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    🌱(め)

    @mommeee2101

    「め」だったり「匁(め)」だったりします。筆が進まず挫けそうだったので進捗や短いものを頻繁に上げていけたらいいなと思っています。
    ノスクラとかミキクラとか。
    ウェブボ作りました。何かございましたら→
    https://wavebox.me/wave/4psg4h45g8mu8tgt/

    ◇リアクションや応援くださる方、一つ一つ嬉しく見させて頂いています…ありがとうございます…!◇



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    ※特殊性癖話のパスにつきまして→
    当初は94用別垢と本垢(雑食)両方の固定ツイにパスをぶら下げる予定でしたが、現在94の話はほぼ別垢でしかしていないため現在時点では94用別垢(@me2101mnme)にのみパスを置いています。もしも今後本垢のみフォローしたいという方がいらっしゃるようでしたらそちらにもパスを置く予定です…。どちらにしてもフォローするのはちょっと…という方はお手数ですがDMでお問い合わせ頂ければ対応させて頂きます。(特殊性癖でおそらく年齢制限のものが多くなると思われるので、その際はプロフ等で年齢制限をクリアしていると確認させていただきますがご了承頂ければ幸いです…)※
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    🌱(め)

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    ノスクラ。
    悪夢に迷い込むクラさんの話。
    あんまり捏ね回しすぎて溜まっているものが多すぎるので考えすぎないでどんどん上げていって練習量を増やそうの試みです…
    ※都合により時期外れのクリスマスの話が挟まります。季節を反復横跳びしている。手記の内容及び野犬関係の描写あります。

    #ノスクラ
    nosucla.

    氷は熱い、狼は冷たい、春の夜は、『お前の能力は美しいな』
    『…なんだと?』

    指揮者のようにくるりと指先を踊らせていた男が訝しげにこちらを見返した。

    窓の向こう、雪深い古城の庭で雪だるまが踊るように荷を運んでいる。
    御真祖様からお前へのクリスマスプレゼントだそうだ、とノースディンは言った。
    先日一族への面通しだと言われ小さな宴へと連れられたのは記憶に新しい。小さな、とは言ってもクラージィが知る教会の祝祭や村の宴に比べればずっと賑やかで華やかで、驚いてばかりの私にノースディンは「一族全員が集まればこんなものではないぞ」と苦い顔をしていたの覚えている。

    私は子供ではないが、と言ったら「受け取っておけばいい、私の仔であることは確かだ」と笑われた。ひどく気恥ずかしい思いではあったが、せっせと運ばれていく大小様々な荷物の中に"Northdin"の名が刻印された物も含まれているのが見えて、それ以上を言うのはやめた。隣に立つ男も似た思いをして複雑な顔をしているのだろうと思った。


    そうしてふと溢れたのが冒頭の会話だった。

    窓の外では雪だるまたちが、ひときわ大きいーー下手をすれば小さな一軒家ほどもありそうなーープレゼントボックスを持ち上げようとして大わらわになっていた。微笑ましいな、と思わず笑いが漏れるとノースディンにじろりと睨まれた。いやすまない、と苦笑する。

    『お前の使い魔の彼女も美しいが、雪で作られた彼等もまた美しいと言ったんだ。雪ならば他にも操れるのか?』
    『…私の使い魔はあれらとお前も知っている猫だけだ。…が、やろうと思えば一時的に操る事は造作も無い。ゴホン、あー、なんだその目は』
    『なんだとはなんだ。私はお前は凄いなと思って見ていただけだぞ』
    『凄っ………ーーー、いや違う、そこではない、その期待を込めた目を止めろ。ドラルクの幼少期を思い出して頭が痛くなる』

    何故か強かに窓に頭をぶつけたノースディンは、髪を直すそぶりでさり気なく額を押さえていた。なかなか凄い音がしたが大丈夫なのだろうか。赤い目が全力で『触れてくれるな』と訴えているのが少し幼く見えておかしかった。
    期待を込めた目とやらをしていた覚えはないが、それを口には出さなかった。幼き日の彼等を思い出し複雑な心情になりながらも、自然と笑みが漏れるのは仕方がないだろう。

    『…いい師だったのだな?』
    『私がいい師であったのは認めるが決してお前が想像するような微笑ましい師弟関係では無かったからな。
    お前の様な純粋な目ならばどれだけマシだったか、あれがそういう目をした時は決まってピスピス可愛こぶって面倒を回避しようとしている時でーーー』









