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    指輪

    yosuga_04_05

    DONE「“僕が先に灰になったらさ、ダイヤモンドにしてくれる?”」

    🦁くんと👟くんの指輪の話。
    遺骨ダイヤモンドの話ですが、しっかり二人が幸せな話です。
    地球最後の告白をの「幸せな灰になって」のフレーズを引きずった結果です。

    蛇足ですがおまけもあります。
    【💛💜】ゴールド・ダイヤモンド ——先に灰になったらさ。
     ダイヤモンドにしてくれる?



    「…………」
     意識が夢から覚めていく。
     なんだか肌寒くて、シュウはそっと目を開いた。起き抜けでろくに回らない頭。ぼやける視界は、何度か瞬き繰り返す内にはっきりとしてくる。
     どうやら、ブランケットが肩から落ちてしまっている。
     あくびを零しながら、シュウはブランケットを手繰り寄せた。そうして、傍らでぐっすりと眠る生き物にもきちんとブランケットを分けてやる。シュウと同じく何も身に着けていないルカのタトゥーが剝き出しだ。しなやかな筋肉を纏った身体は引き締まっていて、ひっついてみるといつだって自分より体温が高い。
     ベッドの下に散らばった衣服たちが視界に映って、そういえば、とシュウは思いだす。昨夜、ルカと熱を分け合って、そのまま疲れ切って眠ってしまったのだった。
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    fuyuge222

    DONE8月19日~20日開催ウェブオンリー【絶対晶♀至上主義2】展示小説①です。

    約束していない二人が、指輪を交換する話。
    これ単体でも読めるはず……

    後編は再録本に収録予定ですが、オチだけ知りたい方はこちらのツイートをどうぞ。
    https://twitter.com/fuyuge222/status/1530108671140581377?s=20&t=-UCFTxnTPZResl6b3MuIBw
    あなたの隣で石になる(前編)「何か、望みはあるか」
     問われて、晶は隣を見上げた。昨日までよりずっと近い距離にいる彼の、燃えるような瞳を見る。世界の果てだって見据えていそうな泰然とした瞳は、珍しくも落ち着きがなかった。細氷が、彼の周りで朝日を翻してきらきら光っているせいかもしれない。
    「……昨晩も言ったが、約束はしない。だが、それ以外なら叶えよう」
     オズの顔を見上げるばかりで何も言わない晶に、オズが言葉を付け足した。
     約束はしない。……ああ、なるほど。オズの言葉を反芻した晶は、すぐに合点がいった。
     オズは、昨晩の話をまだ気にしているのだ。晶への愛を告げて、けれど約束は、結婚はしないと言ったことを。
     魔法使いは約束をしない。約束を破る、すなわち己の心を裏切れば魔力を失ってしまうから。それは世界最強と呼ばれる彼とて例外ではない。むしろ、彼は誰よりもその理を遵守しているからこそ、最強の魔法使い足り得るのだろう。
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