泥
muhyumu
DONEせるみぼ長編「幸せの泥濘」第十一話です。「幸せの泥濘」第十一話月日はあっというまに流れていく。雲よりはやく、川よりはやく。気づけば、セルが女と過ごしてから、八年ほどの時が経っていた。夏、幾回目かの記念日を迎える時期。これまで、記念日と言ってもささやかなディナーを楽しみ、シャンパンを開け、プレゼントを交換するだけだった二人だが、今年は。カレンダーを見た女が、まあと声をあげた。
「珍しく、3日間のお休みが被りますね」
セルも釣られてカレンダーと、その横に貼られた二人のシフト表を確認した。
「たしかにそうだな」
セルも女も、不定休シフト制で働いているため、連続して休みが被ることはめったにない。女は甘えるようにセルの腕に抱き着き、おっぱいを押し付ける。こういう時は必ずなにか「おねだり」されるんだ。セルは身構えた。
4852「珍しく、3日間のお休みが被りますね」
セルも釣られてカレンダーと、その横に貼られた二人のシフト表を確認した。
「たしかにそうだな」
セルも女も、不定休シフト制で働いているため、連続して休みが被ることはめったにない。女は甘えるようにセルの腕に抱き着き、おっぱいを押し付ける。こういう時は必ずなにか「おねだり」されるんだ。セルは身構えた。
muhyumu
DONEせるみぼ長編「幸せの泥濘」第十話です。「幸せの泥濘」第十話時はしんしんと降り積もり、やがて三年の月日を重ねた。ベランダには、立派なひまわりが爛々と咲き誇っている。いつのまにかプランターも増えた。大小いくつかのプランターに、それぞれの大きさのひまわりが植わっている。女は飽きもせず丁寧にそれらを育てていた。穏やかな休日、女はパジャマのままひまわりに水をやって、ベランダから部屋にあがってきた。ふとカレンダーを見て、はっとした顔をする。
「そういえば今日はジェーネお姉さまがいらっしゃる日でしたね」
「ああ、そうだったか」
「大変、急いで着替えなくちゃ」
女は、クロゼットを開ける。女の荷物もずいぶん増えたものだった。昔は、女を縛り付けるために与えていたものも、今は贈りたいから贈るものへと変化していた。奪うことが恋で、与えることが愛だというのなら、これは。この気持ちを人は愛だと、そう名付けるのだろうか。そんなセルの想いをよそに、女はさっさとしたくをする。先の記念日にセルが贈ったばかりの新しいワンピースに袖を通し、急いで化粧をした。丁寧にマスカラを塗り、アイラインを引いている。最近のセルとのデートの時より念入りなんじゃなかろうか。姉も妹に少し大きすぎるのではないかと思われる愛を抱いているが、妹も大概特別な感情を持っているようだった。
5073「そういえば今日はジェーネお姉さまがいらっしゃる日でしたね」
「ああ、そうだったか」
「大変、急いで着替えなくちゃ」
女は、クロゼットを開ける。女の荷物もずいぶん増えたものだった。昔は、女を縛り付けるために与えていたものも、今は贈りたいから贈るものへと変化していた。奪うことが恋で、与えることが愛だというのなら、これは。この気持ちを人は愛だと、そう名付けるのだろうか。そんなセルの想いをよそに、女はさっさとしたくをする。先の記念日にセルが贈ったばかりの新しいワンピースに袖を通し、急いで化粧をした。丁寧にマスカラを塗り、アイラインを引いている。最近のセルとのデートの時より念入りなんじゃなかろうか。姉も妹に少し大きすぎるのではないかと思われる愛を抱いているが、妹も大概特別な感情を持っているようだった。
muhyumu
DONEせるみぼ長編「幸せの泥濘」第九話です。「幸せの泥濘」第九話平和で、平凡で、当たり前の日常が続いていた。世界は夏を迎え、まぶしい太陽が天で輝いている。昔は、青い空も白い雲もどうだってよかったのに、今は「まあそこにあってもいい」くらいには思うようになった。
「いつもありがとうございます」
セルは客に牛乳を渡すと、ぺらっぺらの愛想笑いを浮かべる。セルが勤めているのは、街の牛乳屋だ。元イノセント・ゼロ幹部、執行猶予付きということでバイト探しは難航を極めていたとき。求人票とにらめっこしているところを、気のいい牛乳屋の女将に拾われたのだった。一通り朝の配達を済ませると、その旨を報告しに一度店に戻る。
「配達、終わりました」
「ああ、ありがとねぇ。若い子がいてくれて助かるよ」
4990「いつもありがとうございます」
セルは客に牛乳を渡すと、ぺらっぺらの愛想笑いを浮かべる。セルが勤めているのは、街の牛乳屋だ。元イノセント・ゼロ幹部、執行猶予付きということでバイト探しは難航を極めていたとき。求人票とにらめっこしているところを、気のいい牛乳屋の女将に拾われたのだった。一通り朝の配達を済ませると、その旨を報告しに一度店に戻る。
「配達、終わりました」
「ああ、ありがとねぇ。若い子がいてくれて助かるよ」
@snowpine0103
MOURNING断片的な部分が多く、ざっと思い付きで考えた話です。丁度、2周年の生放送でドナと局の猫が出てきたのでそれを肴に書いてみました。
公式で猫が出てくるまでは、局♀︎→ドナユウという泥々で救いのない話を考えていたので結果的にドナ局♀︎でまとまって良かったです。
いつか錆火が絡んだ話を書いてみたいですね…… 3570
_nagao
DONEできた!!!泥酔して浴衣はだけて腋見せてくれるバロール!!!!!!女性物の浴衣は脇が空いていますが男性物の浴衣は綴じてるので腋見せるには上裸にならないといけないんですね!!!ついでに帯も解いてウワーッッすけべ!!!!!!!
