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    閉店

    iglifaa

    DONEハロウィンに書いたお話です。リアルの方の池袋が建物の老朽化によって色んなお店が閉店したり建物が取り壊されているのを見て数年後には全然違う池袋になっているのかなと思ったので、ヒプマイのブクロもほうだとしたら、左馬刻さんも久しぶりに来たブクロに戸惑ってしまうのでは?と思い書き始めました。あと最近出た帝王というパワーどうしても使いたかったです。
    全く関係ないですがタイトルと同名の作品がめちゃ好きです。
    屍者の帝国 屍者の国に迷い込んでしまった、思わずそう思った。

    イケブクロに電車で来たのは久しぶりだった。いつもは自分か舎弟に車を出させるが、今日はヨコハマもハロウィンのお菓子を配るイベントがあったりで忙しかったのもあり、なんとなく、気まぐれで電車に乗ったのだ。

    池袋の駅構内には『ブクロハロウィン開催中』という大きなポスターが所々に貼ってあった。イケブクロといえば、所謂サブカルチャーの街として栄えているが、この街の歴史を見るとそれがごく最近の話だということが分かる。例えば、侍なんかがいた時代には辻斬りが横行していたらしいし、イケブクロの象徴のひとつであるショッピングモールがある場所にはかつて拘置所があって、沢山の人が命を落とした。
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    みゃこおじ

    MOURNING【ココイヌ】午後23時、閉店間際自動ドアを潜ると、来客を知らせるベルが鳴り、いつもこの時間帯にいる深夜アルバイトの店員が奥から姿を表す。2名様ですかという問いに頷くと、空いている席へどうぞと店内に通された。少し価格帯も高く、ラストオーダーの時間が差し迫っているせいもあるのか、まだまだ宵も序の口というのにあまり人はいない。
    乾と九井が座る席は決まって窓側の角の席だ。正方形型のソファーテーブル席に腰掛けていると、店員が水を持ってきてご注文がお決まりの際はインターホンでお呼びくださいとお決まりの台詞を言って去っていく。何食おうかなぁと口では言っているが、九井が頼むものは大体いつも同じようなものだ。
    黒龍の集会や九井の仕事につきあった後はほとんど毎回このファミレスに立ち寄った。乾としては24時間営業のもう少しリーズナブルのファミレスの方が性にあっているというのに、九井は美味い飯が食いたいといってオニオングラタンスープで有名なこのファミレスを好んだ。
    基本的に食事代は九井持ちだ。黒龍の活動資金を生み出すのと同時に、九井は自分自身の資産運用に精力的だった。乾のような10代の少年には目眩のしそうな価格帯のグランドメニューにはいつも 2614