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    酔っぱ

    mizuyasorasora

    DONE水都百景録二次創作、李杜と春花、聡、強です。
    酔っぱらい詩人コンビと商魂逞しい春花を書きたいなと思ったら想定したより長くなった。
    明代の江南にこのタイプの桜あるか?ということと作中に登場するお酒について実際は他の言い方してるのは知ってるのですが来たばっかりで名称が確定してないんだということでひとつ…
    9/7 プライベッター開発者に関する話を見てイヤになったのでこちらに移行します。
    春のうららの「こんなところで寝ないでくれ、太白殿!」
     念願の江南全体をつなぐ大運河が全面開通したその日、宵闇の中の提灯行列、そこここで炸裂する祝いの爆竹の中、その喧騒から少し外れた場所で張りあげる声一つ。爛漫と咲き誇る桜の大木の下、二人の酔っぱらいが押し問答を繰り広げている。
    「春花のれすとらんに行くんだろう、もうあの限定酒を出してる店はあそこしかないんだから。」
     埒があかぬと脇に手をさし込み引き摺ってでも連れていこうとするが、こちらも酔いの回った身の悲しさ、眼前の酔漢はびくともしない。諦めて地面にへたり込むと、ごろりと樹下に身を横たえた大虎から忍び笑いが漏れいでた。
    「杜工部殿も存外だらしのない。」
    「地べたに寝転がってる御仁には負けるよ。全くあちこち花だらけにして。」
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    みはいく

    DONE2022.6.11
    まだ自覚していない頃のふたり。ノヴァ君が先生のお酒を飲んでしまい、倒れてしまいます。酔っぱらってちょっとだけ先生に甘えます。
    先生とノヴァ君の一人称で物語が進みます。
    *リンガイア王国は十五歳で元服を済ませる私得設定なので、ノヴァ君は成人扱いです。
    *ゴッチェ・インペリアルは実在するお酒です。度数なんと92度!
    *酔っぱらっているので、ノヴァ君の父親の呼び方が普段と違います。
    サフランの雫 ランカークスの森の更に奥深く、他人がほとんど訪れない入りくんだ地形に、オレとオレの弟子が住む工房がある。
     オレの腕が壊れてから、人間の坊やを弟子にとって、こうやって工房に住むことになった。ヤツは鍛冶について学びながら、腕が利かなくなったオレの身の回りの世話もしてくれている。
     ヤツはオレにとって、そして他の人間たちにとって、いや地上の生きとし生けるものの命の恩人だ。言ってどうなるものでもないから言わないが、あのままなす術もなく手をこまねいていたら、地上はバーンのものになって、消し炭にされていたに違いない。この地上がそんな姿になるなど死んでも見たくない。ヤツがいてくれたからオレはあの剣を使う気になったし、つまるところ、オレの心は死なずに済んだのだ。バーンの所為で心が二度も殺されるなんて、まっぴらごめんだった。
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