南瓜栗子茶
DONE- 賣春狐狸Sekix買春狼人KSP- 奇幻架空
- 全捏造
密碼就是主播生日
生日快樂,主播,謝謝一年前的我在我最難過的時候,看到你的實況後與毫不留情的嘴人後笑出聲,逐漸從泥沼裡走了出來,真的非常感謝你
祝你身體健康,一切平安。 7443
muhyumu
DONEせるみぼ長編「幸せの泥濘」第八話です。「幸せの泥濘」第八話新生活だ。まさか、まさかこんな日が訪れるとは思わなかった。セルは、太陽の日差しの下ぼーっと歩いていた。隣にいる女が何か明るい声で話しているが、よく頭に入ってこない。心捧げていたお父様の野望は潰え、これから僕は。僕は自分の足で自分のために生きていく。隣には女がいて、無邪気に笑っていて。ああ、そこにいる、僕の幸せがそこにいる。
「セル様?」
セルははっとする。つい、女の方をぼんやり見つめていたようだ。歩みを進めようとすると、服を引っ張られる。
「セル様、ここですよ!不動産屋さん」
そうだった、セルは我に返る。今日は女と、新しい住居を探しに来たのだった。女の姉であるジェーネから紹介された不動産屋に入店する。愛想のよさそうなスタッフが、笑顔で椅子を進めてきた。
5020「セル様?」
セルははっとする。つい、女の方をぼんやり見つめていたようだ。歩みを進めようとすると、服を引っ張られる。
「セル様、ここですよ!不動産屋さん」
そうだった、セルは我に返る。今日は女と、新しい住居を探しに来たのだった。女の姉であるジェーネから紹介された不動産屋に入店する。愛想のよさそうなスタッフが、笑顔で椅子を進めてきた。
はやも
DOODLEアナザーエンゲージ!開催おめでとうございます!
そして大変申し訳ないことに、
唯一の展示でまさかの途中までです。
続きは後日、支部あたりに展示予定です!!
展示漫画
『泥濘の種子』
(ぬかるみのたね)
・何でも許せる方向け
・捏造過多
・肉体の欠損、白骨化など、グロ表現多め
以上を踏まえた上で自己責任でお願いします。 14
・中夜
MOURNINGジュン茨ワンライ【夏祭り/路地裏/二人きり】一般通過ジュン×惑溺いばら
R-15程度の襲い受け泥酔前戯未満。突然終わります。
惑い溺れる「やあやあ、キリッとした目元が凛々しいお兄さん。こんなに輝かしい祭りの夜に、こぉんなに薄汚い路地裏へ一体何用で?」
胡散臭い青い[[rb:眼鏡 > グラス]]に祭り提灯の赤い光を滲ませて、厭に美しい男はうっそりと笑った。
息をのみ、視線を彷徨わせるオレがはくりと唇を震わせると、それ以上の応えは得られないと察したのだろう。男はカビと苔の生えた壁からゆったりと踵を下ろし、縫い留められていたナニカを放す。パラパラと崩れた壁石の上に、そのナニカがどしゃりと崩れ落ちた。オレの足元でうめき声を上げてガタガタと手を伸ばしてくるそれを、まるで見るなとでも言うように香炉の煙が薫らせていく。否応なく脈打つ心臓が指先のカタチを鮮明にして、頭の後ろで鳴る祭囃子もスゥッと遠ざかって、……今この瞬間、ここはオレと彼だけの世界だった。
3500胡散臭い青い[[rb:眼鏡 > グラス]]に祭り提灯の赤い光を滲ませて、厭に美しい男はうっそりと笑った。
息をのみ、視線を彷徨わせるオレがはくりと唇を震わせると、それ以上の応えは得られないと察したのだろう。男はカビと苔の生えた壁からゆったりと踵を下ろし、縫い留められていたナニカを放す。パラパラと崩れた壁石の上に、そのナニカがどしゃりと崩れ落ちた。オレの足元でうめき声を上げてガタガタと手を伸ばしてくるそれを、まるで見るなとでも言うように香炉の煙が薫らせていく。否応なく脈打つ心臓が指先のカタチを鮮明にして、頭の後ろで鳴る祭囃子もスゥッと遠ざかって、……今この瞬間、ここはオレと彼だけの世界だった。
小柴 小太郎(カンナ)
SPUR METOV。ユリレイ、ユリシュヴァ。前編。かつて泥酔してシュヴァーンにダミュロンの面影を見た放蕩貴族ミルバンの思い出話がきっかけでいらん騒動になりつつ、過労死寸前のシュヴァーンが面会謝絶になったり、ユーリに世話を焼かれたりする話。
友と呼ぶにはあまりにも 前編.
