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    kon

    すぺ2

    TRAINING紺(kon)さん @yakin1030 の可愛い、いちご妖精さんの絵にSSつけさせていただきました!ありがとうございます❤【はるになったら】

    監督という自分の肩書が特別顧問になった頃。俺は家に居る事が以前よりも少しだけ増えた。照乃は「せっかくいらっしゃるなら日向ぼっこでもなさったら?」と俺をわざわざ縁側に呼び出し、自分はよろよろと植木の世話をする。
    長年連れ合った連れ合いだ。俺が年を取ればこいつも同じように年を取る。数年前から少しずつ丸くなった背や遅くなったその動きを見て危なっかしいと思わざるを得ない。俺だって、よそ様から見たら五十歩百歩と言われるのかもしれない。だが、長年ガキどもの相手をするために心身共に健康を保つことを心がけてきた俺とは違い、ごく一般的な年の取り方をしているらしい照乃一人にそれなりの数のある植木を世話させるのがこの年になってやっと悪いかもしれないと思えるようになって来ていた。
    「今年は、綺麗なイチゴが出来そうよ?」
    小さな植木鉢に植えられた小さな植物にちょろちょろと照乃が水をくれている。その葉の間に、白い小さな花と小さな果実のようなものがいくつか付いているのが見て取れた。形は確かにイチゴのようだが、食卓に出される物を考えると、かなり小ぶりに思えた。
    「そりゃぁ、食えんのか?」
    「これ 5391