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    オーダーメイド

    高間晴

    DOODLEぼんど800字。チェズモク。モクにオーダーメイドのスーツを着せたかっただけなので細かいことは許されたい……■知らない


     チェズレイはモクマと共に、今夜は裏社会のパーティーに潜入することになった。そこにはマフィアのボスなども顔を出すそうだ。狙いはそいつらの尻尾を掴むこと。
    「ちょっとチェズレイ。おじさん、ネクタイの結び方なんてわかんないから頼んでいい?」
     ホテルのツインの部屋でスーツに着替えたモクマ。申し訳なさそうに、ネクタイを差し出してきた。モクマはチェズレイのボディガードという名目で潜入するので、それらしい身なりをしなければならない。チャームポイントの無精髭は綺麗に剃り落とされ、オーダーメイドの黒スーツを身にまとったモクマに、チェズレイはため息を漏らす。
    「あぁ……素敵です、モクマさん」
     そう言ってネクタイを受け取ると、チェズレイは手早くモクマの首にネクタイを巻き、結び目まで丁寧に整えた。
    「ありがとさん」
     モクマが礼を言うと、チェズレイはその額にキスを落とす。
    「ちなみに今夜はパーティーから帰った後に、そのままあなたを抱いても?」
     含み笑いでお伺いを立てるチェズレイに、モクマは苦笑する。
    「パーティー会場で何事も起こらなきゃね。無事に生きて帰るまでが潜入ミッション、ってやつ 828

    Tonomi_ygr

    MOURNING八真 オーダーメイドのスーツをましたさんにプレゼントするおじさんが書きたかったのですがしっくり来ないので没です◆仕立ての話

    「真下。背中、破けてるぞ」
     八敷がそう声をあげたのは買い出しに行こうと玄関の重い扉を開けようとした時だった。言われてジャケットを脱いで確認してみる。さほど大きい穴というわけではないが、何かが引っかかったような傷から生地が裂けている。
    「参ったな。これしかないわけじゃないが……新しいもんでも買うか」
    「なら、これから見に行くか?」
    「そうだな。どうせ大した予定もないし……」
     買い出しと言ってもどうせ数日分の食料くらいでこの後も予定はなく、二人でたまにはゆっくりしようかなどと話していたところだ。タイミングとしては丁度良い。
    「真下はいつもどこでスーツを買っていたんだ?」
    「量販店だ。現場を駆け回ったりホシを追っている内にこうしてだめにしてしまうことが多々あるから安物でいいんだよ」
    「そうか。ふむ……」
     ハンドルを握っていた八敷が何かを考えるように髭を撫で、手帳を取り出しパラパラとめくる。それを不思議そうに真下が眺めていると、しばらくして手帳を閉じいつもとは反対方向へとハンドルを切った。
     向かう先は八敷に任せているので口出しこそしないが、見える景色がどんどん都心に近付 645