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    悪夢

    🌱(め)

    DONEノスクラ。
    悪夢に迷い込むクラさんの話。
    あんまり捏ね回しすぎて溜まっているものが多すぎるので考えすぎないでどんどん上げていって練習量を増やそうの試みです…
    ※都合により時期外れのクリスマスの話が挟まります。季節を反復横跳びしている。手記の内容及び野犬関係の描写あります。
    氷は熱い、狼は冷たい、春の夜は、『お前の能力は美しいな』
    『…なんだと?』

    指揮者のようにくるりと指先を踊らせていた男が訝しげにこちらを見返した。

    窓の向こう、雪深い古城の庭で雪だるまが踊るように荷を運んでいる。
    御真祖様からお前へのクリスマスプレゼントだそうだ、とノースディンは言った。
    先日一族への面通しだと言われ小さな宴へと連れられたのは記憶に新しい。小さな、とは言ってもクラージィが知る教会の祝祭や村の宴に比べればずっと賑やかで華やかで、驚いてばかりの私にノースディンは「一族全員が集まればこんなものではないぞ」と苦い顔をしていたの覚えている。

    私は子供ではないが、と言ったら「受け取っておけばいい、私の仔であることは確かだ」と笑われた。ひどく気恥ずかしい思いではあったが、せっせと運ばれていく大小様々な荷物の中に"Northdin"の名が刻印された物も含まれているのが見えて、それ以上を言うのはやめた。隣に立つ男も似た思いをして複雑な顔をしているのだろうと思った。
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