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    少佐

    のぞむし

    PROGRESS6月の月鯉🌙🎏小説進捗〜

    大正15年、春。
    帝都で一人の将校が殺され、上半身の皮を剥がされた死体が見つかる。
    退役し今は隠居の身の淀川から、かつての金塊争奪戦と関係があるのでは、と秘密裏に調査を命じられた鯉登少佐だがーー。
    というなんちゃってミステリ風な、情念不倫もの(になる予定)
    鯉登が妻子ある身のため、何でも来い!な方向けです。
    まだゴリゴリ書いてるので、修正入る可能性あります
    帝都メランコリア1
     帝都の春は騒がしい。
     零れんばかりの桜が上野の恩賜公園の周りには咲きほこり、夕方まで残る春の陽気に浮かれた人々がその下を行き交う。
     つい先月には、ここ帝都で若い将校の殺死体が発見され、ちょっとした騒ぎになったばかりだというのに。
     都会の人々の興味は忙しなく、瞬く間に移ろっていくものらしい。
     そんな桜の花弁がそこここに舞い散る帝都の春の通りを、鯉登は砂埃をあげて走る車の中から眺める。
     正直、進んで出向きたい場所では決してなかったが、鯉登の職場である陸軍省にわざわざ電話を寄越された上、車までを回されて呼び立てられれば、出向かざるを得なかった。

     車の着いた先で、庭の石畳を進んで玄関までいくと、一人の老人が扉の前で待っていた。
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    d_chin_mkai

    DOODLETwitterで公開した、モブ一等卒視点の原作終了後ifの月鯉。

    鯉登少佐の従卒に命じられたモブ一等卒。
    従卒初日、麗しの鯉登少佐のご自宅へお迎えに参上したモブ一等卒を出迎えたのは、退役してなお巌のようにたくましい、あの伝説の月島軍曹殿で?!

    …というお話です。
    モブ一等卒に鯉登少佐への恋愛感情はありません。
    ファン目線です。
    月鯉 謂わぬが花私が鯉登少佐殿の従卒に任じられたのは、入隊して二年目の春のことだった。
    召集兵の中でも特別身体が頑健という訳でも、これといった特技もなく、訓練でも目立った活躍もなく、淡々とした営内生活を送っていた私に、それはまさに青天の霹靂というやつだった。
    当然、私以上に周囲の同期の者たちの驚きは大きく、「どんな賄賂を送った」「不正などしなさそうな顔をして」などと散々に詰られたものだ。中には、今まで挨拶程度しか面識のない者にまで、廊下でいきなり胸倉を掴まれる始末だった。
    どれもが謂われない濡れ衣であるし、とんだやっかみに私も面食らいはしたが、そう思い込む者たちの気持ちもわからなくはない。
    「鯉登少佐殿」という御方は、私達のような兵卒にはそれだけ雲の上の御方だったのだ。階級という意味では勿論、大隊長殿のお側近くに勤められることなど、一兵卒にとってあり得ない名誉である。だがそれ以上に、彼らが私を羨むのは「鯉登少佐殿」の姿形の美しさ、その存在のすべてに刻まれた綺羅星、いや太陽の如き輝き故であった。
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