アレクセイ・ディノイアの死亡報告から程なくして、騎士団長代行としてフレン・シーフォの名前が挙がってきた。その時はまだ即位こそしていなかったが、実質的には皇帝代行として実務をこなし始めていたヨーデルがそれを承認し、評議会も21歳の若輩者が団長代行ならばアレクセイよりも扱いやすいだろうと見ていたのだが……。
「またあの男か……シュヴァーン・オルトレイン!」
「死に損ないの分際で、小賢しい!」
とんでもない誤算だった。
ヨーデルにつく尊称が殿下から陛下へと変わり、その直後にフレンの肩書きである騎士団長代理から代理の2文字が取り外された。魔導器の恩恵を失ったテルカ・リュミレースに立て続けに慶事を起こすことで、混乱し萎縮する帝国民を活気づけようという初歩的な方法であることは誰の目にも明らかで、評議会も表立っては反対しなかったのである。
29804アレクセイ・ディノイアの死亡報告から程なくして、騎士団長代行としてフレン・シーフォの名前が挙がってきた。その時はまだ即位こそしていなかったが、実質的には皇帝代行として実務をこなし始めていたヨーデルがそれを承認し、評議会も21歳の若輩者が団長代行ならばアレクセイよりも扱いやすいだろうと見ていたのだが……。
「またあの男か……シュヴァーン・オルトレイン!」
「死に損ないの分際で、小賢しい!」
とんでもない誤算だった。
ヨーデルにつく尊称が殿下から陛下へと変わり、その直後にフレンの肩書きである騎士団長代理から代理の2文字が取り外された。魔導器の恩恵を失ったテルカ・リュミレースに立て続けに慶事を起こすことで、混乱し萎縮する帝国民を活気づけようという初歩的な方法であることは誰の目にも明らかで、評議会も表立っては反対しなかったのである。
maicoline
DONE生存IF、非GBAルート。付き合っていない。残念なレベルでかっこいいノイさんが居ない。ノイナタなんだかナタノイなんだか。
突然始まって突然終わる。ずっとネームばかりしていたので絵のリハビリなんだけど、本当に申し訳ないレベルで描いてて楽しかった……。
はわわする側からはわわされる側になったところが見たかっただけです。
泥酔ナタルさんには夢が詰まっていると信じております……。 2
muhyumu
DONEせるみぼ長編「幸せの泥濘」第七話です。「幸せの泥濘」第七話イノセント・ゼロの計画は着々と進んでいた。そして、それはセルと女のささやかで幸せな生活の終わりが近いことを表していた。
「セル、五兄弟を集めてきなさい」
「……はっ、かしこまりました」
いよいよ侵攻が始まる。セルは出かける前に女の待つ自室へ立ち寄った。お昼の家事を済ませて、ひと休憩していた女は、不思議そうにセルを見つめる。
「セル様、どうかされたんですか?」
「……いや、なんでもない。少し遠出をするから帰りは遅くなる」
お父様の願いが叶うのは、とても喜ばしいことなのに、どうしてこんなに悲しいのか。セルにはわからなかった。泣き出してしまいそうなのを必死に堪えた。お父様の願いが叶ったら、お父様が永遠を手に入れたら、僕と女はどうなるんだろう。セルは自嘲した。わかりきったことだ、用済みとして消されるだけ。セルは、ずっとそれでいいと思っていた。お父様のために尽くし、死んでいく人生こそ喜びだと。でも、今は。
5282「セル、五兄弟を集めてきなさい」
「……はっ、かしこまりました」
いよいよ侵攻が始まる。セルは出かける前に女の待つ自室へ立ち寄った。お昼の家事を済ませて、ひと休憩していた女は、不思議そうにセルを見つめる。
「セル様、どうかされたんですか?」
「……いや、なんでもない。少し遠出をするから帰りは遅くなる」
お父様の願いが叶うのは、とても喜ばしいことなのに、どうしてこんなに悲しいのか。セルにはわからなかった。泣き出してしまいそうなのを必死に堪えた。お父様の願いが叶ったら、お父様が永遠を手に入れたら、僕と女はどうなるんだろう。セルは自嘲した。わかりきったことだ、用済みとして消されるだけ。セルは、ずっとそれでいいと思っていた。お父様のために尽くし、死んでいく人生こそ喜びだと。でも、今は。