TG
Asahikawa_kamo
PAST烏天狗mcとショタkgmのkgmmc。とある田舎の禁足地に足を踏み入れてしまったショタkgmと、その土地を守っていた烏天狗mcの邂逅諸々の話です。ふんわりtgの香りもします。
#序
雄大な山々に囲まれた景色の中に、ぽつぽつと散らばるように点在する家たち。田畑はどこまでも伸び広がり、細いあぜ道は森の麓まで首を伸ばしている。人の薄い自然は、間違いなく田舎と呼ばれるべき風景だった。
その田畑の合間で、一人の少年は高い太陽をひとつ見上げてから小さな手を掲げる。眩しさに眩んだ双眸は淡いブラウンを強く際立たせていて、そこにかかる前髪は柔らかなカフェオレカラーだ。品の良さそうなシャツとサスペンダーを纏わせながらぱちりとその大きな瞳を瞬かせると、少年は一度やってきた道を振り返る。遠くに見える田舎の家々に、聞いたこともないような虫が足元で歌う。少年が住んでいる都会の高層ビルでは一度も見たことのなかった光景だ。それだけで、胸の奥底がわっと沸き立つように熱くなる心地に見舞われる。今にも走り出したいという衝動と、きっとはしたないとお母様に言われてしまうだろうという理性が少年の心の中で火花を散らしていた。
13140雄大な山々に囲まれた景色の中に、ぽつぽつと散らばるように点在する家たち。田畑はどこまでも伸び広がり、細いあぜ道は森の麓まで首を伸ばしている。人の薄い自然は、間違いなく田舎と呼ばれるべき風景だった。
その田畑の合間で、一人の少年は高い太陽をひとつ見上げてから小さな手を掲げる。眩しさに眩んだ双眸は淡いブラウンを強く際立たせていて、そこにかかる前髪は柔らかなカフェオレカラーだ。品の良さそうなシャツとサスペンダーを纏わせながらぱちりとその大きな瞳を瞬かせると、少年は一度やってきた道を振り返る。遠くに見える田舎の家々に、聞いたこともないような虫が足元で歌う。少年が住んでいる都会の高層ビルでは一度も見たことのなかった光景だ。それだけで、胸の奥底がわっと沸き立つように熱くなる心地に見舞われる。今にも走り出したいという衝動と、きっとはしたないとお母様に言われてしまうだろうという理性が少年の心の中で火花を散らしていた。
rikaryouka
PAST前に書いて、プライベッターにあげてたやつーポイピクに統一しようかなーと
夜の魔法「哥哥?」
「あ、三郎」
花城は道観の屋根に乗って星空を見上げる謝憐に声を掛ける。
「どこに行ったかと思いました」
「すまない。心配させた?」
「いいえ。哥哥の気配はしていましたから」
「そうか」
謝憐は花城を見て微笑むと、また夜空に視線を戻す。
「今日は星が綺麗なんだ」
「へぇ・・・僕もそこへ行ってもいい?」
「もちろん」
頷くと、花城は軽く飛び上がり、謝憐の横に着地する。
座っている白い裾を踏まない様にしながら、腰を下ろすと片膝を立てて星空を見上げる横顔を見つめた。
「・・・三郎。星は見ないのか?」
視線を感じ、謝憐は苦笑いをする。
「見てるよ」
「君が見てるのは私の顔だ」
「仕方ないよ。星よりもずっと美しい」
臆面無く言い放たれて、星よりも美しいと称賛された横顔がくしゃりと歪んだ。
630「あ、三郎」
花城は道観の屋根に乗って星空を見上げる謝憐に声を掛ける。
「どこに行ったかと思いました」
「すまない。心配させた?」
「いいえ。哥哥の気配はしていましたから」
「そうか」
謝憐は花城を見て微笑むと、また夜空に視線を戻す。
「今日は星が綺麗なんだ」
「へぇ・・・僕もそこへ行ってもいい?」
「もちろん」
頷くと、花城は軽く飛び上がり、謝憐の横に着地する。
座っている白い裾を踏まない様にしながら、腰を下ろすと片膝を立てて星空を見上げる横顔を見つめた。
「・・・三郎。星は見ないのか?」
視線を感じ、謝憐は苦笑いをする。
「見てるよ」
「君が見てるのは私の顔だ」
「仕方ないよ。星よりもずっと美しい」
