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    生時

    Arasawa

    DONE土足厳禁の学生時代。数え切れる程しかない二人の思い出の一つ。
    七海が風邪を引いたらしいから嫌々看病しに行ったら思っていたより辛そうで……?

    土足厳禁を読んでなくても読めると思います。

    この二人が少し遠い将来ゆっくり両想いになっていくことを思うとめちゃくちゃにんまりしてしまう😊
    嫌いな後輩が風邪を引いたらしい「七海が風邪引いたって」
    「ふーん」
    「看病に行ってやんなよ」
    「え、なんで?七海でしょ?なんとかなるでしょ」
    「いいから行ってやんなって。風邪の原因はストレスもあると思うから」
    「えー……」

    ストレスが原因なら嫌い合っている私が看病なんかしにいったら逆効果じゃないのかなとは思う。けれど数ヶ月前に灰原を亡くし憔悴しきったあの七海の姿が脳裏を過ってしまい、硝子に言われるがままゼリー飲料数個を手に七海の部屋を訪れた。七海ならこういう時のためにゼリー飲料くらい常備してそうだけど……。
    呼び鈴を鳴らしてしばらく待ったけれど物音はしない。寝てるのかな。もう一度鳴らして出なかったら帰ろう。固いボタンを再度押したけれどやっぱり物音はしない。……そもそも生きてるのかな。なんだか妙に心配になってきた。七海?と声を掛けるとドタ、と物音がした。いるんじゃん。足音の後ガチャ、と開いたドアを避けて中を覗き込む。マスクで覆われていない七海の目元は真っ赤で少し息が荒い。眉間の皺はいつも通りだ。
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    kadekaru_kaname

    DONE学生時代半ロナ、半は踏み込む時は無遠慮だけど、本気で傷付いている時には一歩引きながら日常のレールに戻してくれそう。
    ˙ᑎO⅄ ƎΛO⅂ I物が壊れる瞬間が好きだった。それと同じ位に美しいものが好きだった。けれど、美しいものを壊したいわけではなかった。ただ漫然と青空の下で考える道楽の一つだ。もしかしたら中二病とか言われる類のものなのかもしれない。そうだと断定されたら、否定できない自分が居た。好きなのは瞬間だ、突沸のように盛り上がった後の残骸に興味はなかった。そんな俺は何処に行ったのだろうか、探す暇も無くなっていた。
    「ロナルド、遅いぞ」
    「オメーが呼び出したんだろうが、カメ谷は?」
    「すぐ来る、部活に課題を出したら合流予定だな」
    「おっけ」
    友情は美しいと思う。だから壊したくない。でも半田にされる嫌がらせはどうなのだろう。壊したら、何になるのだろう。今の俺は変化を怖れていた。特に今から特別な事をするわけでもない、ただ来週からテスト週間だから集まって勉強をしようなんてそんな簡単な会合だ。別に友達同士でなくとも、やることだ。だが、それでも俺には大切な時間だった。此処に俺が居る。それの証明でもあるからだ。半田は別にそんな重く受け取っていないかもしれないけれど。
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