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    3月25日

    よるのなか

    DONE3月25日開催キスブラWEBオンリー「お迎えコールを今夜も鳴らして」展示作品でした。閲覧、絵文字ありがとうございました!しぶ転記にあたりこちらも公開に戻します。
    特別任務で数日同居することになった恋人同士の二人と、その色々を目撃する隣人の話。
    隣人視点中心のため、
    ・任務の内容の言及は少ない
    ・二人の描写に曖昧な点あり
    となります。それっぽい話として雰囲気でお楽しみいただければと…。
    ある研究員の、隣人観察記録 これは、僕の家の隣に数日間だけ住んでいた人達の話だ。
     ほんの数日間しかいなかったけれど、毎日ひたすら研究に明け暮れて同じような日を過ごしている僕に、色々なインパクトを与えてくれた、そんな人達の話。
     

    ■一日目

     年末と正月の賑やかさが過ぎ去って、少し落ち着いた頃のことだった。
     ちょうど区切りが良かったのでいつもより少し早めに作業を切り上げて、少し食材を買い込んで帰宅した。小さなアパートの、一階の奥から二つ目の部屋。部屋の前まで来ると、空きであるはずの隣の部屋に、人だかりができている。皆同じ作業服だった。
    「引っ越し……かな」
     前の住人は僕よりもずっと年上の男性で、結婚して妻の実家に入ることになりました、と幸せそうな笑顔で挨拶をくれて退去していったのが二年前。以降はずっと空きの状態が続いていた。ついに人が引っ越してくるんだろうか。どんな人だろう。あまり煩くない人だといいけど。このアパートは見た目よりずっと耐震性や防音がしっかりしているけど(僕も時々家でも機械いじりをして少し音を立ててしまうので、防音がしっかりしているここを選んだ)、それでも度を越す音は流石に伝わってくるだろうし。  
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