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    晴れ

    ao_nene

    DONE晴れた日に/シエテ、ジータ、ナルメア(シエジタ前提ですがCP要素は少なめ) 空は晴天。
     風は清風。
     上々の機嫌で、シエテは草原を往く。
    「ああ、いたいた」
     先に艇を訪ねると、ジータは暇つぶしに鍛錬に行くと言って出たと、面倒見の良いことで評判の操舵士ラカムが教えてくれた。
     彼の言った通り、艇からさほど離れていない所にいたので、すぐに見つけることができた。
     人影が二つ見えたが、それもラカムの情報通りだ。

    「団長ちゃーん!」
     はっきりとその姿を視認できる距離まで近づいて、シエテはいつものように彼女を呼ぶ。
     その声に反応して、ジータがこちらを見た。
     また、隣に一緒にいた薄紫の髪の女性も同じように反応した。
    「やぁ、ちょっと久しぶりになっちゃったね。はいこれ、おみやげ。団長ちゃんの好きな、アレだよ」
     ジータの所まで辿り着いたシエテは、そう言って小さな紙袋を彼女に差し出した。
    「え! ほんとですか!? ありがとうシエテさん!」
     珍しくジータはシエテに素直に礼を言い、花のように愛らしい笑顔を浮かべて紙袋を受け取る。
    「いやーなになに、お礼なんてぜんぜん気にしなくていいからね。俺は団長ちゃんの、その笑顔が見られただけで満足だからさ」
     うんうん、と一人 5777

    なつのおれんじ

    DONE雨の晴れ間に / マレ監
    2020-08-15
    監督生の一人称 ぼく / 性別特に決めてません / まだマレウスバレしてない頃の話
    夕方頃から降り出した雨は、闇が深まるにつれてその激しさを増し、叩きつけるような勢いでオンボロ寮の窓を濡らしている。時計の針はつい先ほど、真夜中の0時を回ったばかりであった。本来ならばこの寮の住人たちは寝静まっているはずの時間だが、監督生の部屋の窓からはうっすらと灯りが漏れている。
    「んっ……つの、たろっ……」
     雨音とは別に、監督生の部屋の中ではぴちゃぴちゃと小さな水音が響いている。2人で寝るのがやっとの大きさのベッドの上で、上半身の衣服を脱ぎ去ったマレウス・ドラゴニアが監督生をベットに押し倒し、口付けの雨を降らせていた。
    「お前はどこも柔らかいと思っていたが……ここも例外では無かったな」
     薄紅色に染まった小さな唇に、竜の君は何度も喰らい付く。その長い舌を口内に押し込めば、監督生は苦しそうにくぐもった声を出しながら、必死でそれを受け入れた。しかしその表情は次第に苦しげに変わっていき、ついに監督生はマレウスの口付けを拒んだ。
    「っ待って、くるしいっ」
    「ああ、すまない。つい夢中になってしまった」
     光を失い、濁った翡翠色の瞳が監督生をじっと見つめている。自らの口付けで乱れる様を見逃さな 4960

    hiyoshi_TB

    DOODLEアンケで一位だった『カミュセシ』です。

    【「私は晴れの日が嫌いだった」で始まり、「明日はきっと優しくなれる」で終わる物語を書いて欲しいです。できれば13ツイート(1820字)以内でお願いします。】
    とのことでしたが、最初の書き出しだけセシルの口調に変えています。
    「ワタシ、晴れの日が嫌いでした」
     共に住んでいる部屋でソファに並び、くつろぎながらテレビを見ていた時にセシルが言った。
     ニュース画面には、今年成人を迎える若者たちの希望に満ちた様子が映し出されている。
     不思議に思いつつ、カミュがセシルを無言で見つめて続きを促した。
     「アグナパレスでは、ワタシの誕生日は三日前から祝いの行事が始まります。でも小さい頃は晴れの日だからと、知らない人たちが次々に会いに来るのが窮屈で…」
     いつも宮殿内で自由にすごしていた小さなセシルは、祝賀用の動きにくい服がキライだったし。
     外部の人間が入ってくる時期は、行動も制限された。
     王と王妃たる両親は、招待客からの挨拶に応じていて不在。
     いつもの倍以上の側使いに取り囲まれ、母の膝に甘えに行くことすらできなかった。
     当時を思い出したのか、セシルが横にあったクッションを抱えてむくれる。
     「贅沢な悩みだな」
     ため息と共にカミュが言うと
     「子供だったのです」
    言い訳をするセシルに、カミュが遠くを見つめて口にした。
     「俺は子供のころから、騎士だったからな」
     その一言で、背景を察したセシルが息をのむ。
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