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    巨人

    hyoukaaisu

    DOODLE『イサ三、すまないイサ三、ゆるしてくれ』
    ブレイサ
    イサが出家した数日後くらいに
    夜な夜な
    『イサ三、すまないイサ三、ゆるしてくれ』
    住職からすればイサを拐かす妖の類いの声にしか聞こえず
    朝、起きて見れば巨人の足跡や、手型が地面に残っていたりして
    イサが本当に神隠しのように消える
    一般的に見たらホラーな話を書きました。

    イサもイサでいた痕跡すら残さず消えたら住職が驚くまで想像できてしまった。
    『イサミ、すまないイサミ、ゆるしてくれ』今日、1人の青年が仏道を修行する為に門をくぐった。

    「初めまして、本日からよろしくお願いいたします」
    悲しそうに伏せられる青年の瞼は、どこか色ぽく、
    真っ直ぐにこちらを射ぬくアーモンドの瞳は、この道を唐突に目指す者としては珍しくガラスのように透明で美しく輝いていた。

    「ああ、初めましてアオ・イサミ君。
    私はここの住職だ。
    わからないことがあればなんでも聞いてくれ
    ささ、入ってくれ」
    「はい」
    靴を脱ぎ、静静と長い廊下を歩く姿もまた水彩画のように儚く、ほんの少し目を離してしまえば消えて無くなってしまいそうな程なのに、
    ズボンから見える鍛え上げた二本の脚は何年もそこにある大木のように逞しく、生命力に満ち溢れているようにも見えるのだから不思議だ。
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    1000kobari

    DONE初めてライジャン書いてみました。
    本編軸。時系列としては、トロスト区攻防戦(マルコ死亡)後〜第57回壁外調査(初・女型の巨人戦)前と4年後とをライナーのモノローグで行ったり来たりという感じのお話です。
    致してる場面がありますが直接的描写はないので全年齢扱いとしています。
    いつかの夜、グレイプニルが解けるまで ――手だ。声をかけたのはそれが理由だった。
     あれは、いつの事だったか。記憶が朧気なのは、すでに余程の昔になっているということなのか。それともこの身を巨きく変えた弊害が今更になって表れたのか、はたまた無意識に〝分裂先に移動していた〟からか。
     いずれにせよ。ちらつく明かりを受け輪郭を際立たせたその手だけは、ひどく印象に残っていた。付随してぱちぱちと小さな破裂音が耳を訪れる。この世に音とはそれしかないと勘違いできそうなくらい、その場が静かなことを意外に思った気がする。
     ああ、火だ。火を、焚いていた。
     夜だ。そう、夜だった。いつだかの、遠い夜の出来事。
     影を揺らし空間に浮かび上がる細く長い指は、その下の骨の形を見るに女のものではない。手首の方へ視線は一度下り、肘の部分で折り返して肩へと向かう。その際に盾と交差する翼のエンブレムが過ぎった。
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