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    みつみ|なつき

    CAN’T MAKEラディムの眼帯とあれこれ
    ミカルが動きすぎたので無理矢理終わらせました
    柔らかくて、痛い ラディムが護衛になってから、退屈することが少なくなった。剣術の稽古のときも、王政について学ぶときも、その長身を部屋の隅にぴったりとくっつけ、葉巻を燻らす。メイドのように世話はしてくれないが、ただそこにいて輪を乱さず、食事の際も毒味をする。
     一度、銀の食器が役に立たなかったことがあった。致死量に満たないほんの僅かだが、遅行性の毒が入っていたのだ。犯人は今年入ってきたメイドだった。曰く、他の国の領主から俺を消すように言われたのだとか。その話を聞いたあと、父は地下にそのメイドを呼びつけていた。彼女は小さかったが、これからの将来がなくなったのはかわいそうだと思う。
    「オレは毒に慣れてるからな」そう返すラディムが、自然な手つきで俺の頭を撫でた。もう数え切れないほど触られたため、無礼だとかそういう感情はない。家族らは黙ってされるがままになっている俺が珍しいのか、はたまた護衛が王子に触れることが考えられないのか。俺が思うに、どちらともだ。家族よりもラディムと過ごす日の方が多いせいか失念しがちだったが、傍目には非常識に映ったのかもしれない。
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