    夢を、見ていたのか。




    あれはいつの夢なのか。少なくとも見渡す限りの深い森には雪など降っているはずもない。

    湿った、夜の森の匂いがする。
    襤褸(ぼろ)同然の靴が生い茂る草を踏んだ。

    私は杖を握っている。
    月の光も届かないほど薄暗い夜だ。木々の生い茂る先は塗り潰された様に暗く騒めいている。

    私は、この先に何がいるのか知っている。

    低い声がする。飢えた獣の唸りだ。
    何度目だろうか、私は逃げる訳でもなく前へ進み出る。
    ーーー何の為に?
    思い出せない。頭の中に靄が掛かったようだ。

    腹を空かせた野犬達が、いつの間にか私を取り囲んでいる。
    凶暴な牙が覗く。
    生臭い匂いが鼻を掠める。
    何故私はここにいるのだ。問うても野犬は答えぬだろう。

    野犬達はじわじわと獲物と距離を詰めつつある。
    私は罅割れた杖を握り直して足を踏み出そうとした。身体が鉛の様に重かった。何かに足が縺れた。何に?


    私の腑が、足元に零れ落ちている。


    目を見開いた私の脚に野犬たちが牙を突き立てる前に、ごう、と突風が吹いた。

    白。

    最初に視界に入ったのは吹き荒ぶ白だった。
    続いて耳元で、ーーーオォォン…!!!!と重く低い音が鳴り響いて辺りを震わせた。教会の古い大鐘楼を思い出す、臓腑まで響く音だった。

    目の前に、男が立っていた。
    吹き荒れる雪の中にいるとは思えぬほど、男の服装は不思議なことに少しも乱れていない。男は酷く険しい形相で私を見た。目の前が眩しくなったような錯覚がし、頭の奥がひどく痛んだ。
    私は彼を知っている。

    「ーーーノース、ディン…?」

    状況を理解しきる暇は無かった。すぐに彼の後ろに野犬の影を見て、私は何事かを叫ぼうとした。
    その前に、私の背後から何かが飛び出し、野犬の群れの中へ矢のように飛び込んでいった。
    ーー氷だ。

    氷の毛並みを持った巨大な狼が、自身の半分にも満たない大きさの野犬の群れを食い荒らし、見る間に散り散りにしてしまった。
    最後にそれは大きな顎を開いて吠えた。



    そこで意識が途切れた。






    「ーーー夢吸いの変異種だ。
    どこかの吸血鬼の能力を受けて変態したものが繁殖、増殖を繰り返したのかもしれん。悪夢を見せて獲物を弱らせるのが目的だろうが………。
    いずれにせよ、『肥大化している上に』、『毒々しい警戒色に変容した』、『得体の知れないもの』に遭遇したら、"通常なら"自分の身の安全を第一に考えるべきだろう。
    通行人を庇ってその身を盾にするなど愚の骨頂だ。お前も竜の血族の一員である自覚を持ってもらわねば困る。分かっているのか?」

    「ああ。心配をかけてすまなかった、ノースディン。感謝している」

    「しッ………!!!??」





    「ファーーーーーwww歯ブラシヒゲヒゲがチクチク言葉が全く刺さらなかった上に図星をかかれて動揺して言葉を失っているwwこれは滅多に見られないぞジョン!!」とやけに楽しそうなドラルクの声がカウンターキッチンの奥から聞こえ、クラージィは苦笑した。
    因みに「ジョ、」のあたりで言葉が掻き消えていたので突如吹き荒れた寒風に驚いて塵になったのかもしれない。お茶淹れてる時に砂になるんじゃねえなんか嫌だろうが!とロナルドサンの声もする。

    あの春の夜と違い、賑やかな夜だ。

    出してもらった紅茶に有り難く口を付けながら、目の前で固まっている男に、『あの狼は見事だったな』といつ伝えていいものかを、私は考えあぐねている。






    (後書きと言い訳。
    氷で何でも作れるノスもクラの前では狼や犬の類は作らないんだろうな→それはそれとして狼の氷像を操ってクラを守るノスが見たかったんです
    ノスのスペルは適当なので違ったらごめんなさい…)
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    🌱(め)

    MEMOクラさん誕生日祝いのノスクラを書こうとしていたんですが最初の数行で詰んでしまったのでプロットだけ放流させてください 1日オーバー…
    清書を諦めたプロットになりますのでご了承ください…
    黒杭時代の過去を勝手に捏造しています 黒杭さんも昏夢のクラさんもみんなひっくるめて生まれてくれてありがとうおめでとう
    ※ノスクラです 要素は薄い
    全ての貴方が祝福されますように。教会の鐘が鳴る。

