【ルール〔♾️❤️〕】───この世界の人の大抵はみーんな、悲惨な目にあってる。
過去に自分という存在を認めて貰えなくて他の誰かとして扱われて家族にまで捨てられて居場所を失ったり、
不死身故に化け物として扱われて親にさえ見捨てられていじめられた挙句大切な人を目の前で惨殺されたり、
……自分より美しい我が子を妬んだ母親とその信者の父親から度の過ぎた虐待を受けた挙句捨てられたり。
後は来ない助けを求めながら惨殺されたり
生き地獄を味わってたり
まぁ色々だよ。
1番マシなのは施設で生まれて独りぼっちのまま無知で精神も幼いまま育ったヤツかなあ
まあ軽度から重度のまでいるってこと。
そんな他の世界の人達にとってありえないことが僕らのいる世界は当たり前になってる訳。

夜鈴ちゃんとの出会い｢おいおい…こりゃ一体、どうなってやがるんだ…？｣




狐百合が管理しているエリアで密かに営業しているという、闇カジノの存在を耳にしたのが3日前。
手早く情報収集と場所の特定を済ませ、麗琳の元へ掃討命令が下ったのが前日。
入口に立っていた見張りと思しき男を絞め落とし扉を蹴破って地下へ降りたのが今しがた。
中の状態を目にした虎羅が放ったのが冒頭の一言である。

カジノだったであろうその空間は、テーブルの多くが叩き割られるなどして見るも無惨な姿になっていた。
チップやトランプが散乱し、赤い絨毯の床も所々破れてめくれ上がり、天井のシャンデリアも今にも落ちそうな状態でぶら下がっていた。

｢何があったんだ…？｣

数歩遅れて入ってきた流沈も、無言で中を見渡す。