Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    キャロル

    ろまん

    DONE【零薫】夢ノ咲時代の二枚看板が進路の話をしたり、現在の二人がUNDEADの冠ラジオ番組に寄せられたメール相談にのったりする話です。
    薫くん中心に家族関係の変化や名前を語り合いつつ、相棒になるまで/なった後を辿ります。

    時間軸としては、前半が夢ノ咲学院三年次の晩秋、後半がズ!!の数年後の初秋になります。キャロル、オペレッタの内容を含みます。
    pixivにもおなじものを投稿しています。
    最愛のゆくえ「薫くんは卒業後、どうするんじゃ?」

     その問いかけは、回りくどい言い回しが得意なその男にしては珍しく、至極ストレートな物言いだった。
     只今、軽音部室にいるのは朔間さんと俺の二人だけ。言わずもがな問いかけているのは朔間さんで、問いかけられているのは俺だ。その状況下で無視するわけにもいかず、渋々液晶スクリーンに向けていた顔を上げて、対角線上にいる朔間さんを見た。

    「……随分といきなりだね」
    「おや、そうじゃったかの? まあ、暇潰しの雑談だと思って付き合っておくれ」
    「ふーん…… ま、いいけどさ」

     ……雑談、ねえ。
     数多ある話題のなかから「あの」朔間さんがわざわざ進路の話を選択するなんて、どうせ意図していたものに違いない。だが、そう尋ねたところできっと涼しい顔で躱されるだけだ。
    25467

    _aonof

    PROGRESSヤの夏×バーテンダー男主。
    予感の3話。「キャロル」
    バーテンダーの大会で優勝した。
    と言っても創作部門で優勝しただけで、総合優勝は逃してしまったので、また来年挑戦したいところだ。初めて優勝を掴んだおかげで、あちこちのハイクラスホテルから出張の依頼が来て忙しくなった。
    オーナーがそれも経験だというので、片端から出かけては、パーティ会場に設置されたバーカウンターで腕を振るう日々だ。
    毎日忙しくしていて、あの男のことは忘れかけていた。
    その日も大きなパーティに呼ばれて、バーカウンターで忙しくカクテルを作っていた。絶えず人が眺めに来ては、作ってほしいカクテルを言うのでIngaにいるときより忙しい。
    メニューが絞ってあるとはいえ、目まぐるしく注文される忙しさは中々経験出来ないものだ。
    人の波が途切れた時に、その声はした。
    「キャロルを作ってもらえないかい?」
    聞き覚えのある低い艶のある声に、はっと顔を上げると、そこには……。
    名前を呼ぼうとして、知らないことに気づく。
    「夏油だよ。夏油傑。妙なところで会うね」
    そう言った男、夏油は、真っ黒なブランドスーツに身を包んでいた。身長があるせいで会場内で目立つ。綺麗な顔立ちにちらちらと視線を送るのは女ばか 3089