Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    bksinto

    DONE乱と鯰尾が貰い事故。
    隙あらばすぐイチャイチャする岩膝。
    「ねえ、膝丸さん知ってる?“好き”って気持ちはね、普通は四年しか続かないんだって」
     ――八つ時の事。
     乱藤四郎の言葉に、膝丸は軽く目を見開いた。
    「四年――それは随分と、短いな……」
    「でしょ?だから四年以上も“好き”が続いてるなら、それは何度も何度も惚れ直してるって事なんだってさ」
    「ああ、なるほど」
    「何かいいなあー。ボクもそういう相手、欲しいなあー」
    「ほう。君ほど魅力的な刀であれば、引く手は数多であろう?その気になれば容易いのでは」
    「本当に?もうー、膝丸さんったら上手なんだから」
    「事実だ」
     ぱっと笑顔を花開かせる様を見て、膝丸は頷いて見せる。見た目は愛らしく、けれどもその本質は刀らしく豪胆でもある。気遣いも細やかだし、彼が望めばいくらでも相手は見つかるだろうと思った。
    「……しかし、そうか……四年、か……」
     自分達のように長く存在する“物”からすれば、ほんの瞬きのような時間である。
     ただ、人の身を得てからはようやく両手の指を超えるかと言ったところ――そこからの年月を考えると。
    「……そうか。確かにこの数年程でも、あいつに惚れ直した回数は、数知れずやも」
    「………… 1340