Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    amy

    @t_utumiiiii

    DOODLE医師になる夢を挫折してエミリー・ダイアーとして歌手デビュー(蛍)したリディア先生のお歌がお気に入りの入院患者4-1-1ちゃん エマエミ?
    ※差別的な描写等
    蛍(エマエミ) 彼女のデビュー作であり出世作でもある『蛍』をはじめ、発表した数多の曲は皆人々に愛され、ひとたびレコードが発売されれば、それから毎週ヒットチャートの上位に君臨する稀代の歌手こと“エミリー・ダイアー”が幼いころに抱えていた夢は、彼女のトレードマークでもある星の光の色をそのまま映し取ったかのようなティアラと、澄み切った夜空色をしたマーメイドラインのドレスの織り成す魅力的な雰囲気とは似ても似つかず、「医師になること」というものだった。全ての患者の健康を守り、助け、その幸福に寄与する、誠実な医者になること。それが、幼いころのエミリー、もとい、リディア(彼女の本名だ)が胸に抱いていた夢だった。
     女学校では模範生として知られた彼女が、幼少期から温め続けていたその夢を具体的に追い始めた頃、医師という過酷な職業選択に対して非協力的な態度を取り、度々衝突することとなった両親の元から逃げるように飛び出した彼女は、学費と生活費とを捻出する必要から、求人を出していた下宿近くのバーで働き始めた。そこで彼女はときに歌い手としてステージにも立ったが、それはもっぱら演者が時間通りに現れず、いきり立つ客を諌めるためのその場しのぎであって、彼女が歌うことを自ら志願したわけではなかった。彼女はどちらかと言えば臆病な性質であったが、何らかの(この場合は、金銭上の)必要があればそれなりに豪胆に振舞うことができる性質であり、ステージを出しているバーの側からすれば、それなりに見映えのする若い娘、それも歌がある程度務まるようなものを立たせておけば問題ない。双方の利害の一致として、彼女は時折バーのステージで歌い、余分のチップを貰いながら、昼間は学生としての生活を続けていた。
    2896

    L_tw_sl

    MOURNING緊縛師のエミヤさんが最終的に槍に縛られる槍弓(タイトル)を読みたくて書きはじめてみたら、それで満たされてしまった導入部。弓が和服着てモブ女を吊るだけ。槍は存在の匂わせすらありません。
    自分に縛られて徐々に蕩けてゆく女を見て、自分が縛られたい欲や羨ましさを押し殺して禁欲的に振る舞うエミヤさん良いな〜って…そのあたりは書かれてませんが。
     光量を落とした白熱灯の下、体を折り畳むように女が座している。緋襦袢に白い半襟。裾から覗く足首が酷くなまめかしい。俯いた貌は幼さを残しながらも美しく整い、不安と、隠しきれない期待の色を浮かべている。
     毎度どこで見つけてくるやら、佳い表情をする女だ。思うと同時に背後でシャッター音が響き、まさにその面がファインダーに切り取られたことを知る。
     エミヤは自身の着物の裾が女の視界に入るよう、わざと正面を横切って背後に回った。暗色の紬は、養父が舞台用に仕立てて愛用していた品物だ。今ここにスポットライトはなく、観客もいないが、受け手に与える印象を思えば必要な演出だと割り切って身につけている。
     所在無げに床に置かれていた手頸をとる。ぴく、と小さく揺れた薄い肩を、反対の手の指先でそっとおさえる。触れあう場所の面積が極力小さくなるように、そっと。怯えさせてはいけない。だが安心させすぎてもいけない。初めてこの手技を受ける、その意味を殺してはならない。
    2178