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    20代

    nktu_pdu

    SPOILERあいがみるゆめ(新田明朗版)のネタバレあり。
    新田が20代前半くらいのときの、細やかな幸福の景色。いつも通り間が悪い新田明朗。
    日常掌編!新田明朗と新田明音ちゃん(ライカさんPC)の会話落書き。

     ただいま、という声がして、明音は元気に玄関の方を振り返ると、軽やかな足取りで駆け出していった。伸ばした髪が走る明音の動きにあわせてしゃらしゃらとなびく。
     今日、明音の双子の兄・明朗が、久々に家に帰ってくるのだ。彼は山を愛する彼は、山小屋バイトや登山で数週間家に帰ってこないことがしばしばあり、今回もアメリカにあるデナリ山頂を目指す登山隊に参加しており、一ヶ月ほど家を空けていたのだ。
    「メイ、おかえり!」
     明音が玄関にたどり着くと、明朗がその背中を覆う大きさの登山リュックを下ろすところだった。出発時に持っていったスーツケースは、荷物として送ったから明日届く、と言っていたのだったか。雲より高い場所を歩いてきたせいか、夏もそろそろ終わるというのに彼の顔は家を出るときより少し日に焼けていた。しかし一ヶ月ぶりに見る彼の姿は、それ以外に変わったところはなかった。怪我の連絡は受けてなかったとはいえ、実際に無事な姿の明朗に心の底から安心する。その気持ちを明音が、ニカッと明かりがつくような笑顔に変換すると表情の乏しかった明朗の顔に僅かな変化が生じた。
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    hukurage41

    DONE #ritk版深夜の60分一発勝負
    演目)七夕
    ※画像でもあげたのですが、なかなか見にくかったのでポイピクにも同時にあげます。

    ・遠距離恋愛ルツ
    ・息をするように年齢操作(20代半ば)
    ・かつて書いた七夕ポエムをリサイクルしようと始めたのに、書き終えたら案外違う話になった
    星空を蹴っ飛ばせ「会いたいなぁ」

     ポロリと口から転がり出てしまった。
     声に出すと更に思いが募る。言わなきゃよかったけど、出てしまったものはしょうがない。

    「会いたい、あいたい。ねえ、会いたいんだけど、司くん。」
     類は子供っぽく駄々をこねた。
     電子のカササギが僕らの声を届けてくれはするけれど、それだけでは物足りない。
     
     会いたい。

     あの鼈甲の目を見たい。目を見て会話をしたい。くるくる変わる表情を具に見ていたい。
     絹のような髪に触れたい。滑らかな肌に触れたい。柔らかい二の腕とかを揉みしだきたい。
     赤く色づく唇を味わいたい。その奥に蠢く艶かしい舌を味わいたい。粒の揃った白い歯の硬さを確かめたい。
     匂いを嗅ぎたい。彼の甘く香ばしい匂い。お日様のような、というのは多分に彼から想像するイメージに引きずられている。チョコレートのように甘ったるいのともちょっと違う、類にだけわかる、と自負している司の匂い。その匂いを肺いっぱいに吸い込みたい。
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    hatake21st

    DOODLE※年齢操作 20代のジェイフロ
    フは合コンに行ってますが恋愛要素はジェイフロのみです。
    フがお酒飲んでジにお持ち帰りされる話
    身体が熱い。血液がミルクパンであたためられて全身をゆっくりと流れていっているような心地良い温さは、フロイドが陸に上がってから初めて知ったもののうちの一つだった。
     酩酊感と呼ばれるらしいこれは、アルコールによって引き起こされる反応の一種だ。身体をあたためるには良いが、過ぎたると毒なのだという。たとえ少量だろうが、毒を体内に入れるだなんて、人間は脆弱なくせに挑戦心ばかり旺盛だ。ただ、人間のそういうところをこそ気に入っているフロイドとしては、自らも人間となった今、その愚かとも言える挑戦を大いに楽しんでいた。
     お金はこっちで持つからと頼み込まれて参加した集まりは、男女の熾烈な狩り、いわゆる合コンと呼ばれるものだった。普段であれば聞きすらしなかった、街中の見知らぬ人間のその誘いに頷いたのは、お酒をタダで飲めるという以外に、ジェイドが夜遅くまでいないからだった。
     お仕事なんです、と告げて真夜中色のスーツを身に纏ったかたわれは、頬と額に物足りないほど柔いくちづけを落として、まだ返事をしていないにも関わらず、フロイドを置いて出て行ったのだ。朝一番、遅れてくちづけを返そうとして空を切った両腕の寂し 3552