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    2004年

    いずみのかな

    DONE有栖川作家編。健全ホラー。
    『文が淵』と同じく、2004年、有栖川サイトの納涼企画ウェブアンソロに寄稿しましたものです。
    終盤のある箇所について、ウェブアンソロに掲載したときはタグで仕掛けを作ったのですが、pixivでは無理だったためそこのみ変更しております。
    ジャパニーズホラー、の王道目指して頑張りました。
    覗く目 太平洋上で台風が発生したらしい。
     しかし大阪上空は相変わらずの快晴で、気温は今日もうなぎ上りだ。私はだらしないと思いながらも首周りが伸びたTシャツを着て、昼前からソファの上でごろごろ寝そべっていた。日が高いうちに飲むビールは、ほんの少しの後ろめたさもスパイスとなって、また格別の味がする。何たる堕落、と咎めるなかれ。私はつい先程短編を脱稿したばかりなのだ。締め切り明けの作家のささやかな道楽としてここは見逃して欲しい。
     ビールを一本空けたらシャワーを浴びて、約三十時間ぶりにベッドに入るのが今日の予定である。明日のうんと遅くまで惰眠を貪り、それから週末で家にいるであろう京都の友人の所にでも出向くのもいいかもしれない。この二週間、会話を交わした相手は担当一人だけ、更に言うなら二度の電話の合計時間は十分に満たない。私は人に飢えている。
    20073

    Rikka0424ys

    DONE*付き合ってませんが、五(無自覚)×悠(自覚あり)。

    *五条が夏油に手をかけた日…夏油の命日の話しです。普段の疲れが余りに溜まってしまい、精神的にヤられちゃった五条です。

    *何でも許せる方向け。

    DREAMS COME TRUE様の【やさしいキスをして(2004年2月18日リリース)】の歌詞に寄せてます。
    やさしいキスをして。(五悠?)「ゴメン。釘崎、伏黒。俺、用事思い出したわ。先に帰えんね!!」
    今日は3人揃って夕飯を食べようと街へ繰りだしていた時だった。スマホの新着通知を確認した悠仁が、それだけ言い残すと慌てたように駆け出す。


    「え、虎杖?!急にどうしたのよ、アイツ…。でも、用事ってなんなのかしら?」
    詳しい事を聞こうと野薔薇が声をかけたが、悠仁は遥か彼方へ走り去っている。
    「…さぁ?あ、コンビニ寄りたい」
    「解った」
    無言で悠仁を見送った恵は、野薔薇とコンビニへ立ち寄るのだった。


    ーー
    通知と共に表示されたメッセージには、ただ一言

    『会いたい』

    だけで。いつもの軽いノリは影を潜んでいる。
    普段とは違う様子に、悠仁の不安が募る。
    (先生…)
    流石に呼吸も苦しくなってきて、スマホを仕舞うのももどかしく握りしめた掌は、手袋をスマホを操作する際に外してしまった為に、指先が凍るように冷えてきたが、構わずに悠仁は走り続けた。
    1142

    瀬菜悠貴

    MOURNING個人サイトで公開していた作品で2004年作。

    BLゲーム「王子さまLv1シリーズ」で王子×従者(カナン×セレスト)。写真、のお題で書いたものです。カナン視点。
    「うん?」

     調べ物をしようとして書庫から持ってきた本を机に置いた拍子に、ひらりと何かが床に落ちた。

     ―――…? 写真…?

     床に落ちた一枚の写真を拾い上げて僕は眉を顰めた。
     そこに写っている人物。
     それは僕がよく知っている―――彼だった。
     しかし、今と比べて新緑の瞳は心なしに大きく、顔立ちも幼い。
     あどけない表情で微笑んでいるその姿は……まるで天使が微笑んでいるようで。
     何故こんな写真が本に挟んであったのか。
     思う事は沢山あるが、今そんな事を考えてもどうしようもないのも解っている事で。

     ―――確か、アルバムが在った筈だな…。

     ふと思い立って僕は自分が持っているアルバムが収まっている本棚へと足を向けた。



    「……ふむ」

     僕はおやつを運んできたセレストの横顔をじっと見ていた。
     こうしてみると……やはり写真の面影は所々残っている。
     流石に輪郭は大人の男の其れになってはいるが。
     伏せると意外に長い睫毛が表情に影を落として。

    「…? どうかされましたか? カナン様」

     お茶の用意をしていたセレストが僕の視線に気付いたのか、困惑したような表情で問い掛 2184