    カソック姿で振り向く。一瞬黒杭時代の自分を幻視する。懐かしい故郷の土の匂い。手の中には杭がある。
    ーーーすぐに我に帰る。
    ここはビルの屋上である。200年前のルーマニアでは、ない。握っていた拳を開いた。足元ではクラージィが引き千切ってやった下等吸血鬼の腕部が灰になってあっという間に強風に攫われていくところだった。吸血鬼の聴覚が地上の喧騒を捉え、屋上の端へ寄ってみる。眼下には吸血鬼対策課の制服を着た男女が何人も集まって来ているのが見えた。下等吸血鬼に囚われていた成人や子供たちは皆一様に屋上に倒れ伏している。じきに発見されるだろう。
     
    クラージィが街を歩いていたところで路地の奥から子供の母親を呼ぶ悲痛な声が聴こえたのだ。目をやると母親が縋り付く幼児の手を振り払いふらふらと人形のような足取りで異形の手を取ろうとしている所だった。クラージィの背丈の数倍はあろうかというその吸血鬼は襤褸を纏って人間のような背格好に見えたが、覗く顔と母親に伸ばす手は人間のものではなかった。クラージィが駆け寄ろうとすると吸血鬼は母親の身体に前腕を巻き付けてビルの壁伝いに上方へ飛び上がろうとした。おそらくそれが『狩り』の方法だったのだろう。咄嗟に軟体生物じみた脚部のうちの1本を掴み、そのままクラージィもビルの屋上へ引き摺り上げられたのだった。
    4950

    🌱(め)

    DONE嘘予告軸の🧛‍♂️クラと退治人三木のミキクラ。なんちゃって戦闘描写があります。

    ディンに吸血鬼にされて目覚めたら見知らぬ土地にいたので一人シンヨコを放浪して嘘ディンを探そうとしていたクラさんと出会った退治人兼便利屋の三木の話。捏造妄想幻覚モリモリ。執筆途中で誕生日バレで脳を焼かれたんですが今回の話は清々しい程関係ありませんのでご承知の上でお願いします。
    ※以前書いた嘘ノスクラとは別軸です
    嘘ミキクラ 身を隠すようにして廃ビルの階段を上がる。
     埃を被った廊下の隅で小さく痩せた野良猫が軽い足音で通り過ぎていった。暗がりからなぁう、わぁん、と成猫らしい声がする。親猫と合流したのか。歩を進めると別の野良猫が通路の隅で毛を膨らませて威嚇していた。少し来ていなかったうちにすっかり野良猫の住処になってしまっているようだ。確かに不法侵入は此方の方に違いないので、伝わらないとは分かっていつつも「すみません、お邪魔しますね」と小声で会釈した。猫はそんな事は知らずに走って行った。そんなものだろう。目的の部屋の前に着くと安全靴が床の硝子を踏んでざらついた音を立てる。とっくに来訪は知られているだろうが、ノックを三回。お邪魔します。錆びた鉄扉を開けると耳障りな音がした。油を注して整備したいが三木が勝手にやればまた少し怒った顔をして、それから恐縮するんだろうな。困り顔で辿々しく言葉を探しながら怒る姿が目に浮かぶ。嫌われるのは本意ではないのでやるならバレないようにしないとな。
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    🌱(め)

    PROGRESSミキクラのギャグ※途中※
    事故で墓場まで持っていくつもりだった片想いがバレてしまい本気で行方をくらます三木とそれを探すクラさんの話。無限に煎じられているであろうとは思いますがどうしても自分でも煎じたかったんです…
    友人に片想いがバレて行方を眩ませたモブMとそれを捜索する友人Cと巻き込まれた超畏怖い高等吸血鬼D 金曜日の夜の居酒屋は人で賑わっている。華金、と言うらしい。
     夜でも明るく騒がしい店の中で、窓の外が一瞬ピカッと光ったのをクラージィは見た。後で知ることになるのだが、この時自分達のいた店からほど近い大通り、夜の歓楽街の中心部で、退治人から逃げようとしていたヨセフが笑い転げながら大規模な催眠波を撒き散らしていたらしい。お陰で酒場の賑やかな注文風景は一瞬で週末の性癖大博覧会へと変わってしまった。
     カウンターに座る濃い髭面の黒人は何故かそのまま趣味趣向を熱弁し始めているし、別の草臥れたスーツの青年は楽しみにしていた酒を頼むに頼めなくなってか静かに男泣きを始めている。阿鼻叫喚となった居酒屋の隅で、ここでもひっそりと大事故が起きていた。ーー最もこれを事故と呼ぶのだとはあとから吉田から聞いて初めて知ったのだが。
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