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    雑談

    hakoyama_sosaku

    MOURNING善知鳥と竜胆くん。
    「竜胆くんは膝枕をしてくれる」「STR14の膝はやわらかそう」という雑談から生まれたものなので、それ以外は全部捏造。ネタバレもなし。
    なんでもない日 帝都を騒がすような大事件もなければ、閑古鳥の鳴く事務所に訳有りの依頼人が飛び込んでくることもない、じつに平和な昼下がりのことである。
     普段であればあまり意味のない会話や、何度目かもわからない小言に事欠かないビルの一室に、ぱちん、ぱちんと小気味良く響く音があった。
    「なあ、実」
     善知鳥は今日も今日とて来客用の二人掛けソファに寝転がっていた。しかし普段ならすぐに飛んでくる小言も、今日に限っては決してないことを善知鳥は知っている。
     返事がないのを理解して、善知鳥はしぶしぶ目を開けた。目の前に、いや頭上にあるのは善知鳥の手を取り、握り鋏で爪を切る幼馴染の姿だ。客用の笑顔を仕舞い込んで、真剣そのものの瞳で刃物を持つその姿は、彼の前職を知る者ならどれほど難しい患者を受け持っているのかと勘違いするだろう。残念ながら、彼が向き合っているのは箸と銃以外はろくに握らない三十男の手である。ソファの皮張りにはない温度を頭で受け止めながら、善知鳥はもう一度声をかけた。
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    はるもん🌸

    MOURNING含光君は他人にも自分にも厳しい。そんな含光君にも笑いのツボが存在した。 今日も修行に励む二人の弟子は雑談をしていた。含光君は笑ったことがあるのかと。ぜったいないだろうと言い合っていたら、含光君の道侶、魏無羨が割り込んできた――――――。
    藍忘機の笑うツボ今日は外で琴を練習する日だ。空に向かって衝撃波を連打する。数回打つだけで藍思追と藍景儀はヘトヘトになってしまった。休憩の合間に、二人は藍啓仁の目を盗んで雑談をしていた。

    含光君が笑うところなんて見た事ない。そんな話を二人の弟子達が話すものだから、なんとなくついてきていた魏無羨も間に割り込んで言った。

    「藍湛はけっこう笑うぞ」
    「嘘だ。いつも厳しいお顔をされているじゃないですか」

    藍景儀の反論に魏無羨は「じゃあ見てろよ」と言って、琴を弾いている藍忘機に駈け寄った。

    「藍湛、藍湛、こっち向いて」

    琴に手を置き、音を止めた藍忘機は静かに魏無羨の方を向く。

    「なんだ?」

    魏無羨がにぱっと笑って言った。魏無羨が来てからというもの、藍忘機の表情は幾分か優しくなっていることに弟子達は気づいていた。しかしそれはほほ笑みからは程遠いものだ。ぜったいに藍忘機を笑わせる事などできはしない。わかりきってはいたが、目を離せずに弟子達は魏無羨を見守る。
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    おかわり

    DOODLE[ハジ→トシ] アプローチ開始1ヶ月後くらい。
    トシさんとシンパチくんの雑談。
    個人サイト全盛期のSSみたいな軽やか仕上げ。
    ごちそうさん「最近、斎藤はおかしくねぇか」
    「おかしい……と申しますと?」
    はて、という表情を作りながら蕎麦を啜る。一緒に昼飯でも食いにいかねぇかと誘われた時点でおおよそ予想していたが、直球であることが多い土方が遠回しに話題を切り出したので確信に変わった。
    「……うまく言えねぇんだが、前ほど荒々しくないというか、大人しいというか。身体の調子でも悪いのか?」
    「そうですかね?相変わらず馬鹿で騒がしくて元気ですよ、ハジメちゃんは」
    「いや馬鹿は馬鹿だしうるせぇときもあるんだが……妙に落ち着いた表情してる時、あるじゃねぇか。身体の不調ってわけじゃねぇなら悩み事とか、なにか聞いてねぇか永倉」
    ようやく土方が蕎麦とセットの天ぷらに箸をつけて、さくさくと咀嚼し始めた。土方としては僕に探りを入れるのが目的で、食事は外へ誘う口実に過ぎなかったろうからあまり腹を空かせていないのかもしれない。けれど揚げたての天ぷらが冷めてしまうのを見るのは心苦しかったから、促す前に食べ始めてくれてよかった。気が散っていたが、ようやくこの話を面白がれる。
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