Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    末期

    おーり

    MOURNING◆ゲン/千
    ◇ストーンワールドのゲンと千空。ゲン→千空です。
    ◆司帝国と決着のついてないあたり。



    ゲン/千に「ん」が二つあるのかわいいなぁって思ってるけど、ゲ千も何かの鳴き声みたいでかわいい(末期)
    切り取れなかった日曜日 石化復活してから、しばらく俺はこの世界を哀れだと思っていた。発達した便利な文明は時の流れで消え去って栄華を極めた痕跡だけが空しく残った世界。長らく生物の頂点に座していた人間が作り上げてきたものが自然に淘汰された有様を過去に想像したことがなかったわけではないが、こうして目の当たりにしてみた印象と感情とはかなりの差があった。
     日々のなんでもないような、それこそ気付きもしないささやかな日常の変化を趣がある、風情があると慈しんで楽しむ感覚を忘れたわけではない。狩猟時代に戻った日常には新鮮さはあったし、体験したことのないことを体験していく発見もあった。 
     ただ飽きてくるのである。
     元々、芸能界で人間相手に仕事をしてきた俺としては物足りなさが少なからずあり、つまりは飢えていたのだろう。渇望する心に仕方ないと折り合いをつけて、要求されるままに俺を復活させた男の命を聞いた。最初は復活させてくれた礼もあり、服や食料を分けてくれるなどの恩に対するギブアンドテイクの気持ち。ただ、彼の場合は少し行き過ぎていて、どういうわけかたった一人、自分の世界を脅かさんとする相手に執着して消そうとまで考えていた。
    2670