茶碗蒸し
rk_i2z
涂鸦オルフレの皮をかぶったギャグ作品。登場人物キャラ崩壊しているので、ご注意ください。フレデリックの茶碗蒸しの元ネタは、メインストーリーでクリームブリュレが茶碗蒸しと誤訳されていたものです。
アリスは荘園の自室で、一冊の本と向き合っていた。
ついに買ってしまった。
エドガー・ワルデンが描いたオルフレ本……しかも成人向け!
エドガーとオルフェウスは、たまに自作の同人誌をこっそりと販売している。今日の即売会で、この本を見て、あまりに素敵な表紙に魅了され買ってしまったのだ。
まさか、自分が男性同士のカップリング、しかも成人向けの本を買う日が来るとは。
今更ながら恥ずかしくなってきて、アリスは一人で顔を赤らめた。
「よし!」
ごくりと唾を飲み込むと、アリスは表紙をめくった。
物語は日常系だ。
試合中、フレデリックは恐怖を喰らい、開幕早々即死して地下吊される。
仲間が「私を助けなくていい」チャットを送る中、オルフェウスはフレデリックの救助に向かう。
2336ついに買ってしまった。
エドガー・ワルデンが描いたオルフレ本……しかも成人向け!
エドガーとオルフェウスは、たまに自作の同人誌をこっそりと販売している。今日の即売会で、この本を見て、あまりに素敵な表紙に魅了され買ってしまったのだ。
まさか、自分が男性同士のカップリング、しかも成人向けの本を買う日が来るとは。
今更ながら恥ずかしくなってきて、アリスは一人で顔を赤らめた。
「よし!」
ごくりと唾を飲み込むと、アリスは表紙をめくった。
物語は日常系だ。
試合中、フレデリックは恐怖を喰らい、開幕早々即死して地下吊される。
仲間が「私を助けなくていい」チャットを送る中、オルフェウスはフレデリックの救助に向かう。
tsuyuirium
完毕いただいた茶碗蒸しというお題で書きました。風邪っぴきの聡実くんに狂児さんが茶碗蒸しを振る舞うお話です。
卵はぐっすり茶碗蒸しの夢を見るか ひやりと冷たい何かが額に触れる。それは汗ばむ前髪の生え際を辿々しくなぞり、張り付く不快感を少しだけ緩和してくれるその動きから、触れているのは狂児の指だと分かった。
唾を飲み込もうとすると喉が酷く痛い。辛うじて、喉に比べて軽症な鼻詰まりのおかげで呼吸に不自由はなかった。
目を開けると滲む視界には、こちらを見つめる狂児のようなシルエットが映る。頭蓋骨から内側が割れそうに痛む頭と熱に浮かされた思考では、今この瞬間が夢なのかどうかも分からないけれど、額に触れる冷たい狂児の指だけが、現実に僕の輪郭を繋ぎ止めてくれていた。
「聡実くん、起きれる? さっき食欲ないって言ってたけど、お薬飲まなやから、なんか食べんと」
2104唾を飲み込もうとすると喉が酷く痛い。辛うじて、喉に比べて軽症な鼻詰まりのおかげで呼吸に不自由はなかった。
目を開けると滲む視界には、こちらを見つめる狂児のようなシルエットが映る。頭蓋骨から内側が割れそうに痛む頭と熱に浮かされた思考では、今この瞬間が夢なのかどうかも分からないけれど、額に触れる冷たい狂児の指だけが、現実に僕の輪郭を繋ぎ止めてくれていた。
「聡実くん、起きれる? さっき食欲ないって言ってたけど、お薬飲まなやから、なんか食べんと」
enaka_0731
涂鸦そういえば、卵スープ作ろうと思ったら卵が膨張して茶碗蒸しもどきみたいなのができましたね。あまりおいしくはなかったので、
レシピを見たほうが美味しいのができると思います。
灰色の男⑤曇天の雲。重い空気と暗い色が男の雰囲気によく合っていた。
少女は道のり、男を見上げていた。
不気味というより、ただ、男の中身はまるでがらんどうだった。
男から感じる重々しい雰囲気の他、中身のない人形を相手してる気分だった。
少女はそんな男に興味を持ち、声をかける。
「奥さんと来てるの?」
少女は男に問う。
「いや」
「何をしに来たの?」
「ある方に会いに来た」
「それって奥さん?」
「確かに最愛の方だ。」
少女はへぇーと繋がれた指に鈍く光る指輪を凝視した。
「誓いのようなものだ。これを見ていつも俺は彼女を愛してるんだと自覚する。」
「きゃっ、素敵だね!」
口元に両手を添えて少女は無邪気に笑う。
その様子に今まで無機質だった男の表情がほんの些細に緩む。
1434少女は道のり、男を見上げていた。
不気味というより、ただ、男の中身はまるでがらんどうだった。
男から感じる重々しい雰囲気の他、中身のない人形を相手してる気分だった。
少女はそんな男に興味を持ち、声をかける。
「奥さんと来てるの?」
少女は男に問う。
「いや」
「何をしに来たの?」
「ある方に会いに来た」
「それって奥さん?」
「確かに最愛の方だ。」
少女はへぇーと繋がれた指に鈍く光る指輪を凝視した。
「誓いのようなものだ。これを見ていつも俺は彼女を愛してるんだと自覚する。」
「きゃっ、素敵だね!」
口元に両手を添えて少女は無邪気に笑う。
その様子に今まで無機質だった男の表情がほんの些細に緩む。
koyubikitta
涂鸦夏休みに茶碗蒸し食うだけ めぐさく 巡に「夏休みの宿題手伝って」と呼ばれたから、まだ八月頭なのに感心なことだな、と思いつつ勉強道具を一式持って栄柴家へ向かう。
いつも通り巡の部屋へ、と思ったらお手伝いさんに食堂へ行くよう促される。食堂でなにをするのかと訝しみつつも向かうと、扉を開く前から廊下にまで出汁の匂いが漂っているのに気がつく。
「佐久ちゃん! こっちこっち」
扉を開けば巡が明るく手招きをした。巡の目の前にあるダイニングテーブルには土鍋が乗っている。出汁の匂いはこれからしているらしい。その中身は、
「……茶碗蒸し?」
「そ! いいでしょ? 見て、しいたけ」
薄黄色の海には薄く切られた椎茸や鮮やかな緑の三つ葉、桜の形をした蒲鉾が浮かんでいる。海老や銀杏が少しだけ頭を出しているのも見えている。土鍋いっぱいに作られていること以外は、よくある基本的な茶碗蒸しだった。
1837いつも通り巡の部屋へ、と思ったらお手伝いさんに食堂へ行くよう促される。食堂でなにをするのかと訝しみつつも向かうと、扉を開く前から廊下にまで出汁の匂いが漂っているのに気がつく。
「佐久ちゃん! こっちこっち」
扉を開けば巡が明るく手招きをした。巡の目の前にあるダイニングテーブルには土鍋が乗っている。出汁の匂いはこれからしているらしい。その中身は、
「……茶碗蒸し?」
「そ! いいでしょ? 見て、しいたけ」
薄黄色の海には薄く切られた椎茸や鮮やかな緑の三つ葉、桜の形をした蒲鉾が浮かんでいる。海老や銀杏が少しだけ頭を出しているのも見えている。土鍋いっぱいに作られていること以外は、よくある基本的な茶碗蒸しだった。