逢坂
karanoito
PAST始 元ネタ→『「逢坂家の高校二年生のひとり息子」の席が空きましたので、始はそこに組み込まれることになります。』のコメント返信より。現世に戻った兄さんが再び学校へ通うSS。
Answer
教室の扉が開いたのは帰り支度を整え、カバンの紐を肩にかけた時だった。現れたのは部活に出ているはずのクラスメイト。汚れたTシャツにジャージのズボン、部活中の姿そのままで手を上げた。
「よー、始。まだ帰ってなかったんだ?」
「橋本」
今から帰る所だ、と頷く。近づいてきた橋本から鼻血の跡がうっすらと見えた。怪我をして戻って来たらしい。
「痛々しいな」
「顔面スライディングしただけだから平気平気。それより保健室の先生どこ行ったか知らない? 一応診てもらえって追い出されたのにいねえの」
知らない、と首を振ると鼻を擦りながら、グラウンドへあっさり引き返していく。
何でもない放課後の風景。青く晴れ渡った空、部活中の生徒のかけ声、廊下を行き来する足音。いつも通りの日常だ。
3452教室の扉が開いたのは帰り支度を整え、カバンの紐を肩にかけた時だった。現れたのは部活に出ているはずのクラスメイト。汚れたTシャツにジャージのズボン、部活中の姿そのままで手を上げた。
「よー、始。まだ帰ってなかったんだ?」
「橋本」
今から帰る所だ、と頷く。近づいてきた橋本から鼻血の跡がうっすらと見えた。怪我をして戻って来たらしい。
「痛々しいな」
「顔面スライディングしただけだから平気平気。それより保健室の先生どこ行ったか知らない? 一応診てもらえって追い出されたのにいねえの」
知らない、と首を振ると鼻を擦りながら、グラウンドへあっさり引き返していく。
何でもない放課後の風景。青く晴れ渡った空、部活中の生徒のかけ声、廊下を行き来する足音。いつも通りの日常だ。
hima_wari_0303
MAIKING学パロ環壮まだ模索中。今度はもう付き合ってる環壮。しっとりかつちょっとえっち。喘いでないし何も出てませんが一応ワンクッションで。何でも許せるひと向けです。家に縛られてる逢坂さんと寂しい思いをしている環くんが逢坂さんの卒業間近に保健室で逢い引きしているお話です。(説明長) 2115
karanoito
PAST仁×新 「遠藤」「逢坂」って苗字で呼び合う仁と新が見たかった。泣き顔<<<笑顔
「泣くのはちょっとアレだし、後は怒りしかないじゃん」
夏の終わりに神社で話した内容は新にとっては別に面白くも何ともなかったと思う。何をしたらマジで怒るのか皆目見当が付かなかったから仕方ない。暇つぶしに過ぎないお喋りだったが、彼と話すのは充分楽しかった。
泣き顔はあんまりだからとは言ったが、一度だけ彼が泣いてる所を見た事があるのだ、実は。欠伸でも怪我でも玉ねぎを切ったからでもない、あれは正真正銘の泣き顔……だったと思う。思い返すと自信がないけど。
「君は意地悪だけど、いい人そうだな」
打算もなく、純粋にそう思って呟いた君の一言が忘れられない。
まだお互いの呼び方が逢坂と遠藤だった頃、放課後に校舎脇で彼を見かけた。この頃はまだ一緒に帰る程の仲じゃなく、一方的に俺が気にしてるだけだった。
1252「泣くのはちょっとアレだし、後は怒りしかないじゃん」
夏の終わりに神社で話した内容は新にとっては別に面白くも何ともなかったと思う。何をしたらマジで怒るのか皆目見当が付かなかったから仕方ない。暇つぶしに過ぎないお喋りだったが、彼と話すのは充分楽しかった。
泣き顔はあんまりだからとは言ったが、一度だけ彼が泣いてる所を見た事があるのだ、実は。欠伸でも怪我でも玉ねぎを切ったからでもない、あれは正真正銘の泣き顔……だったと思う。思い返すと自信がないけど。
「君は意地悪だけど、いい人そうだな」
打算もなく、純粋にそう思って呟いた君の一言が忘れられない。
まだお互いの呼び方が逢坂と遠藤だった頃、放課後に校舎脇で彼を見かけた。この頃はまだ一緒に帰る程の仲じゃなく、一方的に俺が気にしてるだけだった。
karanoito
PAST逢坂家&秦野家 元ネタ→TwitterのAくんBOT。ナンパされた弟たちを案じる千尋兄さん、弟の彼氏(いない)を警戒する始兄。幼なじみとパンケーキ
あらたん、ちょっと。と千尋が新を手招きする。外では普通に呼んでくれるのに家に戻った途端にこれだ。お互いいい年だしそろそろその呼び方はやめてほしいと言ってるんだが、小さい頃からの癖はなかなか治らないようだ。
どうしたんですかと新が近づくと、内緒なんだけどねと弟の千隼とよく似た口調で耳打ちしてくる。
「知ってる? 始くんがさー、最近物騒な事言ってるんだよね」
「物騒って何を?」
「あらたんに彼氏出来たらゴルゴ13雇いたいんだって。バイト始めたのもそのせいらしいよ」
「……その、一ついいですか。彼女ならともかく彼氏は出来ないと思います」
「うん、それは僕も言った。でもねこないだ、ちーちゃんから聞いたんだけど」
1060あらたん、ちょっと。と千尋が新を手招きする。外では普通に呼んでくれるのに家に戻った途端にこれだ。お互いいい年だしそろそろその呼び方はやめてほしいと言ってるんだが、小さい頃からの癖はなかなか治らないようだ。
どうしたんですかと新が近づくと、内緒なんだけどねと弟の千隼とよく似た口調で耳打ちしてくる。
「知ってる? 始くんがさー、最近物騒な事言ってるんだよね」
「物騒って何を?」
「あらたんに彼氏出来たらゴルゴ13雇いたいんだって。バイト始めたのもそのせいらしいよ」
「……その、一ついいですか。彼女ならともかく彼氏は出来ないと思います」
「うん、それは僕も言った。でもねこないだ、ちーちゃんから聞いたんだけど」