのような発言が多くあり、またこれはあくまで一参加者である私個人の考えを記させていただいたものであります。本編の流れとは少し違いますがそれをご了承の上で閲覧していただければ幸いです。

    むむらく(略)→ @mumuraku
    『ヴィクトー・デ・アンジェリス』論~製作者が読み解くサイコパスの心理~[はじめに]
    この考察はあくまで現時点でヴィクトーが考えうるであろうことや行動を林檎が妄想した産物になります。おそらく運営様方のほうで大体の道筋はいくつか立ててらっしゃるかと思われます。今から並べていくことでいろいろ解釈の違いが生まれる可能性はありますがただの林檎の戯言だと無視していただいても構いません。
    よろしくお願いします。

    [ジョンの死について]
    この項目について語るためには先日のジョンとの会話についても触れる必要があります。
    話の流れ的にもヴィクトーはジョンに「逃げ」を提案したのでしょう。しかしジョンはそれを選択しませんでした。
    ヴィクトーの「逃げ」の提案の意図としましては先日述べた通り、ヴィクトーが人間について愛してやまないのはその人間性や感情の揺れ。おそらく提案をした際に少しはジョンくんは選択肢に揺れたでしょう。しかし洗脳を特には至りませんでした。これについてヴィクトーはどう思ったのか。それはおそらく「残念」「強化された洗脳なだけあるな。まぁ、あの(選択に揺れる)瞳を見れただけで満足しておくか」でしょう。ジョンに選択を委ねたのも人間性を見たかったからです。結果洗脳解除に至りませんでしたがね。
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    TRAINING※銀時の架空の母親・ネグレクト表現あり※

    本編の銀時の家族を否定する意図はありません。
    死体の中に放置された子供、現代で言うなら捨て子に等しいのでしょうが、彼が同じ境遇に置かれた時に今の感覚であれば確実に児童養護施設に預けられるのが妥当です。
    その場合、彼は護られて生きることになります。それが腑に落ちなかったので、本当の母親なのかもわからない顔も知らない女性を彼の母親役として宛がいました。
     暗愚で怒りっぽい父だった。だが、厳格故に人の信頼を得、俺が家を出るまで質のいい服を着て母親の作った美味い食事を腹に入れることが出来たのは、父親が臆病とも言えるほどに権力に忠実だったためだ。否定するつもりはない。強い者に媚び、弱い者を厳しく叱れば己とその家族の安全は護れるのだから。ひょっとしたら父親なりの愛情表現が、俺を常識という名の秩序で縛り圧することだったのかもしれない。ただ俺とは合わなかっただけだ。
     それは今世に限った話ではない。妙に太い眉も、怒鳴った時に肩を上げる仕草も、感情的になっても手を挙げない姿勢も、記憶の中の父親と全く同じだった。

     夢を見てから三日が経った今、記憶の中の俺と、俺自身の境目は限りなく薄くなっていた。まるでひとつの体を二人で分け合うようだ。それでいて、記憶の中の俺は別の人間ではない。まるで俺という人間が、記憶と人格それぞれ生き別れ、ようやく出会い一つになったように。
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