臆面無く言い放たれて、星よりも美しいと称賛された横顔がくしゃりと歪んだ。
kd1ty4_ko_2
MAIKINGX相互·雪さんのお話(https://x.com/yukigafutteruyo/status/1854816266617602171?t=SnrnXz61AfN6H9Nr-3Y0iw&s=19)の一場面のラフ正座花城🦊あざとカワイイ反省スタイル
カリフラワー
DONEさわマル展示その2いつもの同棲ルスマヴェ短編集です。一応すべて新しく書いたものです。
「ゆるゆるで甘い2人の日常」は私の個人的な好みなので、ご了承下さい🙏
パスワード🗝️→ イベント初日(mm/dd) 10857
カリフラワー
DONEマ右ワンドロワンライのお題「電子機器」をお借りして書きました。一緒に暮らそうよ系ルスマヴェです。
この画面を越えて 技術の進歩というのは凄いもので、日々人類の生活を変え続けている。……まあ、俺がその進歩に感謝しているのはそんな壮大な理由ではないけれど、どこかの誰かの発明が、俺に幸せをもたらしていることは言っておきたい。
ラップトップの電源を入れて、通話画面を開く。発信音が鳴れば、たちまち大陸の端にいる恋人と顔を合わせられる。これこそ、ロボット掃除機やスマートスピーカーよりも俺が望む技術の進歩だ。
「Hi マーヴ」
画面の向こうの恋人に手を振ると、彼は同じようにこちらに手を振り返した。そして俺の背後の景色をぐるりと眺めて、変わりはないか、俺に直接尋ねる前に予想を立てる。
「やあブラッドリー、変わりはないか?」
そうして俺に尋ねる。変わりはないよ。そう答えると安心したように返事をする。そうか、僕も変わりはないよ。
4298ラップトップの電源を入れて、通話画面を開く。発信音が鳴れば、たちまち大陸の端にいる恋人と顔を合わせられる。これこそ、ロボット掃除機やスマートスピーカーよりも俺が望む技術の進歩だ。
「Hi マーヴ」
画面の向こうの恋人に手を振ると、彼は同じようにこちらに手を振り返した。そして俺の背後の景色をぐるりと眺めて、変わりはないか、俺に直接尋ねる前に予想を立てる。
「やあブラッドリー、変わりはないか?」
そうして俺に尋ねる。変わりはないよ。そう答えると安心したように返事をする。そうか、僕も変わりはないよ。
カリフラワー
DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「手入れ」さらっとお題を撫でたくらいの話で恐縮です。マーヴの作業風景を眺めながらもやもや考えるルスの話です🐓💭
あなたのそんなところが 乾いた風がハンガーに吹き込み、風に運ばれた砂が外と中の境界を曖昧にする。ぶつぶつと何かを呟く声。「ああ、あれが要るんだった」大きな歩幅で道具を取りに行く長い脚。俺には名前もわからない道具を迷いなく掴む小ぶりな右手。
「ブラッドリー、せっかく来てくれたのに構えなくて悪いな」
愛機の元へ戻ったマーヴは振り返って言った。するとソファに寝そべる俺と目が合い、マーヴは可笑しそうに笑い出した。太陽が動き、さっきまで影に覆われていたソファと俺の顔が、扉から差し込む強い陽の光に照らされているのだ。
「ほんと、俺はマーヴに会いに来たのにね。これじゃ帰る頃には丸焼けになっちゃう」
「すまない、もう少し待ってくれ」
マーヴは笑いながらもう一度謝罪した。
2728「ブラッドリー、せっかく来てくれたのに構えなくて悪いな」
愛機の元へ戻ったマーヴは振り返って言った。するとソファに寝そべる俺と目が合い、マーヴは可笑しそうに笑い出した。太陽が動き、さっきまで影に覆われていたソファと俺の顔が、扉から差し込む強い陽の光に照らされているのだ。
「ほんと、俺はマーヴに会いに来たのにね。これじゃ帰る頃には丸焼けになっちゃう」
「すまない、もう少し待ってくれ」
マーヴは笑いながらもう一度謝罪した。