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    風花

    neo_gzl

    MOURNING遙か5風花記、高杉×ゆき
    閉鎖済みのサイトに置いてあったものを拾ってきました。イチャイチャを書きたかっただけなので話にオチなんてない。高ゆきは永遠にイチャコラしていてほしい。
    「甘い雨のなかで」





     外は雨が降っていて、雨音と蛙の声がしている。
     部屋には舶来品のランプが置かれており、文机の前には男が腰を下ろして何かの書状を読んでいた。
     ゆきはつと視線を外から部屋の中に向け、その男――高杉の背中へと移す。
     すると途端に胸の鼓動が跳ね上がり頬が熱くなって、ゆきはまた慌てて外の方を向いた。

     ゆきがこちらの世界に残ることを決め、高杉と二人だけで行動するようになり暫くが過ぎた。二人は今、江戸を発ち、高杉の故郷である長州へと向かう旅程の中にある。
     京や江戸では八葉たちと一緒の騒々しいとも言える毎日だったが、二人きりの今は静か過ぎる程に静かだ。
     最初はそれを寂しくも思えたし、今でも時折不意にそう思うこともあるが、長州への道中も中ほどまで来て、二人でいることにも随分と慣れた。
     ――でも。
     とゆきは所在なさげに膝を抱え直しながら心の中で呟く。
     ――流石にお宿のお部屋まで一緒なんて……。
     そこまで考えてゆきは思考を止めた。それ以上は恥ずかしくて考えていられなかったのだ。
     夕刻になり雨が降り出して、二人は街道沿いの宿場町で宿を取ったのだが、折り悪く 5182

    ラッキー

    MEMOFE風花雪月*前のユリレス漫画 https://poipiku.com/2520/1808320.html のとき、まとまらなすぎて自分用に小説書いてから漫画化したんだけどその時のテキストが出てきたので。
    自分用かつ真面目に書く気がなかったのでゆるゆるです…
    後編のテキストもあるんだけどこれよりもっとひどいので出す気はないです…
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    ――なんとなく、夜明けは嫌いだ。
    (うわ、夜が明けちまった。今日は時間かかったもんな……)
     背後から差した明かりを振り返り、ユーリスは嘆息した。
     しょぼしょぼする目をこすりながら、洗いたての太陽が差し込む寮一階の前を歩いていく。眠気と疲労で足先が重い。何せ昨日の宵に修道院を発ち、今やっと帰ってきたところなのだ。
    (今夜行った貴族の領地は遠かったから、行って帰ってくるだけで疲れたな……もう一日余裕があったら助かったが、明日は課題があるから外せねえんだよな……ああ、早く帰って休みてえ……)
     心の中で愚痴を並べながら、ユーリスはアビスの入り口に目を向けた。その視界に入り込んだ異物に眉をひそめる。疲れで幻を見たかと思わず目を擦ったが、どうやら現実らしい。
     アビスの入り口は実は寮の隅にあり、そして寮の一番端の部屋は、我らが学級の教師に割り当てられている。
     その教師が自室の扉に寄りかかって座り、そこに眠っていたのだ。
     ユーリスは、なぜかどっと疲れが噴き出すのを感じた。
    (……なんでこの先生は外で寝てるんだよ……自室使用禁止令でも出されたのか?まさかな)
     ――この教師のことは、よくわか 1488