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    nktu_pdu

    @nktu_pdu

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    nktu_pdu

    PAST探索者として使っている的場徳一郎(刑事)は、一人でひそひそやっていた一次創作のキャラを使ったのですが、的場徳一郎の一次創作の短文が見つかったので、アップします。
    なんで的場徳一郎がポーカーフェイスになったのか、という点が書かれていたので。

    ※武田は一次創作のキャラで、玉木は自シナリオにも出てくる的場の部下です。
    無題 自分の心情で周りの人間が振り回されるのが、とても嫌だった。

     私は小さい頃から、小賢しいもので、自分の感情など表に出すべきではないと勝手に決めつけていた。一人っ子であることに咥え、唯一の家族である母は私を育てるため働きに出ていた。笑ったり泣いたりしても、それを見る相手がいなかった。自然と、一人でいる時は無表情だった。これが、仮面(ポーカーフェイス)の基盤になった。
     私に構うことをしなかった母を責める気はない。何故なら私が一人でぼんやりと過ごしていたことが誘因になったとはいえ、無表情を選んだのは結局私だからだ。

     小学校にあがる頃には、感情を表に出さぬよう、常に注意していたと記憶している。とはいえまだまだ子どもだ、よくケンカして怒っていた。笑うこともまあまああったはずだ。ときたま漏れてしまう表情のせいで、担任にも同級生にも「大人びた子」程度に映ったらしい。笑わない子どもは不気味がられるだろうが、私は頼れる友人という枠に収まった。
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    DOODLE大学三年くらい、先輩×新田(新泉前提)。
    甘えてくるかわいい新田を書きたかった。
    ※名前だけ、ライカさんのところの小泉光をお借りしてます
     その映画は俺にとってひどくつまらないものだった。好きな女優が主演だからという理由で借りてきた映画であったが、安っぽい恋愛観が当たり障りのないストーリーに乗せられて語られるだけの内容で、なんというか、知人の惚気話をファミレスで永遠と聞かせられている気分になった。俺は開始三十分も経たずにその映画に飽きていた。現在お付き合い中の「彼女」と観ていれば映画の中の恋愛と比較して自分たちの愛を語ることもできるだろうが、隣で一緒に映画を見ているのは、同じ山岳部の後輩だった。
     彼はすでに飽きている俺よりは熱心に映画を鑑賞していたが、その真剣さは義務的な空気を含んでおり、恋愛映画の鑑賞時に相応しいものでなかった。彼もこの映画のつまらなさをわかっていて、それでもなお、作品として語れる部分を探そうと躍起になっているのだろう。「先輩が選んだ映画なのだからちゃんと見ないと」という生真面目すぎるその姿勢に、俺は逆に加虐心をくすぐられて、彼へと手を伸ばした。テレビからの明るい光で照らされる横顔に触れ、鍵状に曲げた人差し指の背で撫でる。彼はさすがにテレビ画面から目をそらして、戸惑いの生じた瞳でこちらを見上げた。俺はにこりと笑って、ペットを愛玩するように彼の頬を数度撫でた。すると彼は俺の指に応えて、指の背だけでなく手の甲にも触れるよう、擦り寄ってきた。彼は普段、積極的に他人とコミュニケーションを取る人間ではなかったが、俺が触れるとそれなりに反応してくれた。
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    nktu_pdu

    DOODLE小泉光(ライカさんPC)と新田明朗(自PC)の落書きSSです。
    先輩が死んで葬式が終わったあと、つまりアラサーんの二人の話。(霊山も名前だけ出る)
    シナリオのネタバレは特にありません。
    小泉くんと新田の落書き。もしかしてわたしたちははじめからずっとこうだった?





     葬式に出席するため袖を通した喪服をクリーニング屋から引き取ってきた帰り――共通の友人である霊山から、スマートフォンに連絡があった。
    『新田と連絡がとれない』
    『落ち込んでるのは間違いないから様子を見てきてくれないか』
    『俺よりもお前の方が、あいつと仲がいいだろう?』
     そんなメッセージの並ぶ画面を、俺は玄関で、透明のビニールに包まれた喪服を片腕に抱えたまま無表情で眺めていた。すぐに返事を送れなかったのは、突然の連絡に戸惑ったからではなかった。
     最後のメッセージ――『お前の方があいつと仲がいいだろう』という問いかけに、何と答えるべきか、わからなかったからだ。新田明朗は確かに大学時代からの『知り合い』であり、知り合った当初は仲の良い友達、と呼べる間柄だったのだろうが、今はもう違う。彼は俺を置いて先へ行ってしまった。不器用な生き様に似つかわしくない才能でもって、俺を置いてどんどんと文字通り高いところへ――行ってしまった。
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